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DJブース構築奮闘記 〜10年に渡る試行錯誤の末路〜 ❸スチールラックで作るDJブースのパーツ選び

 自作DJブースにおいて、スチールラック(メタルラック)という選択肢は非常にアリなのでは…という企画もいよいよ3回目です。
前回はスチールラックの有名メーカー4社を取り上げて比較をしました。今回はその中からルミナスをピックアップし、実際にパーツを選定しながら理想のDJブースの基礎部分を作っていきます。

ルミナスラックをベースに、機材で膨れ上がった私のDJブース(2024.2.)

ブース天板用棚板の大きさを決める

 スチールラックには様々なパーツがあります。今回紹介するルミナスもパーツのラインナップが非常に豊富です。色々目移りしてしまいますが、DJブース構築の最初のステップとして、まずは天板の大きさを決めてしまいます。

ルミナスの棚板サイズ表

 前回も触れましたが、ブースの奥行きは45cm以上をお勧めします。理由は、大型のDJ機材…例えばターンテーブルを縦置きした長さが45cmだからです。つまり奥行きが45cm以上あれば大抵のDJ機材が載せらるというわけです。
 ルミナスは、奥行き46cmの棚板のラインナップが非常に豊富です。

 横幅は、現在持っている機材に合わせて選びます。
 midiコントローラーの場合、小型のもので幅40〜50cm。大型になると80cm近いものもあります。
 CDJ2台+ミキサーというスタイルの場合は幅90〜110cm。ターンテーブル縦置き+ミキサーの場合は110〜120cm、横置きの場合は120〜135cm辺りでしょうか。
 いずれにせよ、ジャストサイズより+20cmぐらいの余裕があった方が使い勝手はよくなります。
 また、ハーフシェルフとの組み合わせを考えている場合は、ハーフシェルフの取り扱いがないサイズ(例えば幅106.5cm)の棚板は避けましょう。

 私はターンテーブル2台に2chミキサーと小型のmidiコン、というスタイルですが、奥行き46cm × 幅121.5cmの棚板でギッチギチです(余裕は3cmぐらい)。

ブース天板用棚板の種類を決める

 天板のサイズが決まれば、お次は種類です。
(※ 価格は全て120サイズ)

・レギュラーシェルフ単体(耐荷重250kg・5,480円)
レギュラーの棚板に直接機材を載せるパターン。こちらが一番安価です。ただ、機材の脚がワイヤーの間に埋もれたりすることがあります。


・レギュラー+ウッドシート
(耐荷重250kg・8,960円)
レギュラーの棚板にオプションでウッドシート(3,480円)を載せたパターン。これなら機材の脚が埋もれることはありません。ただ、ウッドシートが意外と高いです。


・レギュラー+ビニールシート
(耐荷重250kg・7,760円)
レギュラーの棚板にオプションでビニールシート(2,280円)を載せたパターン。ビニール以外にコルクシート(1,680円)もあります。どちらもシートとはいえしっかりと厚みがあります。機材も滑らなそう。


・ヴィンテージウッド
(耐荷重80kg・8,580円)
ウッド系棚板。お洒落になりますが、耐荷重がガクっと下がります。隙間のあるタイプ(7,980円)もあります。


・ソリッドシェルフ
(耐荷重120kg・8,980円)
光沢のある金属製の棚板です。耐荷重はけっこうあるし、見た目も悪くないです。高いけど。


・プレミアムライン
(耐荷重90kg・6,980円)
サビに強いメッキ加工が施されているようです。光沢もレギュラーとは若干違うように感じます。耐荷重が下がります。

 私が購入した天板はパンチングシェルフという穴あけ加工が施された真っ赤なタイプでした。ただ、こちらは現在廃盤なので、気になった方はメルカリなどの中古を探してみてください。
 機材等の廃熱性に秀でた構造で耐荷重も100kgと申し分なく、お洒落でアメリカンで本当に良いシェルフだと思います。再販してください!


ブースの段数と種類を決める

 天板が決まれば、お次は下段の棚板選びです。
 まずブースの段数ですが個人的には天板も含めて3段以上をお勧めします。というのもメタルラックは構造上、段数が多い方が安定するのです。天板と棚板1枚だけだとどうしてもグラつきが出てしまいます。コの字バーなどの補強パーツもありますが、棚板3段で組むの方が安定します。

 次に棚板の種類ですが、特にこだわりがなければレギュラーシェルフがおすすめです。
 私はけちって安いメタルルミナスというシリーズの棚板を選んだのですが、写真でもわかるぐらいにワイヤーが細く、耐荷重も80kgと頼りないです。ここにレコードなどを載せてますがいつも不安を感じています。価格の差はたったの数百円ですので、みなさんはレギュラーシェルフを選んでくださいね。

