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Noism1 『Mirroring Memories―それは尊き光のごとく』

2018/4/28土 17:30- 東京文化会館 小ホール

演出振付:金森穣
出演:Noism1=井関佐和子、中川賢、池ヶ谷奏、吉﨑裕哉、浅海侑加、チャン・シャンユー
坂田尚也、井本星那、鳥羽絢美*、西岡ひなの*/金森穣(特別出演)
*準メンバー

00: 『Distant Memory』*新作
01: 『Nameless Hands—人形の家』より「彼と彼女」
02: 『Nameless Poison—黒衣の僧』 より「病んだ医者と貞操な娼婦」
03: 劇的舞踊『ホフマン物語』 より「アントニアの病」
04: 『Psychic 3.11』 より「Contrapunctus」
05: 『Nameless Voice—水の庭、砂の家』より「シーン9—家族」
06: 『ZAZA』より「群れ」
07: 劇的舞踊『カルメン』より「ミカエラの孤独」
08: 『ASU』(2015)「生贄」
09: 劇的舞踊『ラ・バヤデール—幻の国』より「ミランの幻影」
10: 『マッチ売りの話』より「拭えぬ原罪」
11: 『Träume—それは尊き光のごとく』*新作

一度観ただけではとても消化しきれない公演でしたが、今回は諸般の事情で残りの公演を観ることができないので感想を残しておきます。

2008年からの10年間に金森さんがNoism1と創作した10の作品の中から黒衣にまつわる10のシーンを選出し、新作で挟んだ作品。始まりの新作はワーグナーのリエンツィ、終わりはヴェーゼンドンク歌曲「夢」。音楽もめっちゃ私の好み。

小ホールの小さい舞台の上に、マジックミラーを使った舞台装置。最初はその中に10の作品の衣装を着たダンサーが並んでいて、小部屋に仕切られているようにも見えました。その中から数人ずつダンサーが出てきて過去の作品を踊っていく。私がNoismを見始めたのはさほど昔ではないので、見覚えがあるのは05以降でした。

オリジナルでは黒衣の人が踊っていなかったところも一部黒衣に置き換えられているということで、完全なる抜粋ではなく新たな解釈が楽しめるところも。というのは金森さんの言ですが、私自身は、濃密な作品が次から次へと断片的に現れる状況についていくのが精一杯。いつものことながら、金森作品は感情だけでなく感覚や知性を総動員しないと理解が難しい。それが楽しいところです。

リーフレットに載っていた金森さん自身によるテキストによると、恩師ベジャールへの想いから着想したそう。金森さん、ルードラの一期生なんですね・・・。ベジャールファンの方々は新作部分にベジャールの舞踊言語が出てくるのに感激したようです。私は歴史の浅いバレエファンでベジャールをあまり観ていないので、彼らと同じことを感じることはできなかったけれど。

過去の作品の断片を立て続けに観ていて、金森さんて何とストイックな人なんだろうと思いました。そして、真っ白な衣装の彼を観て「覚悟」とか武士道で使われるような言葉が浮かんでしまった。金森さん、カーテンコールでかなり激しく泣いていらしたそうですが、その涙の意味は何なんだろう。今までの活動を一旦精算するつもりではないですよね・・・?新潟市の財政悪化に端を発する一連の噂もあるし、胸騒ぎがします。

とても印象的な公演だったのですが、逆に、断片だけじゃなくてまるっとその作品を観たい!という欲求が。秋のROMEO&JULIETSはもちろん行きますが、初期の名作として名高い「人形の家」「ホフマン物語」など、再演の計画はないのでしょうか。

抽象的な内容になってしまいましたが、これ以上の言語化は難しく、本公演の感想はこれにて。

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