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少年獣医師

動物病院を売って2年4ヶ月ほど、その後は顧問と診療のヘルプとして関わっていたが、その契約が終わって1年が経った

そこから1年ほど雇われ院長として勤務しているという現在地点である

動物病院の経営者で大勢のスタッフをマネジメントしていた頃は、スタッフのことで毎日悩んでいた

立場や状況が変わった今、スタッフのことで悩むことはほとんどないけど、やっぱり悩みは尽きないものだ

今は雇われ院長という立場なんだけど、経営者であり院長という立場とは大きく違うということを痛感している

その違いは良い面もあれば悪い面もある

良い面は借金とかお金の心配をしなくていいということ、何か問題が起こっても最終責任は自分が背負わなくていいということなど

悪い面は自分が決められないということ

どちらもやる前から分かっていたことなんだけど。。。


経営者時代にいろいろな経験をして、いろいろ学んだので、悩みにぶつかっても自分でどうにかできるようにはなったと思う

そういう学びの中で、自分自身の内面と向き合うことが多かったので、自分のことが前よりも分かるようになった

僕は50歳になっても、中身は少年のままなのだ

何でも自分で決めて、自分の思うようにやりたいのだ

家でも小1の息子にまで「パパは子供や」といじられる

そう言われて違和感がないし、嫌な気持ちにもならない

妻も子供たちも、そんな少年のことを認めて受け入れてくれているように思う


少年は興味を持ったことにとことん没頭する集中力やパワーがある

それを発揮して、何かをやり遂げたいという気持ちはまだ衰えていない

でも、誰もが少年のことを受け入れてくれる訳ではない

大きな動物病院の経営者だった時も、スタッフ全員がこんな院長のことを受け入れてくれた訳ではなかった

こんな少年を雇用することは骨の折れることだと思う

自分が活きる環境に身を置き、少年のみなぎるエネルギーを爆発させたいと思うことはある

それが次のフェーズであり、そんな日が来るのはそう遠くない気がしている

今思っているのはそういうことだ



今働いている動物病院で好きにやらせてもらっていていることがある

それは犬猫の混合ワクチンについての方針を僕の考えに合わせて変更したことだ

簡単に言えば「混合ワクチンは生活スタイルを考慮して、接種するかどうかを決めればいい」という方針だ

飼い主は飼い犬に対して、毎年1回、狂犬病ワクチンを接種させる義務がある

でも、混合ワクチンはそんな義務はなく、接種するかどうかは任意である

そこを混同してか、混合ワクチンも毎年1回接種しなければならないと思っている人が意外に多い

動物病院も製薬会社もそれが当たり前だった方が儲かるのだ

だから、その誤解を訂正する専門家が少ないのかもしれない



コロナ禍になって、コロナワクチンが始まって、ワクチンによる薬害問題が起こっている

コロナワクチンがすごいスピードで世に出たことに僕は疑問を感じ、接種は見合わせて、いろいろ調べた

そして、コロナワクチンは人々の健康のために作られたものではないという結論に達した

それをきっかけに、犬猫の混合ワクチンのことも考え直すようになったのだ

 *それについては、病院のブログに書いたので参照してほしい

https://note.com/petwell_clinic/n/nfda30ca761d5


今勤務している病院ではワクチンを打つ前に飼い主さんと長く話すことが多くなった

本当に混合ワクチンが必要か?

接種するのであれば、接種の間隔はどうするか?

しっかりと話を聞いた上で飼い主さんと一緒に考えて決めるようにしている

そういうスタンスなので、自分に正直に生きている感じがするし、後ろめたさがないし、スッキリと晴れやかな気持ちで診察ができる

ワクチンの診療報酬が減るので会社としては痛いと思うが、それを理解して認めてもらっていることに感謝している

これからも、このスタンスで獣医師を続けていきたい

いつまでも少年獣医師でありたい

ワクチンだけでなく、全ての医療行為について、今までの常識は一旦置いておいて、一から考え直したいと思う

本当にその医療行為は犬猫と飼い主さんを幸せにするのか?

そういう疑いの目を持ち続けたい

でも、それを言い訳や逃げ道にして腕のない獣医師にはなりたくない

獣医療の勉強も続け、知識のアップデートは欠かさないつもりだ

50歳にして、気持ちを新たに、もう一度いい獣医師を目指そうと思う


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