チャーハン合宿の備忘録
私にはとある偏見がありまして、「大学生の男飯はチャーハン」と昔から思い込んでいます。なんで?知らん。まあ昔から言われてきたからじゃないですか?
まあ、小腹がすいたらぱぱっと作れる。そしてしっかり食べごたえがある。そんなところですかね。
しかしながら、一人暮らし大学生ならまだ研究のし甲斐があるものの、全く料理を作らない実家暮らし大学生の私にはチャーハンを作る縁がなかった訳です。そんな中、千葉県香取市佐原にて農業体験を泊まりがけで1週間ちょいすることとなり、この間は全て自炊の寮生活となるため、この機会にチャーハン合宿を行おうと思いました。
さあ、1週間毎日チャーハン生活!
その前に、まずは自分が持っているチャーハンの基礎知識から。
・ごま油はケチらない。
・ご飯をフライパンに入れた8秒後に溶き卵を投入する。
・温めたご飯をフライパンに投入する。
・ごま油はケチらない。
大学の友達たちが言っていました。皆がこう言うのなら多分そうなのだろう。
・ご飯をフライパンに入れた8秒後に溶き卵を投入する。
中学生のいつかに図書室で読んだ、料理を科学するみたいな本に載っていました。米の層ー油の層ー卵の層の所がいい感じになるらしいです。よく覚えてないんですけど。
・温めたご飯をフライパンに投入する。
これは有名ですよね。有名なので知っています。
さらに前置きです。
調理は全て寮のキッチンで行います。よって、調理器具や調味料は全て寮にあるものを使用します。
ちなみに、調味料は無くなったら買い足してくれます。
つまり何が言いたいのかと言うと、寮にあるものが全てだということです。つまり、みりんは黄色のトップバリュのなんちゃってみりんですし、中華鍋がある訳でもないです。
そしてなんと言っても最大の難所が、、、計量カップがないことです。つまり、毎回同じ量の調味料を入れられないどころか、記録すらできません。つまりは感覚の世界です。この合宿で上手く右手を光らせられるようになる必要があります。
それでは、私の作ったチャーハンの変遷を追っていきます。
(最終日に執筆しているため、記憶が曖昧なところもあります。)
【1日目 夜】
とりあえずクラシルの1番人気のレシピを見ましたが、料理不慣れの私にはレシピを見ながら料理をするのがあまりにも忙しく、途中から記憶を頼りに作っていました。
なんと、チャーハンって醤油を入れるんですね。味薄いなぁなんて思っていましたが他の人に指摘されました。つまり、このチャーハンは味付けが塩と味の素だけです。
(クラシルのレシピにはちゃんと醤油と書かれてました。)
作り方はごま油をひいたフライパンを加熱して、いい感じになったらアツアツのご飯を投入。馴染んだら卵を入れて具材を入れて味付け。
この作り方は最後までほぼ変えていません。
まあこのチャーハンの総評としては、パラパラしてるっちゃしてるけどみたいな感じで味薄めという感じです。別に上手なチャーハンではないです。
【2日目 昼】
昨日の反省を活かして醤油をドバドバ入れました。醤油チャーハンです。
醤油の他にも酒みりん砂糖を加え、昨日と引き続き塩と味の素も投入しました。和テイストですね。
これがこれから作っていくチャーハンの基盤となっていきます。
ちなみにですが、昨日からお肉はブロックの豚肉を使用しています。チャーハンと言ったら立体的な、あの四角いお肉を想像しますよね。
味に関しては昨日と打って変わって醤油ベースの味となりました。先程も述べましたが醤油チャーハンという感じです。これはこれでいいですが。
総評。美味しいですが、味が濃いと言うよりはどちらかと言うと醤油の風味が強すぎるチャーハンという感じになりました。でもまあ、美味しいです。
【2日目 夜】
なんと今回のチャーハンには具材が入っています。そう、舞茸です。チャーハン名は「舞茸と和風チャーハン」。
名前の通り、和風のチャーハンです。昼も和テイストな味付けでしたが、そこから醤油を減らしました。するとあら不思議。チャーハンがちゃんと和なテイストに。舞茸がより一層、和の感じを引き出しています。
と、ここで気づいたのですが細ねぎをトッピングしないとなんか美味しそうに見えないですよね。色って大事ですね。よって、ここから作るチャーハンは全て細ねぎが乗ってます。
