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モノが語りかけてくる声に耳を傾けるということ。

連載のように続けてきた大日本市の「プロのカタリベ」企画。ついに(?)最終回をお送りします。

今まで一本一製品で書いてきましたが、今回は試した製品の中で良かったものをご紹介していきます。

(今回はモデルが木村自身なので、ちょっと絵面がわるい写真は公式サイトの写真をお借りしました…!)

大和工房のroom'setta

今回試した中で、個人的にもっとも気に入ったもの。それが大和工房のroom'setta(ルーム雪駄)。

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読んで字のごとく、室内履きの雪駄です。

その雪駄スタイルでフットベッドが凸凹になっていて、常に足の裏を刺激してくれます。

コロナ禍で室内で過ごすことが多くなり、運動不足になりがちだったので、ストレッチなどを念入りにするようになったのですが、このルーム雪駄に出会って、この雪駄を室内で履くのが習慣になりました。

雪駄の鼻緒が親指と人差し指の間を刺激し、足の裏も刺激されるので、デスクワーク中にめちゃくちゃ気持ち良いです。

この製品を見た瞬間にもう廃番になってしまった、この名品を思い出しました。

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BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)のsuper noppyという製品。
いまやファッション化したコンフォートサンダルのビルケンも、ちょっと前までは「健康サンダルメーカー」として、こういうのも作っていたんですよね。ブランドの象徴的なアイテムが好きなので、昔購入しようと思って試着したんですが、凶暴なくらい足の裏が刺激されめちゃくちゃ痛かったので購入断念したのを覚えています笑

super noppyという製品に憧れていた私には、ついに出会えた!と思えた製品でした。

TO&FROのRAIN PONCHO

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雨の日は、ポンチョ推しである。誰がなんというとポンチョ推しなのだ。

それはなぜかというと、バッグを背負ったままポンチョを着ることができるから。背負ったバッグを雨具の中に入れることができる。

バッグの防水性を気にしなくて良いのがうれしい。

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また、雨の中自転車に乗る時にも最高である。裾をハンドルに引っ掛ければ、大概の雨の日に自転車に乗っても快適に乗ることができる。

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こういうことはレインコートではできないのだ。
袖や裾が曖昧なポンチョだからできる。

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レインコートは、袖が厳密に決まっているのだが、ポンチョはそれが決まっていない。だから、風でめくれないように指を引っ掛けておくループがある。ポンチョに慣れていないと戸惑うし「これで大丈夫かな?」と不安になるかもしれない。

でもその不安を超えてアクセスしてきた人に、ポンチョは「雨の日」という不自由な日に「自由」を与えてくれるのだ。

製品に余白があり、使い手の工夫によって色々な用途で使える。こういう製品が好きだ。

TO&FROのPACKABLE TOTE BAG-AIR-

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もはや現代の必需品である「お買い物袋 a.k.a エコバッグ」みなさんもメインバッグの中に入れて、食料品や日用品を買うときに使用しているのではないでしょうか?

折り畳んだり、付属の袋に入れて小さくコンパクトに収納していると思いますが、この「PACKABLE TOTE BAG-AIR-」は私が見た中で最も小さくなります。

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石川県はかほく市のカジレーネの織物技術は、とにかく薄く、軽い生地を織ること。ハードな仕様に耐えうる耐久性も持ち合わせ、有名なアウトドアブランドの生地にも採用されているメーカーです。

アウトドアブランドの生地選定の基準はとにかく「薄くて軽い」こと。装備が軽ければ、より遠くに速く、シンプルな装備でいける。ライトでファストが正義とされている領域。そんな極限状態で使用される生地を生産するメーカーさんが本気で日用品を作っているのが、この「PACKABLE TOTE BAG-AIR-」なんです。

とにかくめちゃくちゃ小さい。薄くて不安になりますが、アウトドア仕様の高強度。Mサイズで5kg入れて24時間ぶら下げていても大丈夫。

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「エコバックは必須で持っていて、せっかくだから飲み物もタンブラーで持ち歩こうかな?」なんて方、増えていると思います。わたしもその一人で、ペットボトルやビニール袋をなるべく使わないようにしていますが、そうすると自然と持ち歩く荷物が増えてきます。

そんな時にバッグのスペースを殺さずに、便利に使いまわせる。そんな「PACKABLE TOTE BAG-AIR-」お世辞抜きにめちゃくちゃおすすめです。

THEの洗濯洗剤

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むかしむかし、私が書いたnoteを読んでから、以下の文章を読むことをおすすめします。

