【幼稚園雑草(上)p33~p34(https://note.com/kikun_waldkita/n/n1230a7f06c2e)】<一人の尊厳>人間は一人として迎えられ、一人として遇せられるべき、当然の尊厳をもっている。ただに人間ばかりでなく、宇宙の一物といえども、もの皆個体の存在をもっているのであるが、人間において、特にその尊厳をもつ。これは、必ずしも、心理学的にいわゆる個性の別という意味ではない。個性は相対的のものであって、一人の価値はその個性の価値であるが、人間の一人は絶対のものである。各個人の人間が銘々に有する、神聖なる尊厳である。すなはち、全ての人間は、その個性を尊重せられる権利をもつと共に、先ずその前に、一人として迎えられるべき尊厳をもっている。この意味において、一人を一人として迎えないことは、人間の尊厳をおかすことである。一人の一人たることを忘れるのは、人間に対する最根本的の無礼である。今我等は、新しき子供を迎えた。一団の新入園児を迎えたのでもなく、一組の新入学生を迎えたのでもない。我等の迎えたものは、その一人ひとりである。一人ひとりが、人間としての一人の尊厳をもって、我等の前にあるのである。一人ひとりたることを忘れるのは、人間に対する、全ての誤りの出発点である。一人ひとりたることを無視するのは、人間に対するあらゆる罪の基である。幼きが故に、一人の尊厳に、一毫のかわりもない。

保育士として支えられた言葉たち『一人ひとり』(https://note.com/kikki86/n/n09daf9fd4d51
画像1

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?