総評です。ちゃんとパラパラしていて、かつしっかり和の感じが出ていて美味しいです。しかしこれ、チャーハンである必要ないですよね。まぜごはんです。美味しいんですけど。
ps.チャーハンは醤油を減らしていい感じの味付けになりましたが、きんぴらは逆に醤油を入れすぎて味が濃くなりすぎました。そしてスープは家に眠っていたのを持ってきました。もう1つ持ってきましたが飲む機会はなかったです。
【3日目 昼】
遂に完成しました。至高のチャーハン。
いや、唐突じゃない??そう思うの普通でしょう。しかし、完成してしまったのです。至高のチャーハンが。
味もパラパラ具合もこの一週間の中で最高の出来です。冷凍チルドや店のチャーハンよりも美味しい。チャーハンの完成系が生まれてしまいました。
ちなみに、コンセントは塩チャーハンです。前々回に醤油チャーハンを作りましたが、醤油ラーメンと塩ラーメンがあるように塩の味付けをメインとした塩チャーハンがあってもいいと思い作りました。(寧ろ普通は塩ベースだろ。)1食目の反省から醤油も入れました。
以下、当時の調理メモです。
ケチらずごま油‼️🍚‼️🥚‼️🦐‼️醤油を1秒弱‼️みりんと酒を醤油の半分‼🔥を止めて🧂8割味の素ドバ‼️混ぜ混ぜ‼️完成‼️
🦐は解凍したあと味の素と🧂で軽く揉む‼️
解説します。
まずはエビの下処理から。と言っても、下処理が終わっている冷凍のエビなので、レンチンで解凍して下味をつけるだけです。エビはインド産冷むきえびを使用。
ちなみにエビの下味をつけた理由なのですが、それには「毎日チャーハン生活 -2日目」の事を語らないといけないですね。
【-2日目 昼】
これは大学の近くにある人気のチャーハン屋さんです。何を隠そう、毎日チャーハン生活をこれから行うと言うのに私はその2日前に600gのお米を使ったメガ盛りのチャーハンを食べに行っていたのです。
こちらのお店のチャーハンはどれも絶品で美味しいのですが、私はこのチャーハンを食べていて1つ思いました。
チャーハンからエビが浮いている。
チャーハンの世界観からエビが外れているんですね。それは何故か。それはエビの味付けが薄かった。これに尽きます。
エビ本来の味がしっかりと感じており、プリプリの食感でかなり美味しいのですが、「チャーハンを食べている。」、「エビを食べている。」この2つを独立に感じてしまいます。しかし、私ははるばるエビチャーハンを食べに来たのです。これでは満足できない、自分で作る時はエビの味付けをしっかりとしよう。そう思いながら私はメガ盛りチャーハンとその付け合わせを全て平らげました。
ps.ここのチャーハン屋さんのチャーハンはとても美味しいです。今回の件はたまたまです。私は何度もリピートしています。(必死な弁解)
【3日目 昼②】
戻ります。
ということで私は解凍したエビに塩と味の素でしっかりと下味をつけました。うん。バッチリ。
ちなみに、エビの調理の際に下味の件を思い出して、これから先は全ての肉やエビに下味をつけています。
ケチらずごま油‼️🍚‼️🥚‼️🦐‼️醤油を1秒弱‼️みりんと酒を醤油の半分‼🔥を止めて🧂8割味の素ドバ‼️混ぜ混ぜ‼️完成‼️
🦐は解凍したあと味の素と🧂で軽く揉む‼️
これの解説の途中でしたね。
序盤はいつも通りです。ここで繰り返しますが、この世界に計量カップは存在しません。感覚だけで調理します。ということで醤油は100°くらいの角度1秒弱です。入れすぎないように注意。
ちなみに、酒みりんを入れた後に砂糖も少し入れています。メモのし忘れです。
味の素と塩を火を止めた後に入れた理由は、シンプルに調味料を入れながら炒めるのが大変だったので一旦落ち着くために止めました。
🧂8割というのはアジシオを全体の8割位の面積にふりかけたということです。高さは30cm位ですかね(そこまで覚えてない)。味の素は満遍なくかけました。
パラパラ具合に関しては作ってる時にこれはやばいって気づくぐらいで本当にパラパラ。
エビもプリプリでしっかりと味がついていました。
あとはチャーハン屋さんと比べてエビの大きさを半分くらいに小さくしています。実はこれにも拘りがあるんです。チャーハンって食べる時ってあまり口を大きく開けないじゃないですか。それなのに具を食べる時だけ口を大きく開けたら、意識して口の筋肉を動かしてる感じがして、なんか頑張っちゃってる感というか、上手く伝えるのは難しいのですがチャーハンを口の中に運んでる時と同じように自然な流れで食べたいんですよね。この自然の流れが遮られると一緒にそのチャーハンの世界観も崩れてしまうというか、そんな風に思っちゃいます。
