惣辺奥瀬風力発電事業に反対する理由

4月22日に十和田市内で実施された惣辺奥瀬風力発電事業の第2回説明会に参加しました。

惣辺奥瀬風力発電事業については

・十和田湖から5km、奥入瀬渓流から2kmという国立公園のすぐ近くで計画されている

・赤倉岳、小岳、雛岳など青森市内の八甲田エリアからも風車が視認できる

・十和田古道をはじめとする十和田湖信仰の文化継承や、これを生かした青森県全体の観光振興、ひいては世界文化遺産への登録推進に大きな悪影響がある

などの理由で、私は反対の立場です。

説明会には、昨年11月の第1回に引き続いて参加しました。

参加者からは、

・地下水脈への悪影響

・六ヶ所村で惣辺奥瀬風力発電の事業者「十和田風力開発」の親会社である「日本風力開発」の設置した風車が倒壊した件

・低周波への懸念

などがあり、ほとんどが事業反対の意見となりました。

事業者からは「本事業計画地がゾーニング(で風車が建てられない)対象となれば決定を尊重」との趣旨の説明もあり、事業者は地域住民の意見を無視しての計画推進は出来ない状態となったと感じます。

今回、事業者から具体的な風車位置の提示がありました。惣辺牧場付近の風車配置がかなり密集しており、不自然なのが気になるという指摘もありました。

風力発電の風車は一般的に風向きに対して風車風下側に1kmー2kmの長さ垂直方向に500m程度の幅でで「影響圏」ができます。

その圏内では発電効率が落ちるため、一般的に風車を設置しません。

風車基数を非現実的な配置で多く計画しておき、今後基数を削減して「地域住民の声に配慮した」とする計画か?と勘繰りたくなります。

また、惣辺牧場あずまや付近は十和田古道の遥拝所があったとも言われ、古の巡礼者はここから十和田湖を遥かに拝んだと言われています。

その惣辺牧場あずまやからは、すぐ目の前に多数の風車が見える状態になります。事業者は「八甲田方面に風車を設置しないこととして景観に配慮」としていますが、「十和田古道の遥拝所」という価値に配慮するのであれば、十和田湖方向への眺望が遮られる点で、景観とともに歴史文化の継承という点で大きな問題があると考えます。

この惣辺牧場あずまやからの眺望については、前回の説明会で私を含む多数の参加者から指摘があったにも関わらず具体的な対応がないことは、地域住民意見を反映しているとは言えない状態です。

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