偉人はたいてい亡くなってからわかるもの

2018年の11月映画ボヘミアンラプソディが日本で封切られた。クイーンを取り上げた作品と言うことでマスコミにもとりあげられ話題になってはいたがこのような作品はたいてい期待はずれに終わるが試写会の反応が高評価だったので見に行った。クイーン特にボーカルのフレディマーキュリーがいかに自分のマイノリティと戦い、クイーンを通じて人々に感動を与えたかが伝わりとても感動した。特に終盤のライブエイドの彼らのステージはエンターテイメントの究極を目指した彼らの素晴らしさに感激の涙を流した。結局その後友達なども誘い5回ほど上映中に通った、上映中に同じ映画を見るなんて前代未聞なのにそれが5回もなんてと思われる人もいるかもしれないがそれぐらい衝撃的な作品だった!

クイーンは主に70、80年代に活躍していたロックバンドだ。最初はレッドツェッペリンのようなハードロック色が強かったがビートルズの曲調のもの、オペラ仕立てのもの、ディスコやロカビリーなどジャンルは多岐にわたる。そしてなんと言っても彼らの魅力はライブである。カリスマボーカリストのフレディマーキュリーのパフォーマンス、ギタリスト、ブライアンメイはレッドスペシャルという自作のギターで観客を魅了し、ベースのジョンとドラムのロジャーのリズム隊はクイーンの屋台骨を支えていた。そして4人ともに曲がかけ、それぞれがヒット曲を出していることも素晴らしいところだ。

しかしこのような情報はフレディマーキュリーが亡くなってから知ったことだ。彼は1991年11月23日エイズによる肺炎によりこの世を去っている。前日にエイズであることを告白したこととともにとても衝撃的な出来事だった。その時僕は大学で軽音でバンドをしていたがクイーン好きのバンドメイトが彼の死去以来2週間学校を休んでいた。僕はクイーンのことをほとんど知らなかった。14歳で洋楽を聴き始めたが世間はカルチャークラブ、デュランデュラン、ワムが席巻していた1984年。クイーンの人気は下降線をたどっていた。あともうひとつ偏見があった、フレディのマイノリティだ。ゲイであるということは当時中学生だった僕にとってはとても衝撃的だった。今ほど彼らに寛容的ではなかった時代。いろんな理由で僕はクイーンを聴いて来なかった。そこから彼らのライブのビデオを見て、CDをたくさん聴いた。軽音の奴らも追悼で演奏したりした。当然彼らの音楽、ライブは素晴らしく同時にそれまでフレディの外見だけで判断していた自分を恥ずかしくも思った。ただ少なからずまわりの軽音の連中も同じだったのかクイーンのことを取り上げていることもなかった。

そんな昔のことを考えながら映画ボヘミアンラプソディを見ていたがさらに嬉しいこともあった。エンディングロールで最後ショーマストゴーオンが流れた。この曲はクイーン最後のアルバム、イニュエンドウの最後におさめられている曲だ。この頃のフレディはエイズではないかと噂されていて以前のパワフルな姿は見る影もなくやせ細った弱々しい姿のPVは見ているのも辛くこのアルバム自体聴けない状態だったがエンドロールで少し救われた気がした、時間も解決してくれたのだろうか?

20年の1月のQALは行けなかったが次に来日したらみたい。素晴らしい映画にしてくれたことに感謝!

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