なのであえて具材は小さめです。(異論は認めます)
味も薄すぎず濃すぎずジャストサイズ。マジで店で出せますよ、これ。
ようやくですが総論です。
これはチャーハンの完成系です。味、パラパラ具合、米と具の一体感、全てにおいて最高です。
ここで企画倒れとなりました。
【3日目 夜】
はい、前回にチャーハンの結論を出してしまった為に私はチャーハンマスターとなり企画倒れしてしまいました。
最早、これ以上のチャーハンはなくモチベもだだ下がりです。
しかし、私は理系。チャーハンの美味さのロジック✨を暴きたいのです。
ここで思ったのは味の素の存在です。
前回のチャーハンでは体感かなり使ったような気もしますが、それに加えてエビの下味にも使いました。
そこでです。前回のチャーハンを味の素なしで作ってみたらどのような味がするのでしょうか。検証。
エビの下味は塩のみで。塩の量はあまり変えずに作りました。
ちなみに前回まで使っていたごま油がなくなってしまったので今回からごま油がセブンイレブンのに変わっています。
結果
甘い……。甘い卵焼きを使ったチャーハン……?
考察
シンプルに砂糖を入れすぎました。だから卵焼きになってしまった。そういうことです。
対照実験をしようとしたのですが失敗。無念です。
しかし予想としては味の素を入れた方が美味いものを作れると思っていたので、前回よりも美味しくないものができ上がるというのは何となくわかっていました。よってあまりこの対照実験にモチベがなかったのですが、今回の件でもう諦めました。
総論。対照実験が失敗して甘いチャーハンになった。1合あるから最後の方には飽きてしまう。
【4日目 夜】
昼は外食です。美味しいお茶漬けとみりんの炭酸水割を飲みました。
みりんって思ってた以上に甘いんですね。後味はもう甘酒そのものでした。
みりんはチャーハンの原料にもなりますが、ちょっとみりんの考えについても改まりましたね。入れすぎ注意は砂糖だけじゃないって。
ということで本題です。
「究極のチャーハン」の研究に関してはモチベが落ちました。よってこれからは基本、昼はぱぱっと作れるチャーハン、夜は創作チャーハンといった形になってきます。
そして今回がその創作チャーハンです。
タイトルは野菜チャーハン。そのままです。
二郎系ラーメンや長崎ちゃんぽんなどを食べていると、野菜のボリュームをしっかりと感じるじゃないですか。それもチャーハンでもやってみたかったのです。
使った野菜はもやし、キャベツ、玉ねぎでお肉はバラ肉を使用してます。玉ねぎとキャベツの硬いところはレンジで柔らかくしてからフライパンに入れました。次からはラップをします、、あとはどちらかと言うと醤油ベースで作ろうかなと思っていました。
また、今回の試みとして調味料(醤油、酒、みりん、砂糖)を1つの容器にまとめて入れ、それをフライパンに入れるという方式を採用しました。調理中に焦らなくて済むので良いですよね。前回みたいな砂糖の入れすぎも防げます。
味の方ですが、美味しいです。狙い通りちゃんと野菜のボリュームもあります。今までずっと普通のチャーハンだったので、食感のバリエーションが増えるといいですね。もう少し飽きずにやれそうです。
総論をしますと、いつかのエビチャーハン程では無いですがちゃんとパラパラしていてボリュームも味付けも良し。普通にいいチャーハンです。
コンセプトもしっかりと再現できました。
【5日目 昼】
昼は基本的に時間が無いので創作ではない王道チャーハンです。付け合せのきんぴらはこの前の余りですね。
コンセプトはこの前のエビチャーハンの肉版を作ろうというものでした。ちゃんとお肉に下味をつけて、作り方も殆ど同じようにしました。
その結果なのですが、何故かどうしても前のエビチャーハンには劣ってしまうものが出来てしまいました。パラパラしていて美味しい。ですが前のエビチャーハンにはどれも叶わない、、
あれは奇跡だったのか、、
特に書くことがないため総論に入ります。
普通の美味しい家庭チャーハン。これに尽きます。
