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ap bankの哲学、そしてKURRKU FIELDSとの出会い

お料理のレシピやアイデアがたくさん載っている雑誌や本が好きで、月に2〜3冊買ってくるもんだから、すぐにメインの本棚がいっぱいになっちゃう。使用頻度の低いものからロフトにある空いてる本棚に移されていく。こうやって本って増えていくんですよね。お料理の本は繰り返し目を通していて、夕飯や、メニュー開発のお仕事の参考にしています。

先日、雑誌ELLE gourmetの中で害獣駆除された猪などをソーセージやサラミなどのジビエ食品に加工した商品を発見しました。今後、ジビエ料理の開発も視野に入れているので、味わいやお肉の使い方を探るために取り寄せてみることにしました。この商品を作っているのは、木更津にあるKURRKU FIELDSとのこと。「あれ?KURRKUって、ap bankのクルック?」

ap bankは、ご存知の方も多いことでしょう。小林武史さん、櫻井和寿さん、坂本龍一さんが2002年に立ち上げた団体で、環境との共存や持続可能な社会環境のもとに事業を始める人へ低金利でお金を貸したり、アートや音楽のイベントを通じて環境や取り組みを広げる活動をしています。KURRKUはその一環で、切っても切れない環境と食べものの繋がりに重きをおいてカフェ経営などをしていました。

ap bankの哲学に共鳴した私は、2005年に静岡県のつま恋で開催された第1回目のap bank Fesのボランティアスタッフに参加したんです。初日の朝、スッタフミーティングの最中に小林武史さんが我々のところへお話に来てくださったのを覚えています。私にとっても雲の上のおひとなので、びっくりしすぎて何をお話ししていたかぜんぜん覚えていないけれど、たくさんのことを成し遂げてきた偉人オーラみないなのを感じた気がしていました。

野外音楽フェスとなると、会場にはドリンクカップや食べもの屋台から出る容器のゴミがあたりに散らかり、イベント後には場所としてみっともない姿になってしまうことが多い中で、ap bank Fesではゴミの会場内での回収、分別、持ち帰りを呼びかけてきました。我々ボランティアは、お客さんに呼びかけ続け、容器やコップをリユースし、ゴミをまとめるのが任務。真夏の太陽の下で努力した甲斐あって、イベント後の会場にはゴミひとつ無い、元のつま恋になっていたという伝説(と思っている)をつくったことは、今でも何かにつけて思い出す出来事です。

数年後、KURRKUのカフェが東京にできたという話を見聞きして、確か、原宿あたりだったと思いますが、当時住んでいた静岡から足を運んだこともありました(今はもうないようです)。ウッディーな店内で、心地よい音楽が流れていて、雑穀を使ったお料理とか、産地を示した野菜のメニューとかに初めて触れた瞬間でした。静岡にはああいうナチュラルテイストなカフェはまだまだ少なかったので、私にとっては刺激的でした。

そしてあれから十数年経った今、KURRKUに再会し、ap bankの哲学に再び触れることになりました。

私には夢があります。広い農園があって、誰でも自由に出入りができて(なんだったら農作物を盗んでってくれてもいい)、遊んだりキャンプしたり、農園産や産地を明らかにした日本や世界の美味しいものを出す食堂でごはんを食べたりお茶したり、泊まったり、住んだり、働いたりできる場所をつくりたいと思っています。思っていましたら、こういうのに似た場所をKURRKUがつくっていました。それが、KURRKU FIELDSです。

「むう、先を越されたか」と思いつつも、想いに重なるところがあって、20年くらい前に共鳴したあの感じはきっと、少なからず同じくして、それぞれの時間を過ごしてきてたんだろうなぁと、個人的には思わざるをえない、のです。

お写真は、KURRKU FIELDS届いたシャルキュトリーの製品です。じゃがいもとパンとビールを用意して、なんとなくミュンヘンにも思いを馳せながら楽しみたいと思います。

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今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございます。気が向いたら、シャルキュトリーの食べもののことも記事にしようと思います。

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