犬飼愛生『手癖で愛すなよ』を読んだ話
五年ぶりに出版された犬飼愛生の詩集『手癖で愛すなよ』が届いた。
一読して、彼女のライフステージが再びアップデートされたのを感じた。
犬飼愛生という詩人は、常に一貫したテーマと向き合いながらも、そのキャリアとともに視点を変え続けてきた書き手である。
最初の詩集『カンパニュラ』(2006年)以来ずっと、彼女の作品に通底する最大のテーマは“女性”だ。自分自身が女であること、女として生きること、その中で生じる違和感や軋轢、矛盾、絶望、悲しみや怒り、さらにそこにあるおかしみや喜び、愛