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#24 もしも、やよい軒がスナックだったら

ウィーン…

やA「いらっしゃいませー!あー!俺さん久しぶりじゃないですかー!どうしたのー?最近全然来てくれなかったじゃーん!」

俺「いやー、ごめんごめん。ダイエットしてたからさ。ほらここ、ご飯お代わり自由だろ?ついつい食べすぎちゃうからやめとこうって思ってたんだ」

やA「へーそうだったんだ!今日はいいの?それともダイエットやめたとか?」

俺「今日はチートデイでね、糖質解禁の日なんだ。もう今日をずっと楽しみにしてたんだよね」

やA「なるほどそういうことか!じゃあいっぱい食べてってね!はい!食券お預かりしまーす!え?銀鮭定食?今日お魚にするの?いつも生姜焼きとかお肉入ってるやつなのに」

俺「いやー、魚が食べたくてさ。ほら、俺独身で一人暮らしだろ?なかなか焼き魚って食べる機会ないんだよ。昔は肉ばっかりだけど最近は魚が美味しくなってきてね。全く…歳取ったのかもな俺も。ハハ。」

やA「もう、何言ってんのよ。まだまだこれからでしょ?じゃすぐ用意するね!オーダー確認入りまーす!銀鮭定食でーーーす!」

俺「さてと、水と…」

やB「はい、お出汁!」

俺「あ、Bちゃん」

やB「俺さんはいつも氷無しのお冷とお出汁だもんね!」

俺「さすが!わかってるね。ありがとう」

やA「そんなの私だって知ってますぅー」

俺「あっはっは。そっかそっか、ありがとう」

やB「私も隣、座ってもいい?」

俺「え、いいけど…いいの2人で俺についちゃって」

やA「いいのいいの、まだ朝の10時だよ?オープンと同時に来るのなんて俺さんくらいだから。ママもこの時間は文句言わないしさ」

俺「ははは、そっか。たしかにお客さんは俺だけみたいだね」

やB「そんなことより俺さん今日の帽子可愛いね!」

俺「あーこれ?ありがと。全然安物だけどねぇ。500円くらいかな確か」

やA「えーほんとに?全然見えないんだけど!被る人によるよねー結局。俺さんお洒落〜。」

俺「いやいや全然そんなことにないって。自分が楽しくてやってるだけだからさ」

やB「相変わらず謙虚〜」
やA「ね〜」

男「お待たせしましたー。銀鮭定食です。ご飯の方、お代わり自…
やB「あー男くんいいのいいの!俺さんはもう全部わかってるから。この人やよい軒マスターだから(笑)」

男「あ、そうなんすか。ごゆっくりどうぞ」

俺「どうもありがとう。…彼は?新しい子?男の子のなんて珍しいね」

やA「そうそう、最近入ったんだ。結構可愛いでしょ?」

俺「なるほどね、どおりで裏が賑やかなわけだな。女の園の中に1人男が入ると空気が変わるもんだね」

やA「あ、やっぱバレてた?彼が入った途端もうみんなキャピキャピよ。今までできてた仕事も、できな〜い!とか言っちゃってさ。私そういうの付いてけないのよね」

やB「わかる〜私も〜」

やA「よく言うわよ。あんただってこっそり彼に触ったりしてたじゃない」

やB「べ、別にそんなしてないわよ!一回だけ腕の辺りを触っただけじゃん!」

俺「ははは…ま、まぁまぁ。Bちゃん、お代わりいいかな?」

やA「私はあの彼とは若すぎて話が全然合わなくてさー。今の子何考えてるかわかんないし、話しても聞いてんだか聞いてないんだかって感じで私も歳取ったんだなーって実感しちゃう〜」


俺「なに言ってるの。さっきの俺とおんなじこと言ってるじゃん。」

やA「あ、ほんとだ!あははは!まぁでも私は俺さんくらいの歳の人がちょうどいいかも。落ち着くしさ」 

俺「でも俺、金無いよ?」

やA「わかってるわよそんなの。お金あったらウチなんてこないもの。お金なんていいの。その日食べていけてればそれで十分よ」

やB「はい出ましたーAさんお得意の抜け駆けー」

やA「ちょっと!いつもしてるみたいに言わないでよ!」

俺「ははは、Bちゃんご飯ありがとう」



ウィーン いらっしゃいませー



俺「なんか混んできたけど…2人とも大丈夫?」

やA「わっ、ほんとだ!俺さんごめんね。ゆっくりしてってね!Bいこ!」
やB「うん!俺さんまた後でね!」

俺「うん、ありがとう!頑張って」

俺「さてと、最後はこの出汁をかけてお茶漬けで締めますかね。あー、うまい。白米うまいわー。」

俺「ふう、ごちそうさまでした。よし邪魔しちゃ悪いから、ひっそりと帰ろう。」


ウィーン ありがとうございましたーー





やB「俺さんごめーん、やっと落ち…」
やA「俺さんならもういないわよー」

やB「あー、もう帰ったのね。あの人いつも消えるように帰るんだから」

やA「Bみて。俺さん今日も米粒一つ残らず全部食べてったわ。しかも鮭の骨、お皿の端っこに綺麗に寄せてる。使ったコップはお盆に乗せてくれてるし、口拭いたナプキンが無いから持って帰ってるわ。コロナのこと気にしてくれてるのね」

やB「俺さんってマメよね。部屋も綺麗そうよね」

やA「こんなに通ってくれてるのに、私たち俺さんのことほとんど知らないわよね。聞きたいのに気づいたら私たちの話聞いてくれてるからさ〜」

やB「ほんとそうなのよね。いつもこっちが色々話しちゃって…。全くあの人…」

やAB「謎だわ…」






俺「さーて、今日も仕事に行きますかぁ〜」








fin...





ちなみに僕は、スナックやキャバクラ行ったことありませんし部屋もドチャクソ汚いです。





ではみんな、幸運を🦅















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