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夜明け前

鏡に映った自分を見ているはずなのに
全然知らない別人を見ているような、違和感があった。

このままじゃあなた死んでしまうよ
早くまた病院に行った方がいいよ

そう鏡の中の人物に言われているような気がしてしまい
怖くて直視できない。

もう数か月
顔の酷い湿疹と微熱が続いており
脇にはビー玉大のリンパの腫れができていて
学校を休みがちになっていた。

何件病院を回ってみても

風邪でしょう
湿疹でしょう
疲れでしょう

と流されて
風邪薬やステロイドの塗り薬を出され続け。
まだ10代だったので
こんな若い子がそんな大病のはずはない、という先入観が
医者側にもあったのだと思う。

鏡の前に立つ度に
生命の危機について誰かから警告されている気がしてしまい
そのことについて
親に話すべきか迷った。
自分自身いつまで経っても回復しない身体が恐ろしく
医者のいうとおり、ただの風邪や疲れだと思い込みたかったのもある。

次第にぐったり動けない時間が増え
親の顔にも焦りや苛立ちが出始めた。
初めに行った近所の病院に再度行ってみようという話になった。

まだ治りませんか?
長引きますね・・・
念のため、血液検査をしておきますか?

この検査から
一気に本当の病名に近づいていくことになった。


紹介状を持って大学病院を訪ねた時
もう私は自力で歩けないほど弱り果てていた。

地元の病院で
検査結果から考えられる病名について告げられ
意気消沈して精神的にやられ始めていたのもある。
当時はまだネットなんて便利なものは普及していない時代で
マイナーな病気のためたいした情報もなかったけれど
親の知り合いが若い頃にその病気を発病して
あっけなく亡くなっていた。

順番が回ってきて診察室に入ると
私を一瞥した教授が

典型的な〇〇だよね
こんなになるまでここに辿り着けませんでしたか

と言い
付き添っていた親が先に
わっと後ろで崩れるように泣き出してしまった。

多分入院になると思うと地元の病院で言われていたため
前もって少し準備はしていったものの

もう帰宅しないでこのまま即入院して下さい

と実際に言われた時は
何か悪い夢の中にいるような
現実なのか非現実なのかわからないフワフワした状態。
涙もでてこない。

実家から遠く離れた大学病院で
そのまま五ヵ月弱入院することになった。



私はスピリチュアルや占いに詳しくありません。
小学生時代は夏休みに「あなたの知らない世界」を観て震えていたし
霊視や占い番組を興味本位で観ることはありましたが
それはあくまで娯楽としてであり
深く信じたり影響されるということもなく生きてきました。
病気について語ってしまうと
それが色んな勧誘と結びついてしまうこともあったので
自分は何も信じない、縋らない、と
頑なになっていたところもあります。
生真面目に生きてきた自分が若くして病気になったことで
神なんていない、いてたまるものか
と本気で思ってもいましたね。

それでも
この四半世紀近く前の発病時の鏡の前での違和感に始まり
その後も何度か経験した、命に関わるレベルの事態が近づいている時は

・家で誰かからの視線を感じる
・一日中エンジェルナンバーを見続ける
・風呂場の給湯器のアナウンスが誤作動する
・コピー機の電源が勝手に入り動き出す
・車が壊れる(主にエンジン絡み)
・電化製品が壊れる

という現象が毎度起こり始めるのです。
誰かが必死に私に警告を出してくれている、という感じで。

私を見守り窮地で助け船を出してくれる
目に見えない存在がいるのではないか、ということだけは
確信を持っています。

その他にも

幽体離脱したり
人が蜘蛛の糸みたいなもので天から吊られているのが見えたり
地域やお店、神社仏閣により、合わなくて行くと体調崩す場所があったり
人の生死に関わる直感が当たってしまったり

思い返してみると
不思議な経験を数多くしてきているくせに
目に見えてきちんと論理的に説明がつく事柄以外は
追及しないようにしてきました。


今年に入り
急に過去の嫌な思い出を反芻してしまうようになり
意識が、今現在、にまったく向かないような日々を過ごしていました。
メンタル系の病院に行く前段階で何か打開策はないか考えていたところで
知人の勧めで初めて占いの個人鑑定に行きました。
正直、やけくそ状態で冷やかし半分でした。

その際
何かSNSでアウトプットするような活動をした方が良いと言われ
とりあえずnoteを始めてみることにしました。
引き続き絶賛病み中だったので
過去の陰鬱なことばかり書きたくて仕方なく
誰かと交流する気もまったく起きなかったものの
いいね!してくれた数少ない方の投稿を見にいくうちに
猛烈に惹かれた方がいました。

私が現在進行形で考えていることや悩んでいることの解決策のヒントが
記事として次々にアップされ

え、私の心が視えていますか?

そんな感覚でした。

最初の占いから一か月ほど空けて
別の占い師さんのところにも行ってみた時に

あなた今は引きこもって誰とも交流していないみたいだけど
近いうちに、何かコミュニティ活動とか楽しくやりだすかもね

と言われました。

絶対そんな面倒な交流しないし
お金詰まれてもコミュニティ活動とかやりたくないわ

と内心苦笑していたものの
こうやってマガジンに参加させていただくことになり

あれ・・・コミュニティってこれのこと?

とびっくりしています。


5月は個人的に色んな気づきや心境の変化があった月で
体調を崩したことをきっかけに
何かに憑依されたかのように執着し反芻していた過去が
心底どうでもよくなりました。

自分に与えられた有限の時間やエネルギーを
意味あることに有効に使いたい

いつかいつか、と言っていたら
そんな日は永遠にこないかもしれないから
できるうちにやっておくべき

最期を迎える瞬間に
自分の人生に納得をしていたい
(今のままでは到底無理)

と久しぶりに気持ちが、今現在、に戻ってきています。

体や心を病むことは
とても苦しく悲しいことではあるけれど
必ず何か気づきや成長があると、経験上、思っています。
何か意味を見出さないと
病と対峙してやり過ごしていけないだけかもしれませんが・・・
破壊→再生復活の浄化の過程のような

一見失うばかりに見えて、新しい何かをしっかり得ている

そんな感覚があるのです。

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