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どうしたら 着物の色を 身につけられるんだろう? 参(3)

おはようございます

着物押しの紅です。


〈 禁色(きんじき)と倹約令 〉

着物の色にまつわる話では避けにくい話なのでちょっと頑張ってお話しします。


だいぶ古い話になりますが

飛鳥時代に聖徳太子が定めた国を治めるための憲法。

(この頃はまだ着物ではなかったのですね)

冠位十二階という制度、色を取り入れたのはわかりやすく素晴らしい発想ですよね。

色を禁じるという、不自由な部分もありますが。

 

どんな色を使うことも禁じられていない

 令和の幸せに感謝しないといけませんね。

(もっと 着物を楽しみたいですね!)


その後、平安朝の

襲(かさね)の色目という色合わせにメッセージを持たせるという文化にもつながるんですね。


江戸時代になると身分によって許される色が決められていたそうです。

庶民は華やかな色を身につけることができなかった・・・

たびかさなる倹約令で茶色と灰色しか身につけられなくなったとか。


昨日の写真の黄八丈がどれだけ美しく映ったことでしょうね。人気だったこともうなずけます。


庶民は禁じられた中で、できる限り色を楽しんでいたようです。

茶色と灰色しか身につけてはいけない


という「おふれ」に対して

果てしない色目を作り出すことで楽しんでいたそうです。

日本人の色に対する感受性の強さは禁止に対抗することから培われたのですね。すごい魂。


そうそう

百鼠(ひゃくねず)四十八茶(しじゅうはちちゃ)


という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

日本の色目には

ねずみ色が百色あり、茶色も四十八色あるという

つまり限りない色があるという例えですね。


様々な色の変化を楽しんでいた庶民の生活は、けっして貧しくはなかったのでは?


銀ねず  藤ねず 利休ねず 深川ねず 鳩羽ねず 梅ねず 白ねず 紅消しねず ・・・

和の色名は心を動かすものがあります。


デジタル化が進んだ昨今ですが

アナログの世界を決して忘れないことが人類を無用の災難から救うような気がします。(紅は預言者ではありませんが(^_^;))


昨日は

着物の未来について悲観的な気持ちになりましたが、今日は気をとりなおして頑張ります。


和裁のお客様が

来週

浴衣を着たいとのことで

急ピッチで浴衣を仕立てることにしました。


3日連続で和裁のお稽古に来てくださっています。



今日の写真は

道行コートです。

蘇芳色(すおういろ)が素敵ですね。

最近はあんまり使わない和の色名、これも遺していきたいですね。 紅




よろしければサポートお願いします。m(_ _)m 着物のテーマパークを作るのが夢です。 令和の女性たちにも(もちろん男性も)ふだん着物を楽しんでもらえたらいいなと思って活動しています。 紅