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口紅、最終手段として
タイトルだけ浮かぶ。
生憎、私は小説家でもバンドマンでもない。だからそんなに命名する機会はない。だけど、浮かんでしまう。そして、悪戯に過ぎていく時間とともに飽きる。たまに芸名や戯曲のタイトルを考えて欲しい、と言われたりするが、その時に浮かぶものは純度が低い。それなりに配慮があるからだ。
コントライブをやる時には、新たに浮かぶものにしている。
最近、完全にタイトルに惹かれ、購入した
「電話・睡眠・音楽」という漫画。
34歳の渋谷勤務のOLが街を彷徨い、判で押したような仕事、夜な夜な立ち寄るBAR、眠れないだけの電話、ところどころ彼氏の残像、
そんな平日であろう一日が過ぎ、
シャワーを浴び、真っ裸で鏡越しに、ただただ朝を迎える。
そんなおはなしだった。
私は長電話も熟睡も苦手で、苦手というのは、したくてもできないという方が正しく、そばにあるのは音楽であるということだ。
もしこの並びがひょっとして、寂寥トリオなのだとしたら、私はこうするだろう。
いや、ここに書くと飽きるからやめておく。
万が一、ある程度、老いるまで生きていたら、
「一人百首」というピンネタライブをやるつもりだ。「一が万」でもいいかもしれない。
飽きがくるから、夏でいい
という駄洒落まで浮かぶ始末。
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