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Food5.0 (食の未来像)

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Food5.0はキクチの造語。これから訪れる、食べ物や食べることの「未来」を描き出しながら、日々の気付きを書き留めていきます。動植物の進化、人類の歴史・文化、文明・テクノロジーな…
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#フードロス

フードロスに取り組む人が増えても、フードロスが解決しない理由。

最近、フードロスに取り組んでます!余った食材や規格外野菜を食べるイベントやります!という人が増えた。特に若い世代の取り組みとしては、気候変動マーチ(行進)、脱プラスチックに次いで、多いのではないだろうか。 日本に限って言えば、この動きは昨年くらいから急加速した。フードロスに取り組むベンチャーにVCの資金がつくくらい、まるで「成長分野」のような空気がある(成長しちゃイカンだろw)。 しかし、僕としては「なんで今ごろになって急に?」という感覚が拭えないのだ。 農水省が、ロス

「生野菜のサラダ」という幻想が生み出す、社会のムダについて。

生野菜を食べるなんていう、たかだかこの数十年の流行り(ブーム)さえなくなれば、農業や流通のあらゆる課題が解決するのよね、という話。 生野菜のサラダが健康に良い? まずコレね。極めて効率が悪い。野菜の栄養やエネルギーなどが一番吸収されない食べ方なのは明らかだ。 ではナゼ、生野菜のサラダがこんなにも広がったのか?それは逆説的だけど、肉食や魚食が広まったから、だ。 炭水化物はもとより、脂質や蛋白質が過多な食生活が広がってきたことを背景に、(あえて人にとっては消化の悪い)植物繊

日本の「食」が失ったもの。

今、モロッコのメディナ(旧市街)にいる。 各地を歩きながら思うのだけど、食べ物について、「土用の丑の日」とか、「○○の日(例:さんま祭り)」とかを定めない方が良い。 貯蔵がきくもの(穀類、保存食、冷蔵冷凍品)や、年中あるもの(畜産物)ならまだ良いのだけど。 天候や環境によってかなり変動がある海産物や野菜は、向かない。その日に合わせて未熟なものを流通させることになったり、足りないからってコストかけて輸入したりする羽目になる。 採れた時、市場にある時が「食べ時」。 まだ出荷