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四月大歌舞伎 夜の部 千穐楽

絵本合法衢千穐楽、いろんなものをうっちゃって観てきました。何とこれで三回目。

配役入りの基本的な感想はこちら

https://note.mu/kikoworld/n/n13c5d81f107c

さんざ迷っていたのですが、数日前に戻りで1階前方中央がぽこっと出てきたのでGET。無理はしたけど、でも本当に行ってよかった、と心から思っています。はー、すっかりニザ様に骨抜きにされました・・・。

唯一無二の仁左衛門さま渾身の大学と太平次と出会えたのはこの上ない幸せだし、彼らと今宵でお別れだと思ったら本当に本当に寂しくて。一瞬一瞬、逃さないように、全身全霊で舞台を観てきました。

結局3回観たこの公演、観るたびに大学之助はどんどん尊大に、太平次もどんどん狂気と荒っぽさが増していって、でも後者のコミカルでチャーミングな面も同じように大きくなっていって。ニザ様ご本人と役が同化しながら進化している感じが物凄く面白かったし凄いと思いました。

二役だし太平次は裏表を使い分けるし時蔵さんとの色っぽい絡みはあるし、で、ニザ様百面相を堪能。大学之助の尊大で凄みのある笑み、見栄切るときのドヤ顔、驚いたときの意外にカワイイ表情、太平次の悪事を考えているときの鋭い眼光、ほくそ笑む顔、時蔵さんとの絡みの色っぽい流し目、おとぼけ顔、悪事が失敗したときの「あちゃー」な表情、殺しの快感に酔いしれた狂った笑顔・・・これらの記憶、全部宝物。

千穐楽、ニザ様のアクションが少し大きかったように思いましたが(梯子からぴょんと飛び降りてたのはこの日だけだったような・・・記憶違いかもしれませんが)、三回観てもクオリティはほとんど変わらず。25日間一日も休まず、あの素晴らしい演技を見せ続けてくれたことに感嘆の念を禁じえません。動きも機敏でとてもあの年齢とは思えないし、いやいや凄い体力ですよね。

会場の観客の集中力もMAXだった千穐楽、殺されたばかりの大学之助がころりと起き上がって「本日はこれにて。」の挨拶で幕が閉じた後も終演のアナウンスをガン無視する形で拍手がなりやまず。・・・なんと驚いたことに、数分後に幕がもう一度開き、そこには大学之助姿のニザ様がお一人、真ん中に座っていらっしゃいました。観客は、私は歌舞伎では初体験のスタオベに。ニザ様、会場を感慨深げにゆっくり仰ぎ見て左右にお辞儀をし、最後に正面に頭を下げたまま幕。私の席からは、頭を下げたニザ様の肩が大きく震えているようにも見えたのですが、、、ご本人も何か感じることがおありだったのでしょうか・・・。

ニザ様、ほんとにほんとに素晴らしいものを見せていただき、どうもありがとうございました。これからの舞台も楽しみにしています。

孝太郎さんがご自身のブログに挙げてくださったカーテンコールの様子で締め。
https://ameblo.jp/takataro-kataoka/entry-12371426688.html

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