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みんなのためのお店をDIT!お惣菜カフェ TEGOYAさん


こんにちは。KILTA(キルタ)雲南です。
島根県雲南市を拠点に、空間づくりをみんなで行う “DITワークショップ” を行っています。
※ DIT = Do It Together “みんなでつくる”

さて、今回は、カフェの開業にあたり、店舗内装の一部をDITワークショップで完成させた「お惣菜カフェ TEGOYA(てごや)」さんをご紹介します。





1.自分たちの手をかけて作りたいという想い


2023年の秋、市内加茂町にオープンした「お惣菜カフェ TEGOYA」さん。
味噌や麹、酵素ジュースなどの発酵食品や、地元で丁寧に作られた野菜などを使って、身体に優しいメニューを提供しています。
内装に無垢の木を多用した店内には、あたたかな空気が流れる気持ちの良い空間です。
オーナーの板倉さんがこのカフェを立ち上げたのは、「手作りの和食」を未来に残したいという想いからでした。
ご自身のお子さんが病気になり、食事の改善に取り組んだところ、みるみるお子さんの病状がよくなったそう。
「同じように困っているお母さんがたくさんいる。この経験を共有したい」
「お母さんたちが食を学ぶ場所を作りたい」と、食に従事したいという夢が芽生えたそうです。

そんな中、それまでに培ってきたご縁から、農産物直売所のキッチンスペースを改装して使わないかと声を掛けられ、夢の実現に向けて走り出すことになります。
改装にあたり、限られた資金でどう完成させるか、また、DIYでお店作りをするにしても、技術的に難しい部分や人手が必要な部分をどう作っていくのか、という課題に直面しました。
 
食において “手作り” を大事にしている板倉さん。
お店作りにあたっても、「業者さんにお願いして、簡単に完成してほしくない」
「1つ1つの場所に気持ちを込めて丁寧に、自分たちの手をかけて作りたい」と思っていたそうです。
子育て中のお母さんや地域の方々に来てもらう “みんなのためのお店” を自分たちの手をかけて作りたい、という想いが、KILTA雲南とのご縁を引き寄せることになります。 



2.人とのつながりが引き寄せたDIT


カフェ開業の話が浮上する以前から、子連れで来られるネイルサロンを経営していた板倉さん。
全く異なる業種ではありましたが、梅干しや味噌づくりのワークショップを開催するなどして、食育に携わり想いの実現にむけた活動を続けていました。
また、子連れで行きやすいイベントの運営にも携わり、精力的に活動範囲を広げていきます。
そのような活動を通じて、多くの人とのつながりが生まれ、自分の夢に共感してくれる仲間も徐々に見つけることができたそう。
KILTA雲南とのご縁は、そんな人脈の中からつながっていきました。
 
「お店の入口は絶対にウッドデッキにしたい!」
「カフェにしたいから店内に飲食スペースも絶対欲しい!」
と目指す理想像をお持ちの板倉さん。
しかしさすがに全てを自分たちの手で行うのは難しいと悩み、近場で何か良い取り組みがないか、周囲に相談していました。
KILTA雲南の行うDITワークショップは、DIYをみんなで行うことでその場に関わる人たちのコミュニティがより豊かになるという点と、プロに学びながら“自分たちの手をかけて”作っていけるという点が、板倉さんの望む場づくりにぴったりだったそうです。



3.DITワークショップ:実際の様子


板倉さんがDITワークショップを導入したのは、ウッドデッキづくりと床張り。
まず1日目は、屋外のウッドデッキ作りからスタートしました。
 
傾斜にタイルが貼られたお店の入口に、主催者側でウッドデッキの下地を設置した状態から、ワークショップがスタート。



まもなくワークショップが始まる


インパクトドライバーを使って、1枚の床板を同時に数名で端から順に張っていきます。
なお、この床板は、ワークショップ前に板倉さんがご自身で塗装されたものです。
突然鳴り響く工具の音に、近くでお仕事されていた方々も見学に来て、にぎやかな雰囲気に。



プロが作業する奥で、参加者のみなさんが床板張り


インパクトドライバーで張った木材は、切断して長さを揃え、側面の面出しをして整えたあと、忘れずにここにも塗装を。
この塗装作業は、子どもたちが活躍しました。



楽しく仲良く塗装作業


そして、2日目は、店舗内で床張りワークショップ。
カフェスペースを作るため、床板を張っていきます。
9月上旬のまだ暑い中、参加者のみなさんは建屋の中で汗だくになりながら、緊張の面持ちでインパクトドライバーを使用していました。
1日目のワークショップにも参加された方は、少し慣れた手付きの様子。



 額にも、インパクトドライバーを握る手にも汗


2日間実施したワークショップは板倉さんのご家族やご友人、近隣にお住いのみなさん、お子さんたちも参加されて、会話する声や工具の音がセミの声をかき消すほどに盛り上がっていました。


4.みんなに愛されるお店に


空き店舗の片付け・清掃からDITワークショップまで、“みんなでつくる” ことを大事にしてきた板倉さん。
一緒に汗を流し作業したみなさんは、志を共にした仲間のような存在になってくれたそう。
開店後の今は、お客さんとして顔を出すなど、ずっと応援してくれています。
みんなでつくるからこそ、「ここ一緒にやったよね」と温かい記憶が残り、親しみと愛着が湧く。
完璧ではないところもあるけれど、それはそれでまた良い。
そんなお店ができたことを嬉しく誇らしく感じていることが、板倉さんの表情に溢れていました。
人とのつながりやプロセスを大事にする板倉さんの姿勢は、お店が地域のみなさんに愛されていくことを予感させます。
今あるつながりだけで満足せず、市内のいろんな人たちとの関わりをもっともっと増やしたいと意欲的な板倉さん。
私どもも刺激を受け、DITワークショップをより広めるべく、励んでいきたいと感じました!
 
 
最後までお読み下さり、ありがとうございました。




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