"PROJECT IM@S 2nd VISION"を振り返る⑦ THREE STARS!!!誕生

これまで876プロや961プロという存在はありつつ、あくまで765PRO ALLSTARSの物語であった「アイドルマスター」。今日ではアイマス=765ASという構図ではなく、各ブランドに広がりを見せている。
今回は、10周年に至るまで「THREE STARS!!!」として活動を広げてきたアイマスの合同展開について触れていきたい。

MOIW2014に至るまで

「THREE STARS!!!」とは言いつつも、個人的には3ブランドが独立している印象はなかった。シンデレラガールズは876プロのような外伝的立ち位置に留まると思っていたし、ミリオンライブ!は765プロの後継作品(=765AS単独の展開は消滅)な気がしていた。
とりわけシンデレラガールズは当初ライブの開催予定は無かったコンテンツだったらしく、2012年末開催の765ASとシンデレラの合同イベントにおいては、佳村さんの想いが込もったブログも拝見できる。

8thライブのゲスト参加

765ASの8thライブツアーでは、シンデレラ、ミリオンの各キャストが交互にゲスト出演してきた。千秋楽となる幕張公演は、大型ライブでは初めて「765AS」「シンデレラ」「ミリオン」が同時にステージに立った。

7thライブでは765ASのこれまでの集大成を見せてきた。8thは、765ASに留まらない新たなアイマスの一面を見せてくれたライブだと思う。ここから本格的にアイマスの世界が広がっていくことになる。

初の合同ライブ開催

8thツアー閉幕から半年、2014年2月には3ブランドの合同ライブ「M@STERS OF IDOL WORLD!!2014」が開催された。さいたまスーパーアリーナはアイマス単独では初使用となり、シンデレラやミリオンのキャストの中にはこのSSAがアイマスライブ初参戦、という方もいた。
SSAといえば3万オーバーのキャパシティを誇る会場と思う方も多いと思うが、このキャパシティは"スタジアムモード"と呼ばれる形態の場合の話で、アイマスで使用したのはその半分のキャパであるアリーナモード。アイマスはこの先も何回かSSAを使用するのだが、2023年現在スタジアムモードを使用したことはない。
…という話は置いといて、このライブで初めて「THREE STARS!!!」という名称が使用された。これまでは765ASという括りの中にシンデレラやミリオンという存在があったが、ここでシンデレラやミリオンも765ASと"横並び"の存在となったと言えるだろう。

セットリストも単に各ブランドの楽曲を披露するだけではなく、メドレーとして様々な楽曲を色々なブランドでカバーした。ブランドは違えど、この舞台では等しく「アイマス」の楽曲を「アイマス」のメンバーで歌う。このお祭り感が合同ライブの醍醐味と言えるだろう。

MOIW2015の存在

初の合同ライブが開催された後は、シンデレラ・ミリオンが1st・2ndライブを開催、765ASも"単独"で9thライブを開催している。それぞれのブランドがそれぞれの歩みを進めていく中、やはり気になるのはアイマスの10周年である。どう盛り上げていくのか期待がかかる中、発表されたのが「M@STERS OF IDOL WORLD!!2015」、アイマス単独では初となるドームライブの開催であった。

2014年との進化

MOIW2015の構成は、Day1が765AS主体で行われた"10thライブ"、Day2が3ブランドで盛り上げるお祭り、といった様相である。
Day2ではガッツリ各ブランドで越境することになるが、決定的な違いはメドレーパートの曲選である。MOIW2014のメドレーは、あくまで765ASの楽曲を3ブランドでカバー、という内容だったが、今回は3ブランドの楽曲を3ブランドのメンバーでカバーした。
765AS⇛シンデレラ・ミリオンの一方通行だったものが、765AS・シンデレラ・ミリオンが対等な関係でライブを盛り上げていった。これは、MOIW2014から1年余りの間にシンデレラやミリオンも単独コンテンツとして立派に成長した証であろう。

…といいながら、シンデレラは数ヶ月もしないうちに765プロにとって雲の上の存在となってしまう訳だが。

"SideM"とこれから

本章で最後に取り上げたいのが、「SideM」である。MOIW2014時点ではコラ画像と疑うレベルの事前登録中という情報しか無かったが、MOIW2015時点ではJupiterをはじめ徐々に楽曲、キャストが増えつつある時期だった。
アイドルマスターはあくまで女性アイドルの作品であり、その中に男性アイドルが交じることに懐疑的な意見を持つことは何ら不思議ではない。
その一方で、MOIW2015の休憩中に流れた「DRIVE A LIVE」に決して小さくない歓声が起きたことも事実であり、次回のMOIWではSideMも、という声も少なからず存在した。
一般的には男女混合のアイドルコンテンツなどご法度な話ではあるが、SideMはアイマス2で生まれた「Jupiter」があってこそ生まれたコンテンツであり、少し理由が違う。
合同を語る上で「SideM」を含めるか否かは難しい話だが、結果的に「次回のMOIW」となった2023年の感想を見る限り、SideMも十二分に認められていることは確かだろう。

おわりに

ここでは、MOIWを中心に合同展開を見てきた。他にも、TGSや生配信などで各ブランドの絡みが見られる。しかし、この合同展開は2015年で一旦の区切りを迎えることになる。ここからしばらくは積極的な合同展開は7月の周年配信と年末の生配信程度に留まる。
10th以降、「PROJECT IM@S」のロゴが変わり事実上の3rd VISIONか?と思われていたが実は2023年まで続くことになる2nd VISION。ここまでが2nd VISIONの"第一部"であり、2016年からの"第二部"では、各ブランドの展開がより濃密になっていく。
このシリーズでも、ここから先は各ブランドについてより詳細に見ていきたい。

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