見出し画像

「着物とは…?」〜さゆりさん編〜

10月、霜降を過ぎたある日のことです。
お着物姿のご夫妻が、和の國にお出掛けいただきました。
熊本市新町にある「武蔵屋」さんという歴史のある下駄屋さんでお買い物をなさり、「街に来たので、和の國にも寄ってみよう!」ということでした。

ダンディな康さんは、言葉数が少ない方。10年程前からの知り合いです。
奥様・さゆりさんとは、初めてお会いしました。
さゆりさんは「ずっと主人に着物を着ましょう!と言っていて、やっと着てくれるようになったので、とっても嬉しいです。」と幸せいっぱいの表情。

そうおっしゃった会話のあとに、「ね~〜。」と、ご主人様の方を向いて愛情表現なさるご様子には、微笑ましいものがありました。夫唱婦随の逆バージョンのようですが、着物が織りなす素敵なご夫婦だと思いました。


会話は弾み、さゆりさんに「着物の良さは何ですか?」とお尋ねしてみました。そうしたら下記のような答えが返ってきました。
「私は、心の中のテンションが上がります。特別感があり、気持ちがキリっとします。」「着物を着ていたら、お行儀良くしておかないといけないので、所作も美しくなります。良い意味での女らしさを感じます。」と。

「呉服店にメンテナンスを持参しただけなのに、着物を無理無理進められた」という「よくある話?」もされました。つまるところ、利益追及の売るためだけの呉服屋では、本当にお客様の信頼は得ないし、着物離れの要因の一つかと。。。


そして、さゆりさんはこうおっしゃいました。「私は、子どもの頃(小学校時代)に、着物に触れる機会を増やせたら良いのになあと思います。レンタルも良いけれど、物を大事にしない世の中になっている気がします!自分で手入れをすることで、物も大事にして愛おしくもなってきます。勿体無いという言葉がどんどん風化されているような気がしています。その言葉も大切にしていきたいです。」・・・と。

そこで、「さゆりさんが大事にしていることは何ですか?」とお尋ねしました。「私は、着物が大好きなので、その良さも伝えたいですね!」との言葉と同時に、ボクにとっても「大事にしていることは?」の自問自答となりました。
「かけがえのないものは?」との言葉を出して、ボクが浮かんだのは、「自分」「家族」「カミさん」「スタッフ」などに加え、「愛」「信じ抜く」「可能性」などでした。

僕は、「本当に、着物で世の中を良くしたいと思っているのですよ。」「すべての人々が着物で笑顔になるって、どんなに素敵なことでしょう!」とお話していたら、その場の空気感もとっても良く、笑顔いっぱいの時間となりました。
誠にゆかしい着物談義に、花が咲きました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?