強いて言うならお肉が少し大きすぎた気もします。
【5日目 夜】
夜と言えば創作チャーハンですね。
今回は「焦がし味噌とさつまいものチャーハン」です。
ラーメンには醤油ラーメン、塩ラーメン、味噌ラーメンがあります。しかし、まだ私は味噌チャーハンを作っていなかったのです。
また、ここで使用したさつまいもはお世話になっている農園のものです。そもそも今やっていることはチャーハン合宿である前に農業体験ですからね。B品と呼ばれる傷があったり形が悪かったりして商品とならないものを貰いました。味は普通の商品と変わらないです。
作り方についてです。容器にいつもの1/3くらいの量の醤油といつも通りの酒みりん砂糖、そして味噌をカレースプーン2杯弱入れて混ぜ合わせました。具を投入した後、いい感じになったらこれを投入します。
芋はレンジでチンした後に味の素で軽くした味をつけました。
準備OK、いざ料理。お米、卵、さつまいもをフライパンに投入していった訳ですが、思ったよりもさつまいもが柔らかくなっていないのです。なのでめっちゃ炒めます。あんまり炒めすぎるとお米や卵が焦げてしまうのですが、火が通ってない硬いさつまいもを食べるのもちょっと、、
ということで焦げないよう慎重に炒め続けます。フライパンの底で少し焦げると、パラパラだったチャーハンが若干ダマになるんですよね。これがまたつらい。頑張ってさつまいもに箸が通るまで炒め続けました。
ということで完成です。若干焦げた部分があるので焦がし味噌というネーミングですが(詐欺臭い)、ご飯のおこげは美味しいですよね。(無理矢理)
そして実食。味は普通に美味しいです。まあ少しおこげもありますが、味噌の風味もあってそこまで問題にならないです。おこげのせいでパラパラ度が少し減りましたが。
味噌の風味は濃すぎず薄すぎずと言った感じですがもう少し濃くしても良かったのではないかと思います。今のままでも満足ですけどね。
そしてさつまいも。いい感じの柔らかさです。美味い。味噌とも相性抜群です。まあ、チャーハンの具にしてしまったせいでかなりお腹に溜まるのですが。
最後に総評。
コンセプト通りの味噌チャーハン。味付けは良い。パラパラ度はそこまで高くなく、塩や醤油とどっちが美味いかと聞かれるとなかなか頷けないが、それでも美味しいチャーハンではあった。
【6日目 昼】
このチャーハン生活をやるにあたって、試してみたかったことがあります。それは、贅沢に卵の量を2倍にしたらどんなチャーハンが出来上がるのかの検証です。
作り方は5日目昼のレシピに卵を倍にしただけ。あとは今まで通り至高のチャーハン目指して作りました。
作っている時からこんなにも卵〜♪贅沢〜♪なんて思っていました。しかしながらあまり時間が無く、少し炒める時間が少なかったかなと思いました。
ちなみに、昨日の夜で使っている米が無くなりました。今回から新しい米です。色が少し違います。
いざ実食。たっまご。以前のチャーハンと比べて卵感が圧倒的に強いです。そういえばチャーハンのメインの具は卵だな、そんなことを思い出させてくれます。その一方、炒める時間が短かったのかパラパラ感はそこまでありません。寧ろ、今までのチャーハンで1番パラパラ感がなかったような気もします。というか、今までの中で唯一ねっとりしているというか、、
総評。卵の味が強くなった一方、あまりパラパラしなくなった。炒めたご飯感があまりない。家庭的なチャーハンに戻った感。
【6日目 夜】
さて、農業体験も終盤に近づいてきたわけですが、初日に買った野菜がかなり余ってしまっています(+卵)。よって今回はそれらを消費せなければと大量の野菜を使ったチャーハンを作ることになりました。
そして、今回作ろうとしたチャーハンのコンセプトはちゃんぽんです。4日目の夜にちゃんぽんのようなボリュームのあるチャーハンを作りましたが、今回はその比では無い大量の野菜を使用し、肉を使わずちくわを代用することでちゃんぽん感をかなり意識して作りました。結果、米よりも炒める前の野菜の量の方が多いという異常事態。
作り方に関しては炒めたご飯に(余っている)2倍の卵を投入したあと、しっかり炒める。チャーハンがらパラパラになったと思ったら野菜を投入して、いい感じになったら味付け。そして少し炒めたのち完成。
