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親しい友達リストを作れない
ホームに落ちた毛糸の塊が、誰かが置いていった命に見えた朝
もう誰に教えてもらったかも覚えていないアルバムの一曲目を再生したとき
自分に近い音が流れて、何も変わらないことに安堵した
八分休符ほどのスピードの呼吸を深めることに集中する日々を過ごし
速い曲を追い越した
ませた口紅を塗った朝
いつもと違う場所に帰る
轢いてくれと願って渡った赤信号も
結局は死にすら見捨てられた私の一部だった
いつだって自分の機嫌をとることを最優先した結果
誰のことも否定しない優しい怪獣になった
君がほしい言葉をあげよう
君が望む私になろう
いなくなった自分を見つけるのには、余程時間がかかった
先に立たない後悔は、言葉通り後ろめたさだけを残して、
曖昧な痛みを春になると思い出させる
誰も見ることのない日記を開く
昔書いた一言に張り詰めていた心が緩む
私を友達と呼んでくれた人達をたまに思い出す
全てを捨てた自分と捨てきれなかった君たちに
いつか名前をつけられる日がくるだろうか
後始末の苦手な私にとって
人との繋がりのもどかしさは
溶け切ったアイスを掬うような感覚で
手足の痺れを惑わすために飲んだ酒みたいに吐き出せたら楽だと思った
花火の音が聞こえた気がした日
繋げなかった手のひらを握りしめた
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