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ホワイトペーパーを作ってみた

私は現在、株式会社ブリューアスでUIチームでUIデザイナーをしています。

ブリューアスはユナイテッド株式会社グループの子会社であり、ユナイテッドの成長期待事業セグメントであるDXプラットフォーム事業の一翼として、アプリ・システム開発を担っています。

そもそもDXという言葉はこの1年ほどで毎日耳にするような言葉になりましたが、急激に発信が増えたこともあり、情報量が膨大になってきています。それを纏めたものを、DXの推進をしたい企業へのガイドとしてユナイテッド社から発信できれば、という話を担当者からいただき、ブリューアスはホワイトペーパーのデザインを担当することになりました。

ホワイトペーパーのデザインはあまり事例がなかったため、実際に「DXハンドブック2020」のデザイン制作を進めた際の事をレポートしてみたいと思います。
※資料の画像をいくつか掲載していますが、一部ぼかしをかけている点はご了承ください。(資料に興味をお持ちの方はコチラへ)

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1.制作方法の吟味と決定

原稿や大枠の構成は依頼の際にはもうある程度纏められていたので割愛しますが、今回頂いた要件や原稿を確認していくと

・約2万文字の原稿
・図表の挿入が多い
・付録としてカオスマップや事例集を同梱
・主にWEBブラウザにて取得・閲覧できるようにするため、PDF形式で作成
・外部へのハイパーリンクを挿入
・印刷される事も考慮

このような内容となっていました。
デザインチームメンバーと制作方法について確認していきます。

テキストメインのコンテンツなので、最初に本文の文字サイズを検討。WEBブラウザ上・PDFとしての閲覧・印刷時の視認性などを考慮し17Qを選択。メジャーなA4サイズを前提に2万文字を仮入れしていくと、20ページを超えていきます。そのためメインツールとしてInDsignを選択。


他、付録としてDX業界のカオスマップを制作することになります。大抵カオスマップは文字通り情報量が多くなることが多いため整然としたレイアウトにしたい。そのため、この部分はIllustratorで制作し、その後にInDesignへ変換することにしました。

2.冊子構成とIndesignでの制作

前置きとして、私はDTPの経験はあるがIllustratorメインであり、InDesignで冊子を作った経験がありません。そのためラーニングしながら進めることになりましたので、まずはベターを目指して作っています。

本格的な作業を開始する前に、冊子化するにあたってユーザビリティを高めるための冊子構成を熟考していきます。

冊子作成にあたっての専門の解説などは別にあると思いますので、ここではざっくりとですが、大まかに冊子構成を検討していくとこの様になると思います。

表紙・目次・本文コンテンツ(テキスト・図表)・付録

頂いた原稿には目次はなかったのですが、本文と付録を合わせるとページ数が40を超えることになったので、追加。章立ても追加したほうが良いボリュームなので、担当者と章名を摺り合わせて追加。

当初、カオスマップや参考書籍リスト、事例リストなどが本文コンテンツ内に在ったのですが、かなりリストのボリュームがあったため、一読しやすさを高めるために付録(後尾)へ移動し、本文中にはPDF内でページ移動するハイパーリンクを設定しました。

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そして冊子化する上での全体構成ができたので、書籍の印象を左右する表紙デザイン・本文のベースデザインをここで考えます。複数のデザイン提案を行い、ブラッシュアップを経て最終的にはこのデザインに決まりました。

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また、図表、特にリストが多数挿入されるので、リストのデザインについても数回行いました。

いずれも最初はexcelでセル分けされたような図だったのですが、
それぞれの見やすさや特性を考慮して使い分けています。

・1センテンスほどのタイトル・テキストのものにはアイコンを交えて(アイコンはIllustratorで加工してからコピペしています)

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・カテゴリ毎の解説に関しては、特徴的な枠でカテゴリ名を強調。

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・書籍やリンク一覧などは、リストとしてコンパクトに。

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などなど…担当者と原稿の一部修正や変更、デザインのディティール調整・変更を相談しながら、さらに形が整っていきます。

3.カオスマップをIllustratorで制作する

 カオスマップ

カオスマップについては前述した通り、Illustratorを使用しています。
カオスマップといえば多数のロゴマークが所狭しと並ぶものですが、諸事情で社名/サービスをテキストで記載することになりました。

カオスマップを構成する内容をA4サイズにリサイズし、各階層やパーツの色味などを設定します。

配置も窮屈すぎると視認性を損なうので、パーツごとのマージンを事前に設定し、その数値を遵守してレイアウトします。

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そしてこのカオスマップには、ハイパーリンクを仕込まねばなりません。ここが少々やっかいでした。Illustratorでハイパーリンクを挿入する方法は、調べてみた限りではありません。そのため、ハイパーリンクの挿入が可能なInDesignへ変換し、そちらで設定する必要があります。
(他、PDF化後にAcrobat Proなどでもハイパーリンクの挿入が可能です)

このIllustratorからInDesignへの変換の際に、注意点。Illustratorでテキスト要素をコピーし、InDesignへペーストすると、編集不可(パス化?)になってしまいます。解決方法を調べ、自身でも方法を探ってみましたが、どうやら公式ヘルプを見ると「Illustratorのテキストを選択後にInDesignのテキストフレームにテキストをペーストする」という手段しかないようです。

正直、シナジーが強い2つのツールで、未だにこの不便さがあるのかと思いましたが…InDesignの歴史をあまり知らないので置いておきます。

今回はテキストで制作したため上記問題が重かったですが、一般的によく目にするカオスマップはロゴ画像を使用している事が多いので、その心配はないかもしれません。

テキストについては仕方がないので、IllustratorからInDesignへペースト後、編集が必要な場合は、InDesignでテキストフレームに置き換えて修正することにしました。何度かInDesignへペースト後に変更が発生したので、少し工数がかさむことに。

事前にこの問題が重くなりそうと判断する場合、テキストはInDesignで入力することをおすすめします。その後、校正・校閲を繰り返し、完成。


DXハンドブック2020は限定で公開されているため資料はぼかしての紹介となりましたが、DXに関心のある方はぜひこちらでダウンロードして頂ければと思います。

IT系ではInDesignを使う機会が少ないかもしれませんが、なにかとホワイトペーパーを作ることがある時代。このようなテキストボリュームがあるホワイトペーパーデザインには適していると思いますので、もしIT系で機会がある方は参考にしてみてください。

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