今回の作り方のポイントは卵を投入した後にしっかり炒めること。昼の失敗を再度犯さないようにここはきちんとやります。
そして、いざ調理です。炒めたご飯に卵を入れしっかり炒めます。
、、、ここで私は気づきました。なんと、チャーハンがパラパラにならない。実は卵を2つ投入するとパラパラにならないのではないか。
今回使用したお米は1合、卵は2個です。そして普段の量はお米1合に卵1個。実はこの比率がベストバランスだったのではないでしょうか。
ここで、私が一番最初に述べたチャーハンの基礎知識から。チャーハンのお米には米の層ー油の層ー卵の層があります。よってここで必要以上に卵を入れすぎた時、卵の層にならなかった余剰の卵がパラパラ感の邪魔になってしまうのではないか。
まあ、検証はもうしないですけど。
しかし、ご飯1合に卵1個。これからはこの方針でチャーハンを作ることが決まりました。卵を増やすと美味しくなると思っていましたが、まさか予想に反してパラパラにならなかったとはですね。
調理風景に戻りますが、強引に焦げかけるまで炒め続け、後は先述の作り方通りに作りました。もちろん具材は小さめカットです。野菜をフライパンに入れた時は野菜が多すぎて心配でしたが、ちゃんと容積が減ってくれてほっとしました。
そして完成、実食。
しっかり野菜感。ただ野菜感があるだけではなく、野菜の種類の数やちくわの影響もあるのだろうかちゃんぽん感がしっかり出ています。特にちゃんぽんのタレみたいなのは使っていないですが満足感ある仕上がりに。
お米はパラパラではないですがそこまでねっとりしている訳でもありません。寧ろ、多少の水分量があることによってちゃんぽん感をより感じやすくなっている気がします。そりゃまあ、ちゃんぽんなんで。
ここでようやく総評。食べごたえがあり、満足感のある一杯。お米はパラパラしていないが別にストレスは感じず、炒め混ぜご飯のような一品となった。
ここで格言を1つ。
「チャーハンは卵飯ではない、炒飯だ。卵は1合につき1つで十分。」
(西暦2022年9月24日 私のInstagramより)
【7日目 昼】
テーマは温故知新。3日目のような至高のチャーハンを目指しつつ、創作チャーハンによって身につけた知見を活かしていくという新時代のチャーハンを生み出す試みをします。
まずは肉。ウルトラ細かく裁断しました。(写真から肉が観測できない……)
それから、具材に玉ねぎを使用。みりんや砂糖に頼らない優しい甘さ、食べ応え、食感のバリエーションの増加など玉ねぎはチャーハンによって様々な効能をもたらします。(当社比)
それから、卵はちゃんと1つです。玉ねぎはある程度食感を感じやすい大きさに切ってしっかりレンチン。ラップもしないと。
特に他には書くことがないです。それでは実食。
いや〜、普通に美味い。見た目では分かりづらいですがちゃんとパラパラしてます。(フライパンの底の方のチャーハンが上に盛り付けられるため写真ではわかりづらいですが)
3日目の昼とは違って、いい意味で甘いです。たまにチャーハンに加えるアクセントとしては最高の具材なのでは。
とは言え、逆に肉は小さく切りすぎた感じがあります。あれだけ具材は小さくと熱く語っておきながら、結局はバランスが大事なんだと気付かされました。肉を食べている時の食べ応えもある程度は欲しいです。
そろそろ総論に入ります。
王道に美味いチャーハン。肉が小さかったとはいえ、食べ応えは玉ねぎでカバーされています。このレベルなら人に出せますね。
【8日目 昼】
やって参りました。長かった一週間毎日チャーハン生活も今回でラスト。
農業体験最終日ということでなんと初日に買った大量の野菜が余ってしまっています。(チャーハンしか作ってないんだからそれはそう。)ということで野菜チャーハンを作ろうとしたのですが、もう使い回しすぎたんですよねこのネタ。
またいつもの野菜チャーハンを作らなかった他の理由としては、「野菜チャーハンは美味いチャーハンではない」からです。え?あんなに野菜チャーハン美味い美味い言ってたのに急に何?と思う方もいるかもしれません。無論今まで作ってきた野菜チャーハンは美味しかったです。これは本当です。しかし、ここで言いたいのは「野菜チャーハン」というジャンルの食べ物の美味しさの最大値は「普通のチャーハン」のそれには叶わないということです。
