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看護学校での勉強

看護学校の寮では4人部屋、ということは
前回書きました。

色々規則も厳しく、消灯は9時でした。
私は学費を稼ぐために学校の後に
アルバイトを二つ掛け持ちしておりましたので
アルバイトから帰るとお風呂に入ってすぐ寝ておりました。

でも、部屋に戻るといつも他の3人がいないのです。
しばらくそんなことが続いたある日、
「みんな、どこに行ってるんやろう?」と
不思議に思いながら寝ていると
部屋の押し入れの隙間から灯りがもれていることに気がつきました。

そっと開けてみると
同室の人がそれぞれの自分の押し入れの中で懐中電灯を照らしながら
勉強していました。
消灯が9時なので、皆、そのあとは押し入れに入って勉強していたのですね。
そんなことも知らずに、私は学費!学費!ということばかり考えて
帰ってからはグーグー寝ていたのですね。
そりゃあ、成績があまりよくないはずです。

良い成績を取ろうとか
そんなことより
どうにか学費を稼いで学校を出て
看護婦にならなければ!という思いだけでしたので。

その時初めて
みんなが私より試験の点数が良かった理由がわかりました。

そのころの田舎者の私には
人に隠れてでも何かをしようとか
人よりいい成績を取ろうとか
そういう発想が微塵もなかったのだなあ・・・
と思いました。

それでもどうにか
国家試験にも合格して
和歌山日赤に勤めるようになりました。

ここからが私のバラ色でもあり
イバラ色でもある
看護婦生活が始まります。

 つづく

    キミちゃんより

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