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組織発足から1年が経ちました

新しいスタート。新しいチーム。

2022年1月にClimate Integrateが発足してから1年が経ちました。
組織設立もマネジメントも人材募集も、全て一からの手探りのスタートで、実績のない団体に応募してくれる人はいるのだろうか?給与は払えるだろうか?仕事は順調に進められるだろうか? …と、頭の中はぐるぐると休まる時もなく、あっという間に時が過ぎ去りました。

ところがそんな心配をよそに、相談をした方や、声をかけた方が、それぞれに有益なアドバイスや協力をしてくれ、感謝と感激が連なる日々でした。新しい出会いもありました。たくさんの人に支えられ、期待されていると知ることで、身が引き締められ、それがまた私のエネルギーになっていきました。駆け出しの1年を見守り、応援してくださり、本当にありがとうございます。

Climate Integrateのチーム

Climate Integrateは、2023年1月現在、私の他に、5人のスタッフ、3人の理事、5人のアドバイザーのチームで構成され、走り出しています。スタッフは、それぞれ離れた場所でリモートで働きながら、常にチャットやオンライン会議で会話ができる環境を通じて一緒にチームづくりをしてきました。仕事では真面目でも、個性豊かなスタッフ同士の雑談はいつも笑いがこぼれています。「笑顔のある組織は成功する」と学んだことがあります。いいチームでスタートできたことは、私にとって何よりうれしいことでした。
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2022年6月のハイブリッドでの総会開催の様子

Climate Integrateの事業

そして今、Climate Integrateは、「気候を保護する」というミッションを掲げる独立系シンクタンクとして、時代に沿った新しいスタイルに挑戦しながら事業に取り組んでいます。連携・分析・発信・支援というキーワードで紹介すると、こんな感じです。
・連携
国内外の研究機関・シンクタンク・NGOと連携を図り、国の気候政策や企業・金融機関の対策の分析などを行っています。
・分析
GX実行会議など、政府の気候・エネルギー関連の政策動向を調査・分析し、課題や展望を明らかにしています。
・発信
ReportsInsightsを通じて、確かな情報やファクト、分析をわかりやすい形で発信し、ツールを提供しています。
・支援
地方自治体や各種組織・団体(労働組合・消費者団体・教育機関・企業・NGOなど)の脱炭素に向けた具体的な取り組みを助言・支援しています。

2023年は、1年目に取り組み始めたことを少しずつ形にして出していけそうです。これからのHPTwitterでの発信にぜひ注目してください。

2023年:厳しさの中での気候変動の主流化

気候変動はどんどんと進行していますが、世界は今も、この緊急事態に向き合えてはいません。グテーレス国連事務総長が昨年のCOP27の演説で、化石燃料から脱却できない世界に対し、「気候地獄に向かう高速道路でアクセルを踏み続けている」と強い言葉で警鐘を鳴らしたことは強烈でした。わかっていながら手を打たないとは、なんて愚かなことでしょう。
2023年の見通しも、楽観はできません。ロシアのウクライナ侵攻以来の終わりの見えない戦争によって、安全保障やエネルギーの安定の概念が大きく揺らぎ、日本でも、防衛費の急増や敵基地攻撃能力の保有、原子力発電の運転期間の制限撤廃や新規のリプレース容認など、重大な国家方針を超スピードで転換しています。これらによって、気候変動問題が周辺化され、国家予算が防衛費につぎ込まれ、優先されるべき再生可能エネルギーの導入や影響を受ける人々の救済、地域コミュニティの脱炭素転換などがないがしろにされるという影響も出てきます。

しかし、国家権力が”武力”と”巨大技術”で危機に対応しようとすることや、化石燃料依存の経済や技術に固執することがとてつもなく危ういことには、実は多くの人が気づいています。太陽光や風力の方が安く安全と知り、支持する人も多くいます。やるべきことを見据えて動き出す人や自治体、企業も増えています。そして今年日本で開催されるG7は、大きな機会です。可能性はさまざまに開かれています。
だから、やるせなさや悲しみに脱力するのではなく、一人ひとりの力を集め、気候変動対策のうねりを主流化させるため、元気に一歩を踏み出していきたいところです。

英BBCの「100人の女性」に選ばれて

個人的には、英BBCの2022年の「100人の女性」に選ばれるということがありました。2021年のゴールドマン環境賞の時もそうでしたが、驚きました。世界にはさまざまな分野で活躍する女性が山ほどいるのにどうして自分が? と。偶然や幸運が重なっただけとも思うし、一人でやってきたわけではないので、個人が突出することへの違和感もあります。何より、まだやり切れていないことだらけなので、身に余る評価です。
でも同時に、自分自身の評価は自分では難しいし、気候変動への取り組みが停滞する日本という国で、石炭火力の建設問題などにあきらめずに取り組んできたことが国際的にも重要なのだと評価されるなら、それはまた私自身も強く確信していることでもあるので、正面から受け止めて、その意味をもっと日本や世界に知らしめたい、とも思うのです。
そのようなことで、今回の選出に際しては、ありがたくも複雑な心境で受け止めながら、心の中で、必ずやこれを次のバネにしなければと固く決意したのでした。

この先も空回りやしくじりを繰り返すこと間違いなしですが、ゴールを見失わないよう、課題の重さと緊急性に向き合いながら、前向きにやっていきます。Climate Integrateともども、本年もどうぞよろしくお願いいたします。                                          平田 仁子

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