これにはチャーハンが「炒め飯」であることに由来します。今まで野菜チャーハン、その他具入りのチャーハンを作る際は野菜をレンチンしてからフライパンに投入し野菜がいい感じになるまで炒めていました。しかし、ここには落とし穴があります。それは、野菜がいい感じになるまで炒め終わった頃にはチャーハンの本体であるご飯は既にいい感じを超えて炒めすぎている状態にあるのです。チャーハンにおこげがつくとおこげがついた部位はくっつき、パラパラ感を失います。おこげがつかずとも炒めすぎた箇所はこのように少しくっつく傾向にあります。
またチャーハンを調理している時に感じるのですが、野菜を入れると野菜の水分のせいなのか、チャーハンの米自体も若干重く感じます。これは自分がふと感じたことですので本当のところはどうなのか知りませんが。
ここで話を戻します。大量の野菜を消費したいが、野菜チャーハンを作りたくない。ここで考えが止まっていました。ここで私が考えていたのは普通のチャーハンと野菜炒めを作ることでした。想像以上に野菜が多く、これをチャーハンには流石に混ぜられないと思っていたからでもあります。しかし、ここで思いつきました。乗っければいいじゃん。
ここから作業工程です。まずは野菜炒めから作ります。
バラ肉、もやし、にんじん、さつまいも、しめじ、まいたけ、キャベツ、細ねぎ、れんこん、ちくわ……具材量が半端ないです。(たしか玉ねぎは入れてなかった気がします。)
具材は豪華ですが作り方は普通です。味の素は振り絞りました。チャーハンと併せてここで使い切ります。
そしてチャーハン。野菜炒めの方でお肉を使ってるので、今回は具材0、超シンプルなチャーハンです。もう秒で出来ちゃいますね。一週間作り続けているとやはり慣れてきます。
そしてこのチャーハン、3日目のチャーハンに近づけるためにあるものを廃止しました。それは4日目の夜から行っている、調味料(醤油、酒、みりん、砂糖)を1つの容器にまとめて入れ、炒めている途中に投入するというものです。勿論、3日目はこの方式を取っていなかったので原点に戻って調味料を直入れすることにしました。こちらの方がもしかしたら美味しいかも知れませんしね。
そしてチャーハンを作る訳ですが、作っている途中からわかります。超パラパラになってます。これは期待大。
ちなみに、前回でごま油を全て消費してしまったので今回からは業務スーパーで買った新しいごま油です。3日目の夜からごま油を新調して、ほぼ全てを自分で使い切ってしまいました。ということは5日間で1人でごま油を200g消費していたことになりますね。やばい。
そして完成です。まずはチャーハンだけで食べてみます。
美味い。予想通り超パラパラ。これは3日目の昼レベルです。ようやくあれに匹敵するパラパラ具合に帰ってこられた。Excellent!
味も普通に美味しいです。しかし、具がないため物足りない感が否めないです。
さて、野菜炒めを乗っけましょう。
ギリギリ溢れずピッタリ乗っかりました。というか、絶対溢れると思ってました。
野菜炒め自体がそもそも美味いので、チャーハンに乗っけても全然美味しいです。ただ、チャーハンの熱が逃げないためめちゃくちゃ熱いです。そのためチャーハンは最後まで冷めなかったですね、それはいい事なのですが序盤は熱すぎました。
また具沢山でボリューム満点だったのですが、米一合と大量のさつまいもが入っていたので結構おなかいっぱいになりました。盲点でしたね。
また食べてて思った事なのですが、これ、チャーハンがパラパラである必要ないですね。結局、野菜炒めと一緒にチャーハンを食べていると、チャーハンみたいに米がパラパラしているよりは白米のように米がしっかりとしている方が美味しいかもしれません。何か、これが野菜炒めの下敷きになるには心とも無いです。折角こんなにパラパラの仕上がりになったのに。
それでは最後に総評です。
チャーハン自体はかなりパラパラで味も良いのですが、野菜炒めを乗っけるとその良さが死んでしまいます。野菜炒めとタイ米を一緒に食べないように、野菜炒めとチャーハンの組み合わせには無理があったのかもしれません。
【終わりに】
長かったチャーハン生活ですが、そろそろ〆させて頂きます。
結局、至高のチャーハンに必要な要素は何か、分かったことを以下にまとめます。
米1合に卵1個
ライスはアツアツを投入
