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僕の見つけたモノ

見立て:「デキャンタの花入」

日本には「見立て」という素晴らしい文化がある。
今回は、デキャンタを花入れとして店内に飾った。
ガク紫陽花が少し酔っているのか。大人びて見えた。

デキャンタとは、ワイン等のお酒を入れて食卓に供するガラス製の容器のこと。デキャンタを用いることで、味わいをまろやかにしたり、香りを良くすると同時に、ワイン中の澱(オリ)を除くことができたりもする。

僕は、28年前に着物だけの生活をすることを誓った。
その半年後、茶道(裏千家)の門をくぐった。
以来、洋の東西を問わず、骨董品などにも興味が出てきた。

このデキャンタのメッシュは、純銀でできている。
西洋の社会のナイフやフォークは、純銀製が多かった模様。
それは、毒に触れると銀の色がすぐ変わるからだと言われている。

購入した骨董品屋さんに聞いても、詳しくは分かりませんとのこと。
分からないは、神秘的とも言い換えができそう。
箱も、説明書きもなくても、美しい。

カットガラスは使っていなく、編み方が上部に行くほど繊細になっている。
デキャンタは海外から入ってきた文化なので、日本製かどうか分からない。
精巧なモノづくりをなさるイタリアの職人さんが作の可能性もある。

本来の役目であるデキャンタとして、夜の宴を楽しむも良し。
花入に見立て、裏庭から一枝摘んだ花を活けるも良し。
雨音の調べが聞こえていたが、ワインを注ぐ音へと昇華していった。

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