人間存在・実存Ⅱ

 世界は全体であり、人間は独立していない。世界の中ですべてのものが影響しあっている。人間に自由はない。では実存とは・・・自分の生き方を自分で決めることはできないのか・・・はい。

 ただ一つ言いたいのは(言っても効果があるかはすでに決まっていることだが)それを自覚しようということ。人間はみんな不自由なのだから人を悪く言わないし、良く言うことすらやめる。自分を含め誰かがテストで良い点を取っても悪い点を取ってもそういう運命だったとしか言えない。

 もちろん自由なフリは大切だし、続けるべきだと思う。幸せに生きるために。つまり、言ってもいいけど、心の中では言わないということ。そして、あくまで自分がフリをするだけに留めて、押し付けないこと。犯罪者に対して「犯罪をしなくてもよかったのに犯罪をした」と罰してはいけない。

 もちろん「見せしめとしての効果がある」として罰するのは良いと思うし、それでしかできないと思う。そして罰するときに、自分の私欲でその人が死刑になったりすると自覚すること。死刑制度が日本国民の支持の下に成り立っているとしても、もし自分一人で決めることができるのなら、執行するからである。それを公益のためにと言っても公益を重視するのはあなたの勝手だ。

 万人の不自由を自覚し、自分の中だけで自由なフリをし、他人に自由を押し付けない。それが冷たくて正しい実存ではないだろうか。

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