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すきな店ほどフランス語
もうまんまな話である。
つまり気に入っていれば、気に入っているほど覚えられないのである。
ラやルから始まった日には、もう匙を投げている。「郵便局の向かいの」「交差点を渡ってすぐの」が精一杯の暗記の仕方である。
もしかしたらば、誰にも教えたくない、という心理が自然と働いてるのかもしれない。
だから勝手に日本語の店名を上塗りしていきたい。
あの花屋は「ハンケチ落とし」、あのカフェは「反時計回り」、あの雑貨屋は「茶柱」、
あと、あの日の夜の店は「忘れない」。
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