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往年の名レース~天皇賞秋編~


私が競馬にハマったのは、90年代の半ばまさに馬券が一番売れていた時代でした。
90年の有馬記念で奇跡の復活を成し遂げたオグリキャップが競馬ブームを呼び、その後もメジロマックイーン、トウカイテイオー、ミホノブルボン、ビワハヤヒデなどスターホースが次々と現れて競馬人気が一気に加速して行った頃です。

初めてリアルタイムで見たダービーがナリタブライアンの時です。
未だに、この馬が中央競馬史上いちばん強かったのではないかと勝手に妄想しております。
当時は田舎で高校生をしておりまして、近くのWINSにこっそり行くだけで競馬場に入ったこともありませんでした。

そのナリタブライアンが引退した96年に初めて競馬場に行き、天皇賞秋を現地で初めて観戦したのがその年が初めてでした。

当時の秋の天皇賞と言えば、菊花賞をパスして天皇賞に出るような馬は少なく、古馬も天皇賞春を勝ったようなステイヤーや安田記念から短距離馬なども頻繁に参戦してくる各カテゴリーのチャンピオン決定戦的な非常に面白いレースだったと記憶しています。

さて、96年の話に戻りますが、一番人気はナリタブライアン世代の遅れてきた大物サクラローレルです。


今年の菊花賞馬アスクビクターモアの母の父でも知られているレインボウクエスト産駒の持込馬として日本でデビューしました。
デビュー戦は新馬戦も終わりを迎えそうな年明け3歳(当時の表記は4歳でしたが現在の表記に合わせます)になってからでした。
地道に条件戦を勝ち上がり、1年後に金杯で初重賞制覇を遂げると続く目黒記念でも2着になり血統背景からも一躍天皇賞のダークホースと注目されるようになりましたが、その後に骨折が判明し1年棒に振ることとなってしまうんです。

復帰戦は1年後の中山記念で9番人気の低評価を覆す後方一気の圧勝で、その後も天皇賞春、オールカマーと圧倒的な強さを見せ現役最強馬として天皇賞秋を迎えることとなりました。

一方、2番人気は当時27歳の武豊鞍上のマーベラスサンデーでした。


サンデーサイレンスの初年度産駒で、デビュー2連勝を飾ったもののこちらも故障で一年を棒に振りましたが復帰後は破竹の6連勝で天皇賞秋に臨んできました。

他にも前年の年度代表馬マヤノトップガンや、朝日杯の勝ち馬バブルガムフェローなど好メンバーが揃った一戦となりました。

私は当時、左官職人の見習いをしており少ない給料を握りしめて朝から競馬場に出向き、マーベラスサンデーの単勝2万円と馬連3万円分を買ってスタンドでファンファーレを心待ちにしておりました。

マーベラスサンデーは、当時の朝日チャレンジC(9月阪神)と京都大賞典を連勝していて秋2戦している馬は天皇賞では来ないなんてデータもありましたが、連勝の勢いで吹き飛ばしてくれると期待していました。

実際のレースはというと、戦前ハイペースが予想されていましたが思ったよりも緩い流れとなり先に抜け出したバブルガムフェローとマヤノトップガンをサクラローレルとマーベラスサンデーが追い詰める形となり最後は3歳馬のバブルガムフェローが1着となり蛯名正義(現調教師)が嬉しい初GI勝利となりました。

1着バブルガムフェロー
2着マヤノトップガン
3着サクラローレル
4着マーベラスサンデー

現在、競馬場での声援は禁止されています。
さらにインターネット投票が今のように普及していない時代だったので入場者数も今とは比べ物にならないくらい入っていて歓声は鳥肌ものでした。

早くまた、何の制限もなく競馬が楽しめる時代が来ると良いですね。

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