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「写真を撮られることが苦手」な人の自然体を撮影するおすすめのコミュニケーション4選

こんにちは。
フォトグラファーとして活動している菊村夏水です。

わたしがこれまでの約4年間フォトグラファーとして活動し

多くの人と接する中で「写真を撮られることが苦手」という人と、実は600名以上出会ってきました。

モデルさんの様に撮影慣れされている方なら、こちらの指示で表情やポーズを作ることができます。

ですが、「写真を撮られることが苦手」という人で同じように表情やポーズが作れる人はほとんどいません。(まさに自分がそうです。)

この記事では「写真を撮られることが苦手」な人と信頼関係を築き、自然体を撮影出来るようになるためのコミュニケーション4選をご紹介します。

信頼関係の構築が大切


「写真を撮られることが苦手」という人は、撮影に対して
前向きな気持ちの方ばかりではありません。
「仕事などで写真が必要になったから致し方なく…」という方が多いです。

そういった方がどうしたら前向きに撮影に取り組みたくなるか。
鍵となるのは『信頼関係の構築』だと考えています。

たとえば家族や気心の知れた友人など、『信頼関係の構築』されている人であれば撮影をされても緊張しない、気取らずにいられるという方は多いのではないでしょうか。

一番は、家族や気心の知れた友人のようにゆっくり時間をかけ「対話」し「体験」を共有して『信頼関係を構築』できることですが、撮影の時間は限られているので残念ながらそれは不可能です。

ただ、そこまではいかないまでも
「この人なら信頼していいな」と思ってもらうことは出来ます。

ではどうしたら「信頼」してもらえるのか。
それは「写真を撮られることが苦手」と感じる理由を撮影中の「コミュニケーション」によって解決することにあると考えています。


「写真を撮られることが苦手」と感じてしまう理由

「写真を撮られることが苦手」と感じてしまう具体的な理由は

・カメラを向けられた時にどんなポーズや表情をすればいいかわからない。
・指示されたとしてもポーズの意味や意図がわからない。
・黙々と写真を撮られる。
・写真写りが悪いと思っている。

といった経験を過去にしたことにある場合が多いです。これらを解決するようなイメージでコミュニケーションを取ることがとっても大切です。

では、ここからは解決するための具体的なコミュニケーションについて書いていきます。

➀相手がイメージできるようなシチュエーションや具体例を伝える


先ほど、「写真を撮られることが苦手」と感じてしまう理由として挙げましたが、ほとんどの人はカメラを向けられた時にどんなポーズや表情をすればいいかわかりません。

分かるのはごく一部のモデルさんの様に撮影慣れされている方のみです。
写真を撮影していると、このごく一部の人と関わる機会が多いので、ポーズや表情を作れることが当たり前になってしまいます。

では、ポーズや表情を指示すればいいのかと言われるとそれも違います。
ポーズや表情が作れるにはそれなりの訓練が必要で、いきなり言われてできるものではありません。

ではどうやってポーズをしたり表情をつくってもらうかというと、僕の場合は
「相手がイメージできるようなシチュエーションや具体例を伝える」ようにしています。

具体的には

「その木のあたりからこちらまで歩いてきてください!『この公園は私の庭だぜ。
』くらいの堂々とした感じでお願いします!」
「あ!横顔とっても綺麗です。そうです、そのくらい。正岡子規のくらいの角度でお願いします〜」

といった感じです。シチュエーションや具体例に少しユーモアを交えると、思わず笑ってしまう方が多く、笑顔の写真を撮影することが出来ます。
その自分の笑顔の写真を見ることによって、リラックスして撮影を楽しみだしてくださる方が多いです。

さらに、撮影した写真を一緒に見ながら
「この顔の角度や表情、素敵ですね。そこを意識してもう一度撮影させてもらえませんか。」といったようにその人が魅力的に見えるポイントや表情を伝えるようにしています。

写真写りが悪いと思っている方はただ単に、自身の顔の特徴や魅力的に見える表情や顔の角度を知らないだけなことが多いです。

一緒に写真を見ながら丁寧に説明をすることで、自分の知らなかった自分をもっと知りたい、色々なポーズや表情に挑戦してみたい、と撮影に前のめりになってくださる方が多いです。
そこからは試行錯誤しながら、一緒に魅力的に見える仕草や表情、顔の角度を探求していくことが出来ます。

どのようなシチュエーションや具体例を伝えるかは、相手の性別、年齢、趣味嗜好などに合わせる必要があります。

ただ注意点がありまして、信頼関係が構築できていない時点で笑いを狙いすぎると、人によっては引かれてしまうこともあるので塩梅がとても重要です。

また、指示をして相手の方が少し気恥ずかしそうにしている場合は、
先に自分がオーバーめにそのアクションをやってみせることも大切です。
そうすることによって、相手の心理的ハードルを下げることが出来ます。


