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仕事はじめる日記(2023年 春)


おとな


歯医者さんに行く。長めの処置が終わって第一声、「は〜いよく頑張ったね〜〜」と言われた。

帰り道に、ドーナツを買って帰った。おとなだからね。

なまえ


桜の花びらを踊らせる春の風を感じながら、散歩をする。

ああ、あの子はたしか、4月が誕生日だった、と思い出す。

春の風が吹くと思い出す名前のあの子に、お誕生日ちょうどじゃないけれど、「お誕生日おめでとう」と送った。

つくること


新しい仕事になって、自分の名前で「つくる」ことから遠ざかっている感覚があった。

「仕事が変わっても、これからもつくり続けますね」

転職の挨拶で言い続けたこの言葉が、自分を縛ってきた。

「なぜつくるのか?」「私は何をつくりたいのか?」

ちっともわからなくなった。

そんなタイミングで、友だちと話した。しばらく、仕事以外の話をしていなかったから、ざつだんをすること自体ひさしぶりだった。

「つくりたい」と「参加したい」の違いとか、そんなことをおしゃべりした。「私は何もつくりたいわけじゃない」という心の叫びを経て、やりたいことも見えてきた。

同じころ、他の友だちからお手紙が届いた。

「つくることで、人とのかかわりを持てる」

私の場合は、誰に見せなくてもひとりで黙々とつくり続けるタイプではない。つくることそのものを追求できない。

でも、「つくることで、人とのかかわりを持てる」。

私の場合も、つくることの喜びはここにあるのかもしれない。というか、ここにしかないのかもしれない。


そんな気持ちで、意味もなく書き溜めていたこの日記たちの1本目を公開してみたら、リアクションがあった。

しばらく会っていない人も、会ったことがない人も、この言葉たちを通じて「かかわりを持てる」。

そう教えてもらって、とってもうれしかった。

読んでくれて、ありがとうございます。

おまじない


新しい家に引っ越してから、今までより少しだけ、生活をだいじにできるようになってきた。

できるだけ毎日、ベッドメイキングをする。週に1回、できればインテリアにも気を向けて、この部屋で過ごす時間が心地よくなるようにしたい。

インテリアに気を向けるなんて初めてで、なかなかうまくいかないけれど。この部屋で少しずつ、生活を重ねていく。

日常を整えることは、明日もよく生きられますように、と小さな願いを込めたおまじないなんだと知った。

そしてもうひとつ、だいじなこと。

おまじないがなくたって、自分は今日を、いい日にできるって信じること。

言葉をつむぐための時間をよいものにするために、もしくはすきなひとたちを応援するために使わせていただこうと思います!