ブースの高さを決める

 DJブースの最適な高さは80〜100cmだそうです。
 ルミナスのポールには2.5cm間隔で高さを調節できる溝が掘られているので、パーツを組んでからの微調整も可能です。
 ポールの長さは、DJブース利用だとやはり90cmがおすすめです。その上は120cmになってしまうので、90cm一択ともいえます。ただ、2本の短いポールを連結させて好みの高さを作り出すこともできます(例えば47cmと54.5cmを連結して101.5cm)。



 ここまで、ルミナスの棚板サイズや種類、ポールの長さをじっくりと見てきました。天板棚板ポールが揃えば、それだけでDJブースの基本形は完成です。
 しかし、メタルラックで作るDJブースの面白さはオプションパーツにある、といっても過言ではありません。
 ここからは、様々なオプションパーツを紹介していきますので、みなさんも是非、自分のスタイルに合うオリジナルDJブースをイメージしてみてください。



補強コの字バー

コの字バー(3,980円)は本来は補強のためのパーツですが、私は電源タップをくくりつけるためのベースとして天板の下に組み込んでいます。

 これにより、好きな位置に電源タップを設置できます。また、ケーブルの取り回しが非常に容易になります。もちろんブースの補強にもなる一石二鳥アイテムです。


延長突っ張りポール

 DJブースの揺れを軽減するのに最適なパーツが、この延長突っ張りポール(47〜74cm・2本・2,980円)です。ブースの安定性向上だけでなく、転倒防止としての本来の役割も期待できます。

 突っ張りポールを取り付けるには、ブース奥側の2本のポールをかなりの高さまで伸ばしてあげる必要があります。パーツ代が余計にかかってしまいますが、この2本のポールがのちに様々な機材のマウントを可能にする大変重要なベースに変貌します。


ハーフシェルフ

 上述した「突っ張りポールを取り付けるために伸ばした2本のポール」には、このようなハーフシェルフ(3,480円)を取り付けることができます。

 私はちょうど頭の高さの位置に設置しています。小型のプロジェクターやマイクレシーバー、ON AIRライトなど、DJ配信に使うちょっとした機材の置き場所になります。
 また、ハーフシェルフにはWEBカメラを簡単に引っ掛けることができます。これによってブースを真上から狙った映像が撮れるわけです。
 ほかにもUSB充電ステーションを結束バンドで括り付けたり、スポットライトをS字フックで吊るしたり、ケーブルなどをまとめて這わせたり、アイデア次第で様々な使い方ができます。ハーフシェルフは私の一押しオプションパーツです。


円形アジャスター

 ルミナスのポールに取り付けられる円形アジャスター(4個・1,192円)です。通常のアジャスターに比べて安定性の向上を期待できるパーツです。
 フローリングなどの床の保護にも最適。パーツ価格も安いので買っておいて損はありません。


スライドシェルフ

 2段目に引き出せるスライドシェルフ(6,980円)を組み込むと、ブースをさらに拡張できそうです。必要なときだけサッと出すイメージです。


ハンガーポール

 ハーフシェルフなどにハンガーポール(1,480円)を組み込むと、ヘッドホンやケーブルなどの整理によさそうです。


簡単後付け棚

 スチールラックは構造上、後から棚板を増やしたい場合には分解が必要でした。これはスチールラックの最大の欠点だったのですが、最近後付けができる簡単後付け棚(5,980円)が開発されました。
 ブース設置後に思いついたアイデアを簡単に形にできる、この後付けシリーズをいくつか紹介します。


後付け回転テーブル

 アイリスオーヤマに「メタルラックマウストレー」という商品があります。それに非常に似たこの後付け回転テーブル(1,280円)ですが、後付けができるという点で、こちらの方が優れていると思います。
 DJに使う小物置き場や、モニタースピーカーなどを設置してもよさそうです。


後付けハーフシェルフ

 こちらは後付けハーフシェルフ(2,480円)。サイドテーブルのようにブースに組み込めるのが非常にそそられます。


 その他、サポート柵や各種フック、サイドネットにLEDライトなど、DJの様々なニーズに合わせたカスタムを可能にするパーツがルミナスにはたくさんあります。
 一度販売ページをのぞいてみてください。きっと素敵なアイデアが浮かぶはずです。

 今回はメーカーをルミナスに絞って、DJブース構築のための様々なパーツを紹介してきました。
 次回は実際に構築したスチールラックDJブースを基に、他社製品によるDJブース拡張のアイデアをたくさん紹介します。

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