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「わかったつもり」はある日、「私だけがわかっている」に変換される。グリーンスクール日記2ヶ月と2週目

バリ島のグリーンスクールという学校に子どもを通わせたくて、赤ちゃん連れでバリに移住をした。

グリーンスクールとはどんな学校なのか?
英語の話せない小学1年生の息子にどんな変化が起きるのか?
赤ちゃん連れの母子移住はどんな生活なのか?

この冒険をいつか老後にゆっくり振り返れるよう、日記を綴ることにする。でも、欲を言えば、いつか海外でこどもを、と考えてるママさんパパさんの背中を少しでも押すものになれば、とも思っている。

これは、わたしのサスティナブルな仲間探しの冒険の始まりでもあるのだ。

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「わかったつもり」は怖い。そして、「わかったつもり」は子育てを頑張っているお母さんにこそ忍び寄る。子どものことを一人で背負いがちだからだ。

特にタチが悪いのは、誰にも指摘されず誰にも確認できず、溜まってしまった「わかったつもり」だ。どんどん溜まった「わかったつもり」はある日、「私だけがわかっている」に変換される。そして、他人のアドバイスを受け入れることができない心を作ってしまったりする。

つい先日私にも、「わかったつもり」が牙をむいたので、今日はそれについて書く。

グリーンスクールは2セメスター制だ。8月から12月と、1月から6月に大きく分かれている。そして、1つのセメスターは2週間のお休みを挟んで2つのタームに分かれる。

自分の「わかったつもり」溜まりに気付いたのは、1セメスターが終わったタイミングでもらった息子のレポートを読んだときだった。

レポートには、「学校で何を学んだか」、「息子はどんな個性や性格か」、そして、「先生が課す今年の目標」と「息子自身が今年望むこと」がかなこと細かに書いてあった。

ここ1ヶ月くらい続いた息子の悪行。授業中に寝たり、どっかに行ってしまったり、学校に行きたくないと泣き出したり。言語の問題はあるにせよ、私はてっきり、息子は怒られすぎて、学校や担任の先生のことが嫌になってしまったのかと思っていた。

ところが、レポートの中の「息子自身が今年望むこと」を読んで、私はハッとした。息子が今年望んでいるものは、「担任の先生の笑顔」だったのだ。さらに、「担任の先生に怒らないで笑っていて欲しい」「怒らせないように自分を変えたい」と書いてあった。

つまり、ここ1ヶ月ほど続いた息子の行動は、担任の先生の気を引きたくてやっていたのだ。相手をして欲しい。追いかけて欲しい。愛情を注いで欲しい。好きの裏返しのシグナルだったのだ。

再三、わたしは先生たちと話し合って、今の息子の気持ち、これからのことを考えた。そして、12月まで学年を下げて幼稚園へ通うと決めたのだけど、息子が目指すゴールは、全く違うものだった。

そうか、息子は先生や学校のことを嫌いになったわけではなかったのか。好きの裏返しだったのか、と、わたしの「わかったつもり」はまたここで思考停止をした。

「わかったつもり」はさらに溜まっていく。

1タームが終わって2週間のお休みの間、友達家族と2泊3日の旅行にいった。子どももわたしもその家族のことが大好きで、よく遊んでもらっている。息子は、パパさんとの男同士の遊びにいつも夢中になる。

その旅行中、わたしは自信満々に「りおは嫉妬はあまりしない方なんだけどね。下の子にあまり興味がないからね。」と言った。下の子も上の子も面倒をみているわたしだけがわかってるのよ、といった感じで。


そしたら、その友達が、「いえ、りおくん、下の子にめちゃくちゃ嫉妬してますよ。下の子が起きているときと寝ているときで、全然態度が違いますから。」としっかり否定をしてくれたのだ。

わたしは息子のことを全くわかっていなかった。見たいものが見えていて、見たくないものは見えていなかった。きっと、この友達との会話がなかったら、ずっとわたしは息子は嫉妬なんてしていないと思い続けていただろう。

息子は結局、他の誰よりも私を求めているのかもしれない。

わたしはこの日から、息子と二人だけの時間を増やすようにした。下の子が寝たら、すかさず上の子と遊ぶ。息子は、二人のときにわたしに素直に甘えてくるようになった。「るいが寝たらこの本読んで」「るいが寝たからマッサージして」。素直で穏やかな息子と二人で話せるのが楽しくて、わたしも二人の時間が早く来ないかな、と心待ちにするようになった。


もちろん、今だって「わかったつもり」なのだろう。でも、「わかったつもり」でもいいのだ。だって、他人のことを100%理解するなんて、ハナからできないのだから。ましてや自分の子どものこととなると、たくさんの色メガネがかかる。なおさらだ。

その代わり、「わかったつもり」は溜めちゃいけないんだと今回気付いた。わたしのように「わかったつもり」を溜めていくと、自分の考えが停止してしまうし、凝り固まってしまう。「わかったつもり」はどんどん更新していかないといけないのだ。

そのためには、他人を頼ることだ。家族ぐるみで友達になって、子どもの様子をどんどん教えてもらおう。わたしはだから、息子を連れて新しいコミュニティーによく飛び込む。息子には、もちろん母としての私も大事だけど、私以外との大人の関わりも必要なのだ。

ハロウィーンは子どもをコミュニティーに巻き込むいい機会。さぁ、今子どもを連れて、身近なコミュニティーに飛び込もう。「わかったつもり」をどんどん更新していこう。