調味料を入れすぎない
具材は小さく(だが小さくし過ぎない)
具材はシンプルに(野菜などを詰めすぎない)
具材には下味をつける
ごま油はケチらない
細ねぎをトッピングすると美味しそうになる
それで結局どの具を使えば1番美味しいかと言うと、それは間違いなくエビですね。肉ではなくてエビです。パラパラなチャーハンには肉よりもエビの方が食感が合いますし、下味もつきやすいです。あとは具材としてのアクセントを感じる際に、エビは肉よりもインパクトを感じやすいです。
というか、正直美味いチャーハンを作りたいなら具はエビと上に乗っける細ねぎだけでいいと思います。どんなものでも結局突き詰めるとシンプルなものが1番美味いです。特にチャーハンは具材毎に丁度いい炒め具合があるので、一つのフライパンで多くの具材を全て丁度よく炒めるのには無理があります。
あと気になったことはカロリーですね。
ここ1週間は朝にお茶漬け1合、昼にチャーハン1合、夜にチャーハン1合+αで毎日3合のお米を摂取していただけではなく、短時間でごま油を1本丸々消費してしまいました。
確かに農業体験は疲れるのでカロリーが欲しくなりますが、後から思うと罪悪感でしかないですね。
また他に1週間チャーハンを作って思ったことは、料理が(気持ち)上手くなった気がすることです。私は元々実家暮らしで殆ど料理をしてこなかったため、最初の1食目のチャーハンを作る時にはかなりの時間を消費しました。それがチャーハンを作り続けることによってチャーハン作りに慣れ、気づいた時には限られた短い時間でもぱぱっと作れるチャーハンの男飯としての魅力を感じることができるようになりました。
そして家に帰ってから数日後、せっかく磨いたチャーハン技術をご披露しようと家で自分と母親の昼ごはんとしてチャーハンを振る舞いました。
先程、長かったチャーハン生活を〆ると言いましたが、まだまだ続きます。
【15日目(?) 昼】
とりあえず家にある食材を探しました。その結果、お肉は鶏肉を使用し味の素の代わりに鶏がらスープの素を使用しました。また、ライスは2人で1合分ありませんでした。
まずは鶏肉を切ります。お肉を小さめに切ることはもちろんなのですが、ついでに鶏の皮も同じくらいのサイズに切りました。下味は塩と鶏がらスープの素です。そして(多分)初めて使った鶏がらスープの素の第一印象が、なんだよこれ、金魚のエサかよ。
そしていつも通りフライパンに惜しみなくごま油を敷いて炊飯器からご飯を投入する訳ですが、なんというか、少しやりづらいですね。フライパンの壁(?)が低くすぐにこぼれそうになります。(そして少しこぼれました。)
この後、卵を投入して炒めるのですが気持ち卵と米が混ざりづらい。そしてお肉を入れて調味料を入れます。ところが、ここで鶏がらスープの素をドボドボと大量に入れすぎてしまったんですね。やってしまった感がありましたがそのまま調理を続行しました。
最後に細ねぎを乗っけて完成です。
それで食べてみた訳ですが、味が濃い。やはり鶏がらスープの素の入れすぎが原因です。せっかくパラパラになってお肉も美味しくなっていただけに悔しいです。上手になったチャーハンを披露する予定が、至高のチャーハンを作るための要素、「調味料を入れすぎない」をそのまんま破って台無しになりました。ショッキング。
……というか、鶏がらスープの素を入れたら醤油や味醂などの調味料も要らないのでは。
ここで、家に少しだけ味の素の冷凍チャーハンがあることを知り、チンしてみました。食べ比べです。
まず、口にして思ったことは圧倒的なペッパー感ですね。アクセントがしっかりと効いていて美味い。農業体験の間にいた寮では胡椒がなかったためこれは新鮮でした。また、このチャーハンを食べていてペッパーの加減が難しそうだなと思いました。恐らく、多めに入れても少なめに入れても美味しいのでしょう。至高のチャーハンを目指すにあたってこの加減を追求していくことはとても難しそうです。ペッパー、奥が深い。(故障も調味料ですし、寮にいる間に注文しておけばよかったです。)
【終わりに 2】
長い備忘録でしたが、今度こそ〆らせて頂きたいと思います。このような駄文に最後まで付き合ってもらいありがとうございました。なんとこの記事、13000字弱もあります。これを卒論にしてもいいか?
