息をとめて地上を泳ぐサバの群れ

まったくやる気が起こりません。

なんにもやる気が起こりません。

ビートニクにつまはじきにされ、貝殻模様の雲に手を振る。バッタが飛び跳ね、早咲きの桜が花開く。
時は微熱で火照る日常。買い物の言い訳にカステラを追加でかごに放り込む。

なにもしなくていいんです。なんにも。
界隈の辻褄合わせのための共通言語収集に躍起になる青年の空洞に誘い涙が落ちる。
叙情的にもなれず、形骸化されたアクションヒーローよろしく雪降るくらいで交通パニック終わってるインフラに声の矛先は無神論者達の並列に揃えられた野次の嵐。

型を外れるという道を恐れ怪我を恐れやみくもに安全を遵守する人生に色が落ちないのは当然で、キスさえもデフォルメのパターン化に落ち着く。形あるものすべてが形で出来ていてトランスフォームするボタンは錆びて固着している。いつかいつかは日々に消え絶え絶えにコピー用紙の2枚目と3枚目みたく重なった他人と自分の差異は消えていく。


蛙が溺れるような沼に時々ハマり、不定期にハマり、その沼の滑りのような薄暗さがみぞおちの下あたりにズーンと響く。そんな時に江戸アケミの声を聞きたくなったりする。無性に。
救いようのない声ですくい取る。答えはいらなし知らないし、どこへもいかないし何もしないし。生命の発生源に思いを馳せるたびに旅に出るかのごとくこの日常というテンプレ化の渦に人々の魑魅魍魎的言語のノイズ化を儚む。


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