長いおつきあいのなかで、私たちができること。

今回はこの2冊。

どちらも2007年~2008年に出版された書籍ですが、10年以上経ったいまでもマーケティングにおいて大切だと言われる内容ばかりだったので、忘れないようにメモしておきます。

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・消費者本位の発想には「伝えたい相手」をイメージすることよりも、「伝えてもらいたがっている相手」をイメージすることの方が考えやすいことも。消費者はニーズがある時に伝えてもらえないとすごく損した気持ちになる。最初にリアルにイメージできるかが肝で(初動、大事)、相手が一番望んでいることをするという考え方を忘れずに。

・広告におけるクリエイティブについて。実際の業務でも「もうシンプルが一番(分かりやすいの)では?」と何度も思うけれど、相手にしっかりメッセージが届く(だけ)のは単なるインフォメーションで、広告ではない。それでは、相手の心を動かすことはできない。意識変容を起こすようなクリエイティブになっているか問い続けること。

・消費者は「あなた」であり「なかま」「みんな」のメンバーでもある。本人に直接アピールして購買意欲が換気されない場合でも、「なかま」や「みんな」が言う・買うで意欲や実際の購買行動は変わる。消費は所属社会の視線のなかで行われ、中心を動かすことの影響は大きい。「今年のトレンド~」も同じ。

・クチコミの伝達の速さ、影響力の大きさは「六次の隔たり」によるものであり、情報を届けるにはフリークエンシー×リーチ×ビット(情報の深さ)を組合わせた立体的なキャンペーンの組み立てが必要(Info-Cubeと呼ばれる)。

・情報過多時代に、飽和状態になった消費者の心を内側から開けるのは2つの方向性からなる「共感」。ひとつは「企業が消費者をわかってくれている」というパーソナライズな共感性で、『あなた目線の共感性』。もうひとつは「企業と消費者が同じ方向を向いている」という共感性で、『なかま目線の共感性』。未来を共有しているということ。

前者は、最近話題だったCMだとこれかな。泣ける。

後者はヤッホーブルーイングのファン自身が企画する“ファン宴”とか、企業とファン(なかま)が同じ目線で一緒に未来を描こうとしている熱狂施策が当てはまりやすそう。

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この情報、誰に向けたもの? 誰が欲してるの? 本当に欲してるの? それってどこにいる?……。

どこへでも、いくらでも情報・モノを出せる時代。働き方改革のなか限られたリソースで、誰と向かい合いラブレターを届けているのかを振り返りながら、この先も長いおつきあいができるようになりたい。