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東京バレエ団 セレナーデ/真夏の夜の夢

2018/4/28土 15:00- 東京文化会館

◆「セレナーデ」 —東京バレエ団 初演—

振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

上野水香、川島麻実子、中川美雪
秋元康臣、ブラウリオ・アルバレス

二瓶加奈子、三雲友里加、政本絵美、秋山 瑛
伝田陽美、吉川留衣、岸本夏未、金子仁美、加藤くるみ、波多野渚砂、
上田実歩、涌田美紀、安西くるみ、榊優美枝、足立真里亜、最上奈々、菊池彩美、
永田雄大、和田康佑、宮崎大樹、岡﨑 司

◆「真夏の夜の夢」

振付:フレデリック・アシュトン
音楽:フェリックス・メンデルスゾーン

タイターニア:沖香菜子
オベロン:フリーデマン・フォーゲル
パック:宮川新大
ボトム:岡崎隼也
ハーミア:吉川留衣
ライサンダー:和田康佑
ヘレナ:奈良春夏
ディミトリアス:森川茉央
村人:宮崎大樹、山田眞央、竹本悠一郎、海田一成、岡﨑 司
エンドウの花の精:中川美雪
蜘蛛の精:岸本夏未
カラシナの精:足立真里亜
蛾の精:秋山 瑛

指揮:ベンジャミン・ポープ
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
児童合唱:上野の森フェアリー合唱隊
協力:東京バレエ学校

初日に観てまいりました。

セレナーデ、とてもよかったです。最近バランシンは新国だよなぁと思っていたけど、東バの女性陣もテクニックが確かだしきれいにそろってるし、勝るとも劣らない出来でした。メインを踊っていた川島さんがエレガントで音楽的ですんばらしい!中川さんの強靭なテクニックにもびっくり。若手がどんどん育ってきているのは喜ばしい。上野さん、長い手足が活きてポーズなどは本当に美しい。個人的には、もう少しアームスが柔らかい軌跡を描いてくれる方がもっと好みではありますが。

秋元さん、踊るシーンが少なくて勿体ない使い方だなぁと思いましたが、実にエレガントでポーズも動きも「弦楽セレナーデ」の静謐な感じにぴったりでした。東バでこういう感じを出せる男性ダンサーって他にいないですよね・・・。彼をもっといろいろな役で観たいなあ。川島さんと雰囲気が合うと思うので、このペアでどんどんいろんなものをやってほしい。

ブラウリオは踊りのシーンは少なかったけど、美しい体のラインとエレガントな身のこなしで女性陣に優しく寄り添う感じが好感。彼はクラシックのテクニックは最高とは言えないかもしれないけど、彼がいることで女性陣がたおやかに美しく見える効果は絶大だと思います。

続いて、真夏。久々にフォーゲルがゲスト出演というのを楽しみにしていました。

フォーゲル、出てきた瞬間に、ああ王だなぁという威厳たっぷりで格の違いを見せつけてくれました。演技もコミカルな部分含めて、とってもよかったと思います。相変わらず体がとても柔軟でポーズが美しい。ただ、柄本さんよりは全然よかったにせよ、やっぱりアシュトンのあのリズム感は完全にとらえられていなかったように思いました。アシュトンの振付って本当に難しいんだなあ・・・。

わーん、スティーヴンのあの小気味よいリズム感が恋しい!バレエフェスはヤーナとドンキだという噂ですが、それは前にも観たからぜひ真夏を踊ってほしい。ヤーナもタイターニアはとても似合いそうだし。

フォーゲルに関しては、彼をよんでくれて嬉しいけど、もっと彼が活きる演目で観たかったよー!というのが本音です。オベロンだけで返してしまうの勿体ない・・・

沖さんはテクニック的には余裕しゃくしゃくという感じで若いのに凄いな、と思いました。最初の方は可愛すぎてオベロンの子供みたい、と思ったりもしたのですが、次第にフォーゲルに引っ張られるように堂々とした雰囲気になってきたのが印象的。最後のパドドゥはとても気持ちよさそうに踊っていて、フォーゲルってパートナーリングが上手いんだなぁと思いました。若いダンサーが世界のトップクラスのダンサーと共演する機会が与えられるというのは、とてもよい経験なのではないかと思います。

岡崎さんのボトム、12:00の講演より弾けていてよかった!四角関係の皆さんもよかったと思います。日本人らしく演技が控え目だなぁと思いましたが、このキャストは30日に二回目があるから、そのときにはもっと役になりきってくれるのではないかな。

シティフィルの演奏も、とてもよかった。弦楽セレナーデって凄くいい曲ですよねー。あれを生音で聴けるだけでも心のご馳走。いろいろ細かいこと書いてしまいましたが、GWの始まりに相応しい演目、公演だったと思います。

最後に、上野の森バレエホリデイについて。文化会館を中心にバレエ関係の小さいイベントがたくさん行われるこのお祭り、今年は出店だけでなくNoismの特別公演、西洋美術館のプロジェクションマッピング、などかなり大規模になってきました。有料イベントに参加しなくても無料イベントにふらりと立ち寄るだけでもいいし、屋外ステージでのパフォーマンスではバレエを観たことない観客もきて楽しそうに歓声を上げていました。バレエファンのすそ野を広げるためにも、とてもいい催しだと思います。開催の準備は大変だと思いますが、ぜひ今後ともこの方向で継続されますように。そして、メインのバレエ公演には是非、アシュトンの真夏を継続してほしい、と思います!

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