Hamburg Ballet / Das Lied von der Erde(大地の歌)
2018/6/30土 19:30- ハンブルク州立歌劇場
Music: Gustav Mahler
Choreography, Set, Lighting Concept and Costumes: John Neumeier
Tenor: Klaus Florian Vogt
Bariton: Christoph Pohl
Philharmonisches Staatsorchester Hamburg
Musikalische Leitung: Simon Hewett
Bouchet, Trusch, Azatyan
作品の詳細については、2016年の年末に観たときの感想をご参照ください。
http://kikoworld.blog.fc2.com/blog-entry-231.html
この作品は感想を書きにくい。終わって一番印象に残っているのは美しく凛々しいフォークトの歌声で、バレエの印象が薄いのです。前回もそうだったな・・・。
フォークト様は、ロイヤルオペラハウスのローエングリンの真最中で、次の日の昼からロンドンでまた公演。出待ちでお会いしたら、朝イチの飛行機で向こうに戻るっておっしゃってました。すごい強行軍だ。
でも、そういうお疲れをほとんど見せず、相変わらず澄んで美しい、しかしとても強い声がビンビンとオペラハウスじゅうに響き渡っていました。バリトンの方もよかったと思いますが、声量が物凄く違う。
フォークトは下手の端の演台で歌ってるんですけど、彼の声が聴こえるとついつい視線がそっちに行ってしまって。もちろん、フォークトのオーラが凄いのもあるんですけど、それに加えて、ダンサーのパフォーマンスが弱いなぁと思います。
今回も、主要ダンサーは同じキャスト。踊り込んで多少変わっているかな、と思ったのですが、あまり変化はなかったかも。この作品って、死への想いを描いてると思うんですけど、そういう感じがほとんどしない。トルシュ君のファンには本当に申し訳ないけど、この作品に限っては、彼はミスキャストだと思う。彼の持ち味は、真っ直ぐでエネルギーに溢れるキラキラした若さだと思うんです。ロミオやアルマン役なんかは彼のその持ち味が活きるんですけど、これはもっと内省的なことが語れる人でないと作品に意味が出てこない。そういう意味では、サーシャ・リアブコなんかは適役だろうに、、、と思ったら悲しくなってしまいました。パリオペではエルヴェ降板でマチューがやった役ですよね。マチューがこの中にいてくれたらどんなにいいだろう、と思ってしまいました。
パリオペ初演という意味では、この作品はセットも含めて「美」を重視した作りになっていて、パリオペの美しいダンサー達で観ると視覚的に楽しいだろうなぁと思いました。パリでご覧になった方の話によると、逆にパリのダンサー達はノイマイヤー言語が身についていない感じがしたという話もあり、なかなか両取りは難しいなあと思ったり。
ノイマイヤーのシルヴィアも、パリオペに創られた作品ですけど、あれをハンブルクで観たときはちょっとがっかりしたな。勿論ハンブルクのダンサー達はノイマイヤー言語が体に染みついてはいます。が、パリオペ向けに創られたものは、やっぱりダンサーの美しさが前提になっている部分もある。
昨年観たときにとてもよかったカレンとエレーヌはよかったけど、メインロールの影響は大きいなあ、とため息です。
まあ、フォークト様のお声が聴けたからいいか。というわけで、最後はとってもさわやかな終演後のフォークト様の写真で締め。
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