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高校1年の授業中、右手が勝手に!

僕は、小・中・高校と野球部に所属していた。
中学までは軟式ボール、高校からは硬式ボールだ。
軟式ボールはゴムでできているが、硬式ボールは牛皮を縫い合わせてできている。
高校一年生一学期、お昼からの5時間目授業中のことだ。
僕は日本史の授業の最中に、密かに硬式ボールを縫っていた。
一年生には、ボールを一日一個縫ってくることが課せられていたからだ。
最初は、紐が長い。針を持った手が、ちょうど右手を正面やや右に挙げた形になった。右手は針を持ったままである。

その時、先生より「ハイ、いばらき!」と当てられた。
僕はとっさに、「間違えました」と言った。
先生は、「おら(俺は)まだ、何も質問しとらんぞ!」と言われた。
教室のみんなは、大笑いした。
笑いを取ったのは、何となく嬉しい気持ちにもなったが面映ゆかった。
ボールを縫っていることがバレて、授業中廊下にずっと立っていなければならなかった。
歴史の先生より、野球部の先輩に怒られるのがこわかった。

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