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見えてきたもの <書くということ>
以前から、うまく表現できない、モヤモヤしたものがあった。
あえて触れなければ、やり過ごせたかもしれない。
しかし、心の中にずっと引っかかっていた。
小学校5年生で音楽部に入った。
幸せなことに、音楽室には管楽器や弦楽器など様々な楽器が揃っていて、やりたい楽器を演奏することができた。
小学校なのに、コントラバスやフルート、ホルン、トロンボーンと本格的。TVで見たあの楽器が、まさに今、目の前にあった。
先生も、とても熱心だった。
小学生には到底難しい、ロッシーニの「セミラミーデ」序曲やエロルドの「ザンパ」序曲を選曲し、汗びっしょりになって指揮をされていた。
音楽室で初めてチェロに触ってみた。
コントラバスより小ぶりで、座って演奏できる。
TVでよく見ていたものと同じだった。
深く濃い茶色で艶があり、やや松脂の香りがする。
弓で弦を弾いてみる。
最初は恐る恐るなので、音が擦れてしまう。
そして、やや強めに弾いてみる。
震えるような、波打つような音になる。
4本の弦を弾く。
まだ曲は弾けないが、唯々弓で弦を弾くことで心が落ち着いた。
私の中では、<書くということ>が、弓でチェロの弦を弾くことに似ている。心の中にあるものを、鉛筆で紙に活字にするのと同じようなあの感覚が、ずっと気になっている。
以前から、うまく表現できない、モヤモヤしたものがあった。
縁あって、Webライターラボで様々な方と出会い、活字や情報に触れ、
「私は書きたかったんだな。」と素直に思えた。
やっと、見えてきた感じがする。
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