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ミドルスクールEDH入門

ミドルスクールEDHってなんだよ

突然だが、ミドルスクールEDHというフォーマットをご存知だろうか。

読んで字のごとく、ミドルスクールのカードプールでEDH(統率者戦)をプレイするというカジュアル・フォーマットだ。

*大人気フォーマットのミドルスクールについては以下を参照の事。

はいはい、またいつもの誰もやらないオリジナルフォーマットね、と思われた方もいるかも知れないが、実は既に流行っている。

Twitterでの「ミドルスクールEDH」の検索結果

上記の通り、晴れる屋水戸店では週末になると最低でも1卓、最近は2卓立つ事も珍しく無いほどの盛況ぶりだ。
また、晴れる屋秋葉原店・大宮店で恒例となっているミドルスクールイベント後にもミドルスクールEDHの卓が立つことも多くなってきた。
はじめるなら今しかない、2022年現在最も熱いカジュアルフォーマットと言えるだろう。
プレイヤーも増えてきたので、一度現行のルールをまとめておく必要があると思い、本記事を書くに至った。

こんな人にオススメ

  • 旧枠フェチ
    手札も盤面も全部旧枠というシチュエーションに興奮できる方にはこれ以上ないほどオススメのフォーマットです!

  • 復帰勢
    家に眠っている当時のカードを適当に詰め合わせても戦えるデッキになります!

  • 永遠に2003年の夏を生き続けている人。
    最新エキスパンション・スカージが発売されたばかりですが、海外ジャッジコミュニティで流行の兆しを見せているカジュアル・ルールで遊んでみませんか?

  • ちょっと変わったEDHで遊びたい人。
    たまには趣向を変えて、原初のEDH(05~06年ごろ?)に近い環境で遊んでみませんか?

ルール


基本的にはEDHと同様、まず伝説のクリーチャーを1枚「統率者」として選び、選んだ統率者の固有色のカードでデッキを構築する。

デッキの構成
・統率者 1枚(伝説のクリーチャー)
・その他のカード 99枚
・基本土地を除き、各カード1枚ずつのみ使用可能
・統率者の固有色のカードのみ使用可能
・「禁止カード」に指定されている一部のカードは使用不可
ゲームの進行
・初期ライフは40点
・各プレイヤーの統率者を統率領域に置いた状態でゲームを開始する
・ターンは時計回りに進行
・最後まで生き残ったプレイヤーの勝利となる

https://mtg-jp.com/gameplay/format/commander.html

基本的なルールを公式から抜粋したが、既存プレイヤーには今更言うまでもない事だろう。03年からタイムスリップしてきた人はルールを知らないかもしれないので、詳細は以下を参照されたし。

健常EDHとの最大の違いはカードプールがミドルスクールの範囲のみに限定されるという所で、それに伴っていくつかの追加禁止カードがある。
フォーマット発案時にはミドルスクール禁止カードは解禁するなどいくつか議論があったが、めんどいので健常EDHの禁止カード+ミドルスクール禁止カードという現在の形に落ち着いた。

ミドルスクール禁止カードは以下。

ミドルスクール禁止カード、上2段がミドルスクール範囲のアンティに関するカード

健常EDHの禁止カードから、ミドルスクール禁止カードと重複しているものを除いたものは以下。

ミドルスクール禁止カードとの重複を除いた差分

ミドルスクール禁止カードにこの差分9枚を追加したものと考えると覚えやすい。
特筆すべきは《吸血の教示者/Vampiric Tutor 》と《Demonic Consultation》の禁止だろう。
また、EDH参加権とも言われる《Mana Crypt》も使用できないので注意されたし。

プレイ中のルールでもっとも重要なのは、ミドルスクールのルールが適用されるという事だ。
いわゆるマナ・バーン、ダメージスタック、「願い」のルール変更だ。
この中でもマナ・バーンはゲームへの影響が大きく、大量マナ・無限マナを出すことに一定のリスクが伴うようになる。
EDHでありがちな、無限マナコンボを妨害されてせっかく出した無限マナが消滅するという状況が即敗北に繋がるため、無限コンボへの牽制になっている。

「願い」に関しては、追放領域のカードを持ってくる事ができるという事で、サイドボードがないEDHのデッキに積んでも全く機能しないというわけではない。面白い使い方は想像もつかないが…
ただし、《生ける願い/Living Wish》で統率領域のカードを引っ張ってくるのはできないので留意されたし。
しかしながら、公式なルール委員会があるわけでも無いので、卓の同意が得られるならば変則ルールとして認めるのも良いだろう。(原初のEDHでは可能だったらしい、当時は追放領域・統率領域の概念がなく「ゲーム外領域」として扱われていたため。)

マリガン・ルールは現行のEDHに準拠。
最初の1回はフリー・マリガンのいつものやつだ。シャッフル省略のためのハイス・マリガンはお好みでどうぞ。

最後に、注意が必要なのはクリーチャー・タイプの扱いだ。
部族シナジーの薄いミドルスクールをやっていると忘れがちだが、03年当時から何度かクリーチャータイプの再編が行われているため、旧枠カードに印刷されているクリーチャータイプはオラクルから解離している事が多い。当時は無かったシナジーが生まれていたりするのでオラクルを確認しておこう。
《激浪の複製機/Riptide Replicato》や《仕組まれた疫病/Engineered Plague》で[人間]や[ファイレクシアン]を指定したくないという気持ちはわかる。

実践編

EDHの構築はジェネラルを決めるところから始まる。これはミドルスクールEDHでも同様だ。
ミドルスクールEDHのジェネラル候補は162枚、意外と多いと思われただろうか。20年以上の昔から、ストーリーを彩るレジェンド・クリーチャーは多数印刷されてきた事がうかがえる。
WisdomとScryfallで使用可能なレジェンド・クリーチャーを絞り込んだのでデッキ構築の参考にどうぞ。

*WisdomとScryfallで件数が違うのは、アンソロジーのバニラレジェンドが1体含まれているため。ロフェロスとブレイズは禁止のため要注意。

CHRには再録されていないがATHには入っているらしい。初めて知った。

さて、EDHの醍醐味はなんと言っても固有色ルールだろう。
統率者選定の段階からデッキ構築の方針が決まり、統率者ごとの個性が色濃く出せるEDHを象徴するルールだ。
当然色が多ければ使えるカードの選択肢が増えるので、通常のEDHでは基本的に統率者は多色のカードが選ばれる。
ミドルスクールEDHで使える多色の統率者候補は何枚あるだろうか?

43 件のカードがヒットしました.

……マジ?
レジェンドがいない組み合わせは、赤白、青赤、青緑、楔3色、4色…

無駄に5色が多くて笑える

楔3色や4色でデッキを組みたい場合は、大人しく5色を色マーカーにするか、アポカリプスのボルバーを統率者扱いにするなどのハウスルールを作るのも良いと思います(投げやり)。

ボルバーってなんだよ

初めてミドルスクールEDHをプレイする方には、インベイジョンのレジェンドドラゴンサイクルを強くお勧めしたい。
基本的にクリーチャーでの殴り合いが主流となるこの環境において、6/6飛行は単純に強い。ジェネラルを召喚してそのまま殴り勝つのもよくある光景だ。

エルダー・ドラゴンではない

以上、簡単に現行のルールをまとめてみたが、前述の通りカジュアルな変種フォーマットなので、同卓のプレイヤーの了承を得た上で独自のルールを追加してみるのも面白いだろう。
本記事をきっかけに旧枠カード愛好者が増えてくれれば幸いである。

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