最後に、今回の農業体験に携わるにあたって様々な方にお世話になりました。この場を借りて感謝を申し上げます。ありがとうございました。
それでは。またの機会に記事を読んでください。
【追記】
友人の家にて夜食にチャーハンを作る機会がありましたのでここに追記します。
結論から言うと、これもまた失敗でした。
以下、調理風景です。今回は塩ベースのチャーハンを作ろうかなと思っていました。
まず、2合もあるご飯の量にビビりました。本当にこの量を調理できるのか……。
具材はベーコンのみでサイコロ状にカット。 フライパンにいつもよりさらに多いごま油を敷いてご飯を投入します。とてつもなく量が多い。フライパンがご飯で埋まりました。もうフライパンの壁が残っていません。他人の家のキッチンなのでなるべくこぼさないようにご飯とごま油を混ぜ合わせていきます。
ここで溶き卵(2個分)を投入します。案外こっちは普通に混ざりました。そして、いい感じに炒めたらベーコン、そして調味料を投入します。
ここでベーコンの下味についてなのですが、ベーコンはそのまま食べても美味しいですし、めんどくさかったのもあって下味はつけませんでした。
そして調味料についてです。今回使ったのがごま油、醤油、酒、みりん、塩、そして粗挽きブラックペッパーです。味の素、味覇、鶏がらスープの素などはなかったため使いませんでした。また、軽量カップは探すのが面倒くさく(使ってもどのくらい入れればいいか分からず)使いませんでした。
調味料の投入に戻ります。まずは唯一の瓶入りだった料理酒を投入しました。ここで思ったのですが、調味料をどのくらい入れればよいか分からない。目の前には圧倒的なボリュームの米で、しかもこのチャーハンは酒と一緒に食べる夜食。濃いめの味付けが望ましいのか。よって酒はとりあえずドバッて入れました。
醤油はキッコーマンの鮮度が保たれる系の入れ物に入っていた物です。そのため、ドバドバ出ることは無いですが塩ベースのチャーハンにしようと思っていたこともあり、醤油が多少少なめでも特に問題は無いと思っていました。後から振り返れば醤油はもっと入れるべきであったと思いますが。米の量があれだけ多かったため大分ケチったように思えます。
そしてみりんです。酒の時とは打って変わってこっちはケチった感じがします。なんででしょうね。
そして火を止めます。ここでブラックペッパーを少しだけ振りかけました。大量にかけてもいいのですが、ペッパー初心者なのでここはチキって塩を多めに振りました。
ここで、普段はしない味見をします。人に出すものなので慎重な調理を心がけます。(もう遅い)
しょっぺーーー
塩を入れすぎました。しかし、味が薄いならまだしも、濃いとなるとどうしようもなくそのまま提供することとなりました。
調味料の加減、難しすぎる……。
そしてチャーハンを盛り付けて自分でも1口食べてみます。あ、意外としょっぱくない。たまたま味見の時に塩の塊みたいな所を取ってきてしまったようです。セーフ。
しかし、酒の味が強い。あれだけ調味料を入れすぎないと言っておきながらこの末路です。というか、料理酒には塩分が含まれています。実は私は既にお酒が入っている状態であるため、めっちゃしょっぱいチャーハンでもあまりしょっぱく感じなかった説もありますね。
【終わりに 3】
ここで、いい情報を手に入れました。
それは……
料理のさしすせそ!というやつです。
いや、知ってるわーーーっと思ったそこの貴方。私も知ってます。名前だけなら。
さー砂糖
しー塩
すー酢
せー醤油(せうゆ)
そー味噌
なんと、これは料理の最中に入れる順番だそうですね。初耳です。
ここに酒とみりんが砂糖の前に入ります。これらには素材の臭みを取ったり、味を染み込ませやすくする働きがあります。
その後に砂糖です。砂糖は素材を柔らかくし、他の調味料の浸透を良くするらしいです。また、食材に浸透するのに時間を要するため早めに投入します。
続いて塩。水分を追い出し、締める働きがあります。序盤にチャーハンに入れていればさらにパラパラになったでしょうか。また、塩は砂糖よりも早く浸透し、先に塩が浸透すると砂糖が浸透しづらくなるため砂糖の後に投入します。
そして醤油や味噌は香りや風味が飛ぶので最後です。味噌汁も沸騰させるなとか言いますもんね。
こうして、チャーハンを作り終わった後にまた新たな知識を手に入れるのでした。
これで15000字弱です。今度こそ〆ます。
せーの。パン!
長文失礼しました。
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