ストールブレイカーを振り返って

ミラミラとして初めての他団体との合同企画、ストールブレイカー。魔女集会でご一緒したこいろはさんとの2度目の共演。

私が担当することになったのは

“Staff”

どのキャラクターでもなく、登場人物であってキャラクターになってはいけないと言う難しい役割でした。

ストールブレイカーにおけるスタッフとは何だったのか、他の役者や視聴いただいた方々から多くの考察と意見があるなか、私は未だよく理解できていない部分が多く、そういった物語の趣旨であったり意味であったりを考えることが自分が成長する為の課題であると思いました。

しかし作品理解とは別に、しばらく考えてしまっていたことがありました。
カインコンプレックスとして進行するはずだった物語はどうなってしまったのかというところです。

正直なところ最初はスタッフ役として出るのでストーリーが最終的にどうなるかなんて分からないし、考えるよりも気持ちを作ることの方を優先させるべきだと考えていました。
スタッフという役に徹するだけなら、それで良かったのかも知れません。

しかし最後の最後で、他の役者たちが自分たちはどう掛け合いをするか、どんな気持ちで挑むかという話し合いをしているところを見て、自分にそんな話ができる役を持っている人が他に居ないことに気付きました。なんとも言えない孤独感、本来持ち合わせる必要のない感情をそこで入れてしまいました。

そしてもうひとつ、これがカインコンプレックスだとしたら、人知れず物語に取り残されてしまったキャラクターを知っているのでよりしんどくなりました。
Cの元となったクロケルというキャラクターには、エクリュという弟が居ました。
私は劇突でそのエクリュを演じました。
人間界に逃げ込んだクロをわざわざ探しに来るくらい、兄弟のことが好きな悪魔でした。
今回ストールブレイカーの物語の冒頭がカインコンプレックスの世界なら確かに彼はどこかにいるはずだと思います。そんな中突然クロたちだけ物語から消えてしまい、実質カインコンプレックスは成立しなくなってしまいました。
物語に取り残されたエクリュは今回のクロ(C)たちをどう見るのか、そんなことを考えているうちにだんだんと気持ちは自分からエクリュに移っていってしまい、結果最後に出来上がったのはスタッフとしての気持ちを作れていない、役者というにはあまりに歪な人でした。
自然な感情はのせられていたのかもしれません。
しかし役として必要なことでは無かったと思います。
キャラクターに感情移入をし過ぎてはいけない、それも今後の課題であると感じました。
今回のストールブレイカーでは、今後の課題が多く見つかりました。
それらと向き合わなければまた同じ気持ちになる。
今後はそれを乗り越えるためにどうするかを考えながら、次の舞台に立てるよう頑張りたいと思います。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?