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ネタバレいっぱい海神再読第四回 一章2.尚隆は何故、漉水の治水の裁可をくださなかったか

あらすじ:二十年後、朱衡・帷湍登場。尚隆と六太に漉水の裁可を求める。

●尚隆は何故、漉水治水の裁可を下さないのか

二十年後、王宮。緑の増えた地上を雲海の上から見下ろす六太。尚隆の側近、朱衡が苦情を述べる。
朱衡の苦情の要点は三つ

①尚隆が漉水の治水の裁可をくださない。(「治水が至らねば台輔がただいまお喜びの緑の農地も、悉く沈んでしまうのです」)

②尚隆が朝議に来ない。本来毎日(月に三十回?)あるはずなのを月に十度にしたのは尚隆なのに、月に一度しか来ない(ちなみに六太は四度しか出てない)。

③いま朱衡がここにいるのは、尚隆の方から奏上の時間を指定したからなのに、肝心の尚隆が来ない。

…特に③はまずいんじゃないだろうか、社会人としては。

一方、苦情に対する六太の答えは

六太)そういうことは主上に言ってもらわないとなー(どこにいると聞かれて)おれに訊くな
六太)あいつはそういう奴なんだってば。ほんと、出鱈目なんだもんなー

コミカルな調子で書かれてるけど、王のよくない態度に対する麒麟の対応としてはかなり異質(景麒や廉麟や大人泰麒なら自分でも王を追っかけ回して追求しそうだし、雛泰麒や供麒なら泣きだしそう…)。
六太、見かけは子供でも実年齢は三十三だし。
海神は十二国記としては三作目なんで、読者は皆五百年後の延王延麒を知っているから、メタ的に安心してギャグとして読んでるけど、未知の王と麒麟だったら書き方によっては怖いシーンかも。
あと、①の作中何度も言及される話題、尚隆はなぜ漉水の治水を妨害したか?はここからもう出てる謎なんだよね。

そこへやってきた側近の帷湍も怒り狂って尚隆を探しに行き、六太は朱衡から書き取りの罰を受ける…なんのかんのといって朱衡も六太を子供扱いしてますね。

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