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ネタバレいっぱい海神再読第十九回 四章3.小松尚隆登場!

あらすじ:六太はかつて王の選定から逃れようと日本に渡り、小松尚隆と出会った。

●少春

二十三年以上前、蓬山。
少春は梟王に村を滅ぼされ、生き残った子供の口べらしになるために自ら昇仙した女仙。飢えた少女が折れた柱を支えて不眠不休飲食を断って二日って、普通なら死ぬような自己犠牲を認められたという事?
梟王に村を滅ぼされても次王に素直に期待している少春に対し、六太は王=権力者というものを拒否して家出。同じように圧政の被害者であっても六太のトラウマは少春に共有されない。六太は王探しだけでなくこの孤独からも逃避したのかも。
過去の圧政のトラウマが周囲と共有されない孤独…というと六章2の斡由と類似してる?

●小松尚隆

二十年前日本、小松。蓬山を出てから三年間日本を彷徨ってた六太は瀬戸内で小松尚隆に王気を見出す。尚隆の王気は明るいものだったけど、驍宗みたく怖いのだったらどうなってたことか。尚隆、態度は明るいけど言うことはかなり暗い。

尚隆)二番目(の兄)は河野へ(人質に)行っていたが、爺が冥土の土産に一つ島を掠め取ったせいで殺された

これは引っかかる…祖父が次兄でなく尚隆を跡継ぎにしようとして、次兄をわざと犠牲にした、とか。少なくとも父にはそう思われてる、とか。その後自分の子でない子のことを明るく話すけど、子の父が自分の父と知ってることが六章でわかる。普通激怒する様な仕打ちを受け入れてる…父に凄い負い目を負ってるとかでないと納得いかないんだよな。
…爺が跡継ぎにしようとした三男を跡継ぎにしないために四男を、と父が思ったにしても、再婚する代わりに三男の嫁と、てのに凄い悪意を感じる。なのに戦は尚隆に任せてて。これは尚隆は爺の子とでも考えないと理解出来ない。尚隆の父への負い目、最初から自分を投げてる様な明るい虚無感の理由、とか。(暴走してます…)

尚隆の嫁、海賊の家柄が嫌で夫を拒んだお姫様がその父を喜んで受け入れたわけないと思う。義理の親と、って昔でもスキャンダルだし。婚家で唯一頼れる夫を退けたのを嫁は後悔したろう。尚隆…! (尚隆を拒否したから仕方ない?で他に頼りのない人を放置して死なれてまた負い目を背負うんだろうが!)

●小松尚隆の理想

尚隆)戦わなければいいのだ。小早川が攻めて来たら諸手を挙げて小早川の民になる

敵が強くて自軍に勝ち目がなければ民を敵の民にする。小松で出来なくて元州でやった事。 小松尚隆は時代や立場を考えれば異様なほど非戦闘的な人間だった。六太はこれでもだめ?王が常勝の将軍とかでなくてマジ良かったね。

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