Hになるほど硬くなる

 「せんぱ〜〜〜い❤️

 Hになればなるほどカタくなるものって、なんですか〜〜〜???」

 「チンポ」

 「きゃあ!?」 


 この目の前のメスガキは、弾丸のような速さで、真っ赤になった顔を覆い隠した。

 なにをしたいんだ、こいつは。

 ちょうど顔見知りが彼女の後ろを通った。


 「なあ、Hになればなるほど硬くなるものってなんだと思う?」

 「チンポだろ」

 「きゃあ!?」

 「だよな」

 チンポ。その3文字が脳内を占める。

 続け様に、ほかの愉快な仲間たちにも声をかけた。結果が以下の通り。

 「チンポ」

 「チンポだろう」

 「チンポだな」

 「チンポ…………」

 「チンポやな」

 「チンポですわ」

 「チンポだろjk」

 「チンポだわん!」

 「チンポなのだ」

 「الديك」

 「ひっかけ問題?…………………………いや、チンポだ!」

 「ああ、チンポだ」


 きゃあきゃあ鳴く機械になってしまった後輩をゆする。

 「おい、公然わいせつ罪言葉引き出し女、起きろ」

 「は……………はい」

 「答えはなんなんだよ」

 愉快な仲間たちも彼女を囲んで待っている。
 食堂の一角に、チンポなのかチンポじゃないのか?その答えを待つ人たちで塊ができていた。


 「えっと…………………ああ………………そうですね………………答えはですよ………………」

 一同、息を呑む。

 メスガキ、窮する。

 しかし、ついに答えが溢れた。






 「鉛筆です」






 ……………………………………、



 大きすぎる怒りはもはや爆発して消えた。その空間には、言葉はもちろん、なんの感情もなかった。
 若々しくエネルギーに満ちている10人ほどの若人は、一切の表情を失って、人形のような無機質さを顔に貼り付けていた。

 しかし、また再び怒りは生まれて、今度は悪鬼の集団ができた。
 その悪鬼の暴言の内容は主に、以下の二つである。

 「鉛筆ならエッチじゃなくてエイチだろ!!」

 「もし仮に鉛筆をOKとしても、チンポでも正しいだろ!!」

 そういうことを囲んで浴びせた。それは彼女が、こう言うまで続いたのである。



 「はい……………………チンポです」

 と。

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