古事記から紐解く日本人の思想(1)
初回の序章で、神話と呼ばれる物語の中で、世界の成り立ちは、一神教と多神教であるところから違いがあると書きました。
日本では、古事記よりも少し後にできた日本書紀で、世界の成り立ち「天地開闢」の様子が語られています。
日本書紀の本文によると
昔々、天と地がまだ分かれず、陰と陽も分かれていなかった。
混沌として、まるで鶏の卵のようであり、ほの暗くぼんやりとして、事象が芽生えようとする兆しを内に含んでいた。
その中の清く明るいものが薄くたなびいて天となり、重く濁ったものがよどみ