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夏着物の足元は、コレで決まり!

僕はTwitterに、こうつぶやいた。
「一昨日のワクチン接種の副反応か?腰が痛くてなんか重だるい。しかし、角帯を締めると痛みが軽減する。角帯はコルセット代わりにもなっている。角帯様様だ。」・・・と。
60歳の還暦を迎え、noteとTwitterにトライしている。すると、脳が化学変化を起こし、色々と自分の着物姿についても考えるようになった。

今日は、「右近下駄・うこんげた」についての話だ。
右近下駄のことを「きもの用語大全」にはこう記されている。

右近下駄とは2枚歯のない下駄で、底が鼻緒の綴じ目の辺りで大きくくられて、かかとと爪先で分かれた形状をしています。底は、前後に渡りゆるやかな曲線がついているのが特徴です。普段履きには重宝する履物です。

右近下駄の由来は謎である。仕入先や鼻緒のスゲ職人に聞いても、「昔からそう言ってました!」とのことである。

僕の想像だが、平安時代、紫宸殿に植えた「橘」や「桜」のことを、「右近の橘、左近の桜」とも言う。この底が優しい感じの下駄を「橘」にたとえ、「二本歯の下駄」のことを、幹がある「桜」にたとえたのだろうか?
「右近」への思いを巡らすのは楽しいものだが、「右近下駄の由来」をご存知の方がいらっしゃったらひご教授願いたい。

素材は、一般的に「桐」や「焼き桐」が多い。足元がシャープに見える「桐の右近下駄」を昔は愛用していたが、爪先近くがよく欠ける。欠けると言っても1cm弱だが、微妙だ。かけらを拾うことができた時は、木工ボンドで止めたこともあった。歩き方が雑だと言えばそれまでだが、普段履きには、コスパが合わない。

以来、右近下駄を愛用しているが、「ゴマ竹の右近下駄」を愛用するようになった。これは、先が欠けることはない。桐の台にゴマ竹を貼ってある。一足に対し、6辺の竹を使っているので、微妙に凹凸がある。ゆえに下駄と足の裏に通気性が生まれる。
全体が覆われていないので靴とは比べものにならないほど涼しいが、夏場には特にもってこいの下駄だ。

鼻緒は、涼感を演出する「科布・しなふ」だ。新潟県や山形県の山奥でとれるという。生産もごく僅か。繊維自体が「麻」などと比べて大きい(荒い)ので、織り上がると凹凸や空間が生まれて見た目にも涼やかだ。
普段に着る夏着物には、本当によくマッチする。

浴衣姿に、素足で履いてもお洒落だ。縁日が目に浮かんできた。
うーん、懐かしい! 
古き良き日本の光景、その復活を夢見ている。


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追記:
足袋を履いたショットは、こんな感じだ。
柄は、トンボ柄。トンボは、前にしか進めず後ろに退かないことから、「勝ち虫(かちむし)」と呼ばれ、縁起の良い虫として重宝された。装束・鎧・兜・刀のツバなど多くの装飾品に見ることができる。伊達政宗や前田利家が好んでいた模様と言われている。

加えてトンボは、害虫を食べてくれる貴重な益虫として、「五穀豊穣(ごこくほうじょう)の象徴」ともされてきた。
勝ち虫にあやかり、後ろを振り返ることなく、前進あるのみの人生も面白いかもしれない。今の時代にぴったりだ。


「右近下駄の由来について」 同年10月28日追記

右近下駄のこと、京都の小物専門問屋・衿秀のどひさんが調べてくれた。
大正時代、歌舞伎役者の右近さんが初めて履いたことに由来するそうで、シュース型ともいらしい。シューズをもじって、シュース?とは、これはチト微妙かも。西洋文化(カタカナ)がどれだけ日本に普及してきたかを感じ取ることができる。

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