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ねぇゼフィランサスさん我が家へおいで

父の命日だった日に、フト思いたって今は誰も住んでいない元両親の家が気になり行ってきた。
家へとは言っても実際には家の前の庭の様子を見に行っただけ。

案の定、どこからか飛んできた種の雑草が蔓延り、母が毎日手入れしていた植物たちも、生き残っているのは極僅かになっていた。

そのまま放置していたら亡き両親が悲しむような気がして、雑草を抜き、枯れた植物を片付けるなどした。

生き残っている植物は、アロエ金のなる木の乾燥に強い多肉植物と、同じく乾燥に強いゼフィランサス・カンディダ(和名:タマスダレ)だけ。

鉢に植わっているアロエは、かろうじて生きている状態だったので、せめてもとの思いで、軒下より少しは雨が当たりやすい場所へと鉢を移動。

同じく鉢に植わっている金のなる木は鉢から出し、私道の上にコンクリートブロックを積んで囲って土を入れただけの小さな花壇に移した。

水道は止まっているので水やりはできなかったけど、幸い翌日は朝から雨が降った。
感涙の涙雨だったのだろうか?

ゼフィランサスが植わっているプラのプランターは、経年劣化で今にも割れて壊れそうに感じた。

このまま放置していたら、いずれは全て息絶えそうなので、連れて帰ることにした。

もう何日も雨が降っていなかったので、プランターを軽く叩くなど何度か刺激を与えただけで、球根ごと土の上に出てきた。

幾つの球根があったのか数えてはいないが、80球以上はあったかもしれない。

持参していたビニール袋に全てを入れ、球根や根が乾燥しきらないように袋口を軽く縛って持ち帰った。

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自宅へと戻ってしばし休憩ののち、ゼフィランサスを植える準備に取り掛かった。
が、夕暮れ時でもあり否応なしに蚊が次々と襲ってくる。落ち落ちしていられない。

使っていなかったプランターに鉢底石を入れ、余っていた市販の花と野菜の土と、一度使って日光消毒した土も足して、赤玉土と鹿沼土と腐葉土を加えて、元肥を入れて混ぜ混ぜ。

球根の上に5cmくらいの土が被る高さになるように考えて土を入れ、まずは横1列に球根を並べて、さっと土を被せて軽く仮植え。

それを終えたら、また横1列に球根を並べる、を繰り返し、残り半分くらいになった花付き球根に目をやった。

とにかく蚊が大群で襲ってきている状態なので、1列に何個の球根を並べるとか、均等に分けている余裕がなく本当に適当に植えてしまった。植え付ける前に家の中で数を数えておけば良かった。あとで思いついてももう遅い。
来春に困ったことになりそう。汗

全てを植えつけ終えて、球根の上5cmほどの高さにまで土を入れた時には、花に元気がなくなっていた。

プランターを置きたい場所に移したら水やり。水やりした後の移動だと重いからね。

あらら〜
状態を見て、なんだかとてつもなく悪いことをした気持ちになった。
元気になってくれるだろうか?と思いつつも、蚊の攻撃から1秒でも早く逃れたい一心で、家の中へと急ぎ退散。

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翌日は朝から雨が降った。
植え付けをした前日よりは起き上がっている。
しぼんだ花は諦めるしかない。
ゼフィランサスの花は元から寿命が短いし、そこは気にしては負けなのだ。と自分をごまかす。

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植え付けた翌々日は、だいぶしっかりとしてきた。
花がらを摘まないとね。

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上の写真のプランターへと左から伸びている細い葉は、同じゼフィランサスで、普段はレインリリーと呼んでいるサフランモドキ。今回植えたタマスダレの近縁種。
この場所での花は終わったみたいだけど、別の場所に置いている鉢では今年最後?の花が咲いた。

花芽が出て蕾が大きくなり開花するその日に雨が降ったので、なんとも情けない姿の可哀想な花になってしまったが、この植物が日本に導入された際にサフランと間違えられたのも納得がいく花には違いないわね。

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