"PROJECT IM@S 2nd VISION"を振り返る① はじめに

先日の「M@STERS OF IDOL WORLD!!!!! 2023」開催をもって、約14年に及ぶ「PROJECT IM@S 2nd VISION」が終結した。
私個人としては、アイマスに触れた時期がほぼ2nd VISIONが始動した時期と重なったということもあり、一つの時代が幕を閉じたことはやはり感慨深いものがある。
この2nd VISIONの歩みについて、複数回に分けて考察してみたい。

"1st VISION"と"3.0 VISION"

本題に入る前に、2nd VISION開始前の1st VISION(そんな名称は無いが、便宜上この名称を使用する)と、これから始動する3.0 VISIONについて触れておきたい。

1st VISIONがもたらしたもの

「アイドルマスター」はゲームありきの作品と思われがちだが、正しくはメディアミックス作品である。勿論ゲームが土台なのは間違いないが、アニメやライブ等と相互に作用して成長を遂げたコンテンツである。
このプロジェクトの総称こそ「PROJECT IM@S」である。1st VISIONで特に「PROJECT IM@S」を感じた作品といえば「XENOGLOSSIA」だろう。今日の765ASとの共通点はアイドルの名前と髪型くらいで、他の設定は全くの別物と呼んで差し支えない。

そもそも何故「XENOGLOSSIA」なる作品が生まれてしまったのかは下記のニコニコ大百科と記事を参照してほしい。

当時のバンナムの社内政治的な事情も推察できるが、1ユーザーとしては不思議な形で世に出たこの作品は、15年以上経つ現在も異彩を放つ作品として認知されている。
"アニメ"のキャストの方が圧倒的に知名度があり、"ゲーム"と"アニメ"どちらのアイマスが今後の主流となるか、"ゲーム"のキャストからも各所で当時の不安や悔しさは語られている。
今でこそ"ゲーム"版のキャストで今日まで活躍を続けているが…XENOGLOSSIAはアイマス最大級の"迷走"とも言えるし、今日まで続くアイマスの"挑戦"の始まりとも言える。
ともあれ、この作品は765プロの支流というよりかは、PROJECT IM@Sの中の1作品と捉えるのが適切だろう。

図1:「PROJECT IM@S」と各作品の繋がり


ちなみに、「PROJECT IM@S」の"IM@S"は、アイマスの略称でもあるが、「Inter Media Artists and Specialists」とのダブルミーニングとなっている。
XENOGLOSSIA以降のPROJECT IM@Sはというと、L4U!の特典で初めて原作キャストでアニメになったり、2008年の3rdライブで「961プロ」が初登場となったりと、徐々に活躍の幅を広げていった。
その中で、2009年5月の4thツアーで"2nd VISION"が宣言された。DSを発端とする新たな時代は、14年というとんでもなく長い旅路へと進んでいくのである。

3.0 VISIONがもたらすもの

突如として発表された"3.0 VISION"。前項で14年という数字を出したが、そもそも2nd VISIONという概念が残っていたことの方に驚いたのが正直な所である。
各種プロモーションで使用されている「PROJECT IM@S」のロゴ演出も、10thくらいまでは2nd VISIONの記載はあるものの、プラチナスターズあたりから2nd VISIONのロゴが使われなくなった。事実上の"3rd VISION"の始まりとも思われていたが、実際はそんなことは無かったというオチである(丁度10周年イヤーが終わり、SideM本格始動!という時期なので、歴史的に分けようと思えば分けられる時期ではある)。

アニメシンデレラガールズ G4U!パック(2nd VISION記載あり)

プラチナスターズ 初報PV(2nd VISION記載なし)

そしてこれから始動する3.0 VISIONは、プロデュース体験を主眼においた新形態である。

3.0 VISIONは、リアルとバーチャルの融合を更に強化、とりわけ大きなトピックとしてはvα-livという完全新規のアイドルプロジェクトだろう。1st VISIONでは「XENOGLOSSIA」が異端児として君臨したが、3.0 VISIONではvα-livがアイマスの世界をさらに広げてくれることを期待したい。
アイマスは人生という古い言葉もあるが、3.0 VISIONを通して、アイマスがさらに生活に馴染んでいく存在となっていくと思われる。

1st VISIONで築き上げた土台をいかに2nd VISIONで花開き、3.0 VISIONへバトンを渡してきたのか、次回からその歴史を見ていきたい。

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