見出し画像

花ひらで冷えきった心が溶けた

年末でございますな〜と言ってみる。

輪飾りと墓参り用に花を調達しなくてはならずとあるスーパーのお花屋さんに行った。別に狙っていたわけじゃないんだけどほぼ開店と同時に入った。自分で「これはこ〜で、これとこれが合うな〜」と勝手に見繕って結構な量をレジに持っていった。
開始早々だったからか選んでいる時から声をかけられることもなくレジに持って行った際もかけ声一つなかった。
自転車で持って帰らなければならないのと松などのトゲトゲ系もあるので新聞紙を2重巻きぐらいにして持ち帰りたくて「新聞紙や茶紙でもなんでも構わないので2重にしてもらえますか?」と聞いた。

定員さん「・・・2重・・・。」めっちゃ気になる間を置かれ「袋じゃなくて?」と後ろに下がっているどう見ても入らないスーパー袋を指で擦る、こういう方に時々絡まれるので出たな妖怪め〜と思う「ん?嫌ですか?」思わず聞き返した。
「いやなんで2重なのかな〜と思って・・・」めっちゃ呆れ顔をされる。
「はは〜んんんま〜その袋に入れる方が難しいけど2重が気になるのなら「1枚でいいですか?」って聞き返せばよくね?つ〜か1枚じゃ巻けないと思うけどの〜!花を巻く紙は何故に2重なのかの謎解きでもやってんのか?重なりについて論文でも書くきかよ、やめとけよ迷宮入り面倒臭いだけでしょ?他人に怠慢なんだ?なんで2重なのかは教えてやんないよ〜」と私の中で言った。
そして本田圭佑みたいに自分の中のリトル本田に相談するまでもなく単に精神的にリトルな私は全て「やっぱやめます」とキャンセルさせてもらった。
「冷え切ったのは消費マインドでなくお前の心だー!ダー!!」と言ってやりたかったが自分にも当てはまりそうで結局傷つくのでやめといた。

花屋さんが花を巻けない時代の突入か・・・世も末しょ。

花を買えずに家に帰ると近所に花屋があった事を思い出した。
花ひらさんという昔からありそうな仏花屋さんだ、店の前にはチラチラ人がいて年末感満載、花ひらさんはご家族で経営されているようで「最初からここえ来るべきだった」と見た瞬間に思った。
色々と手にとって選んでいるとその端から受け取って花台の方へ持っていってくれる、お〜ここなら大丈夫だろう、安心した。
思わず調子に乗ってしまうし何よりも花の新鮮さが見てわかる(言ってみたいだけ)、墓用に自宅に仏壇にあと親戚にもあげる分と一通り選び終えてお会計してもらうことに、おばあちゃんと呼ばれていたその女性は優しい口調で言った。
「はい、お会計ですね〜」
一息置いて
「お母さんはお元気?」
ん?はて?私のお母さんは元気かと、ん〜元気ではあるので「はい元気ですよ」と応えた。
「そうですか〜」と嬉しそうにされている、ほ〜なる程、母は誰にだって存在するもんね、「お母さん元気?」って初対面で聞いても勿論構わないって、こら!勿論違うだろう何方かと間違えている、でもいいじゃないか知らなくても知っているような感じ、親近感の使い手、なんて微笑ましい会話、妖怪花を巻く紙で論文野郎とは大違い大変元気が出たし冷え切った消費マインドが解凍されて心も水浸しになった。
ありがたい、家に帰ったらその水で家中を拭いて周り大掃除をしよう!
そしてこの花を飾って新年に向かって行こう!
少しでも氷が溶けるようになるにはこんなやり取りが必要だったんだなぁ、リトルな奴はまずは花ひらさんへ行ってくれ、そして「お母さんお元気?」と言われた際にはずっとその土地で育ってきたかのように自分のお母さんの体調を伝えてくれ!
さぁ大掃除の開始だ!
皆さん今年はどうもありがとうございました。
また来年も精神的にリトルな子連れ狼80キロとだいごろうをよろしくお願いします。
よいお年を〜!!!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?