➁ポーズの意図を伝える


とはいえ、毎回のように絶妙なシチュエーションや具体例を思いつけるとは限りません。
そういった時には、してもらうポーズの意味や意図を伝えるようにしています。

具体的には

「〇〇さんは右目が奥二重で左目が一重なんですね。一重だとクールな印象になるんですよ。この場所ではクールな雰囲気で撮りたいので、左目がカメラの方を向くようにしてください!」

といった感じです。

指示されたポーズの意味や意図がわからないままにやらされるから腑に落ちないという方は結構多くいらっしゃるので、
意味や意図をちゃんと説明することは思っている以上に重要です。

さらに、その人ならではの特徴からポーズを選び伝えることで、しっかり自分のことを見てくれているのだなと思ってもらうことにも繋がります。


➂そのポーズをしている実際のシチュエーションやシーンを伝えて想起させる


ポーズをしてもらっている時に自然な笑顔が欲しいなと思うことがあります。
ですが急に「笑ってください!」と言われて笑える人なんていません。
その時は
そのポーズをしている実際のシチュエーションやシーン(アニメ、漫画、広告なで)を伝えて想起してもらいます。

例えば、女性らしさを表現したく、耳のあたりに手を当ててもらっている時は

「そのポーズ、シャンプーのCMみたいですね〜」

といった感じでいうと、その方にとって馴染みのあるシチュエーションやシーンとまさに同じポーズであれば、思わず笑ってくださることが多いです。

自然な会話の流れで笑わせてくれるなと思ってもらえますし、
さらにそこから使っているシャンプーや好きなCMなど、他の話題に展開することも可能で、自然な会話の展開にも繋がります。

相手の性別、年齢、趣味嗜好などに合わせたポーズの指定やシチュエーションやシーンの選択が大切となります。


➃オチを用意した上で質問する。


基本的に日常会話をしている中で出る表情を撮影することが多いのですが、
このシチュエーションで笑顔がとれたら嬉しい...!と思うときがあります。

そういった場合には、ちょっと変わった質問であったり心理テストを出すことがあります。
質問や心理テスト自体でも思わず笑ってしまいそうなチョイスするようにしているのですが、そこで笑いがおきなくとも、最後に笑ってしまうようなオチを用意しておくことが大切です。

たとえば

「心理テストを出しますね〜!いきなり体に水をかけられました。どこにかかりましたか?」
ー相手の回答ー
「なるほど〜!これは自分がチャームポイントだと思っているところが分かりまして。」
ー相手のリアクションー
「ちなみに僕は全身と答えました。めちゃナルシストですよね〜。笑」
(これは実際にした回答です。笑)

といった感じです。

相手に質問することは、答える側にとって負担になることもあると感じます。
人によっては「あれ、なんか面白いこと言わないとかな?」と思ってしまう...のように。
撮る側の、「この場面で笑顔が欲しい」という欲は相手に
伝わっていると思った方がいいです。
であれば、そのプレッシャーを越えて、思わず笑ってしまうオチまで用意された質問をいくつか持っておくことが重要なのではないかと思っています。


まとめ


これらのコミュニケーションと日常会話を序盤に意識的にすることによって、相手の方に

・指示や質問で自然な笑顔を引き出してくれる
・知らない自分を教えてくれる
・気を張らなくても、日常会話をしている延長線上で撮影をしてくれる。

といったことを思ってもらえます。

そうして、家族や友人とまではいかないまでも、「この人と過ごすのも悪くないな」のように思ってもらえると、その後は緊張感なく撮影を進められます。

写真の勉強をすればするほど、「光」や「構図」を最優先に考えてしまいがちですが、ほとんどの人はそれらについて理解をしていません。
いくら撮られた写真が魅力的でも撮影体験自体が楽しくないと、写真自体にポジティブな印象が持ってなかったり、撮影に苦手意識を持ってしまいます。

多くの方にもっと「撮影体験」自体が楽しいと感じてもらえるよう、今回の記事が役に立ちましたら幸いです!

番外編

今回は「撮影されることが苦手な方」と「1対1」で撮影をする場合の話をさせていただきました。

これが「複数人」撮影の場合は話が変わってきて、
短い時間(大体60分)の中で全員と信頼関係を築くということはかなり難しいです。

そういった場合には、無理に信頼関係を築こうとせず、
「撮影に参加している人同士の関係性を活かす」ことがとっても大切です。

ちょっと長くなりそうなので、こちらは別の機会に書きたいと思います!
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楽しい「撮影体験」を!

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