このエントリの結論「中性洗剤で全部洗っちゃえば分けて洗わなくていいじゃん!」を実現してくれる洗剤です。

しかも、生分解性に優れていて、排水の汚染も最小限。香り付けに使われている精油の効果か、少量使用でOKで、汚れの再汚染もなく、気持ちいい洗い上がりになります。

ほんとに一本で洗剤洗濯が済むって素晴らしいことです。大体洗濯って、帰宅してからか、休日に一気にやる方が多いと思います。

大切な衣料を長く着るためにもちょっとでも丁寧にすることをおすすめしたいのですが…実際は難しいところ。私も衣料品を扱っていますが、分けて洗ったり、都度用途に応じて洗剤を変えるのも億劫…

そんな時に役に立つ。環境へちょっと配慮した生活したいなという人にはぴったりですし、何より洗剤が一本で済むって、洗剤置き場のスペースをあまり考えなくて良くなるので、省スペース化にも貢献すると思います。

ラベンダーの香りが苦手な人には向いていないですが、逆に好きな人にはぜひ一度使ってみて欲しい洗剤です。

HAAGのSWEAT ZIP PARKA

HAAGさんのHPを見た時に「やられた・・・!」と思いました。

こちら、紡績からやっているファクトリーブランドさんなら、絶対やった方がよい企画…

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服の生地は、糸の太さは「番手」と呼ばれ、糸番手と編み方や織り方などの組織によって、タッチ感や柔らかさ、伸び方などが規定されていきます。

そんな糸の特性をそのまんま企画にしてしまうアイディアに脱帽しました。めっちゃいい。

そんな企画の中で、おそらくセンターの位置を占めるであろう「40」シリーズから、ZIPパーカーを着てみました。

ふんわり柔らかい生地で着心地も良く、日常使いにもってこいな素材。使い込んだ後には寝巻きにも使えそうなくらいリラックスした感じです。

着用するときには、柔らかい素材特有の毛羽がでるので、一度洗濯して水通しすることをおすすめします。

SOUKISOCKS

SOUKI SOCKSは奈良県の靴下工場さんのファクトリーブランド。

とにかくローゲージ(太い糸)の靴下にこだわっていらっしゃいます。このへんは履き心地に好き嫌い選びますが、厚手のソックスが好き!という方には良いでしょう。ちなみに私は夏でも厚手のソックス履くタイプです。

ローゲージの靴下が得意です
私たちの得意とする靴下は「ローゲージソックス」です。
可愛い絵柄やキャラクターの入った靴下は編むことができません。
ローゲージソックスというのは太めの糸で編んだ分厚い、編み目の粗い靴下の事をいいます。
しかも、昔ながらの機械を使って編んでいるので、必然的に機会をゆっくり回しています。それにより、近年の大量生産で作られる靴下に比べてふっくらと柔らかい仕上がりです。
また、ローゲージソックスは様々な糸を選んで編むことができます。
HPから引用

SOUKIさんは結構丁寧にソックスについてコンテンツで語ってらっしゃって、熱意が伝わりますし、普段履いているソックスを何気なく選んでいる人にぜひ読んでみてほしいコンテンツが結構あります。

例えばこのあたり。

こうして作り手さんが自ら語ることが重要だと私は常々思っていまして、それはこういう作り手さんしか知らないであろうコンテンツに触れることによって、わたしたちのような使用する側のモノとの向かい合い方が変わっていくと思うのです。

簡単に手に入れられるようになったからこそ、機械で簡単に作られているように思えるが、実は人の手が入り、人が作っている。私たちの想像力が及ばない領域を事業者さん自ら語っていく。使っていい製品、気持ち良い製品であることは大前提ですが、そういう姿勢があるモノづくり業者さんが増えれば、大量生産大量消費が課題になっている世の中で、消費のことを少しでも考えるきっかけになると思います。

この記事は、中川政七商店が運営する「大日本市」の企画で、
暮らしの道具を実際に使用し、プロのカタリベとして感想を記事にしています。
バイヤー向け展示会「大日本市」のサイトはこちら
https://www.dainipponichi.jp/shop/pages/exhibitions202105.aspx?utm_source=note.dainipponichi.jp&utm_medium=referral&utm_campaign=note202106exh
他のカタリベの記事一覧についてはこちら
https://note.dainipponichi.jp/m/ma0cf1e57b52f






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