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コラボあれこれ

久しぶりのnoteです。
稀に、本当稀にですけど、企業とのコラボに関して質問をいただくことがあるので書き綴ってみます。そもそもあまり話しかけられないタイプではあるので、興味はあるけどって方は、こっそりこちらを覗いてみてください。

僕は長いことキャラクターデザイナーと名乗ったり名乗らなかったりしているのですが、まぁそこは何者でも良いと思っているので気まぐれで表現が変わったりしています。
長いことやっている割には未だに知名度も低く、僕のことを知っている人や追いかけてくれている人は極々一部の方だと思っています。そんな中でコラボキャラクターを世に出せているのは傍から見ていると不思議に思うかも知れません。不思議ですよね。僕も不思議に思っています。

始まりは突然に

フリーランスになって間もない頃、IPに強い会社と仲良くさせていただくようになった辺りからキャラクターライセンスの世界に興味を持つことになるのですが、そのタイミングで運良く手塚プロさんの企業向け説明会?みたいなものに同行する機会がありました。
その中で今ある財産を生かすには?みたいなお話があって、コラボもその一つでした。
コラボは既に始まっていて、僕の記憶が正しければ、play set productsさんが先駆けってイメージですが、これはもしかして自分にもチャンスがあるかもとドキドキしたことを覚えています。
早速帰りながら構想を練って、提案用に莫大な量のキャラクターを描きました。それが「手塚×箱氏」というキャラクターなのですが、周りの方々の協力や手塚プロさんの懐の深さで世に出ることとなり、タイミングやそれを活かすスピード感って大事なんだなと思った記憶があります。

手塚×箱氏 ©Teduka Productions/Kikkawa Keita

当然ですけど余程のことがない限り、企業からコラボの話がやってくることはありません。ましてや僕みたいな無名の自称キャラクターデザイナーだと待っていても死ぬまで来ないでしょうし、実際声をかけられた事は一度もありません。
意外と勘違いしている方が多い印象がありますが、待っていても来ないです。あくまでもこちらからの提案が基本だと知ると動き方も変わってくるんじゃないかなと個人的には思っています。勿論やりたければの話ですけど。

すごい! じゃあ自分はどうしたい?

企業とのコラボはインパクトも強く派手に見えるので、すごいですね!と言っていただけることが多いのですが、すごい!で終わると人によっては勿体ないのかなって思うこともあります。
勿論、向き不向きや作家としての立ち回りによっては得策ではないとの判断もあると思います。
僕はアーティストではなく、理想はちびっ子に届けーって意識でやっているので向いているタイプなのかなと思ってはいますが、そこは自分に置き換えてみて、コラボに挑戦したいと思えばやってみるのもいいですし、ヒントが欲しいなって思えば僕に声をかけてくれても良いです。

因みに僕の場合

て事で僕の事例を書いてみたいと思います。
手塚プロさんとのコラボ後に若かった僕はこんな風に考えていました。
「えー、じゃあ水木プロさんにも行きたい」と。
手塚治虫先生の作品に関しては知っているつもりが意外と知らないことも多く、そのため苦労した部分もあったりなんかと、その事が課題として残ってしまいました。
そこで子供の頃から大好きだった水木しげるさんに想いを馳せつつ、同じ時代に生きた証としてのコラボの実現を目指そうと。
そんな風に思ったわけです。

で、僕がどうしたかというと単身乗り込んじゃいました。
対プロダクションだと個人との契約はしないところも多いので只々不勉強だったのですが、アポを取って話を聞いていただいて提案してってところは全て一人でやりました。無知って素晴らしいですね。
そんなこんなでコラボキャラも面白がっていただいて展開する運びとなったのですが、このご縁が後に大きく膨らんでいきます。
ある時不意に、水木プロさんから「デザインは出来ますか?」とご質問をいただいた事があります。僕はフリーになる前は広告代理店でグラフィックデザイナーをやっていたのでそれをお伝えしつつ、ポートフォリオなんかを送らせていただきました。
その時は何もなかったのですが、後にゲゲゲ忌にグラフィックデザイナーとしてお声をかけていただき、ロゴや諸々の印刷物のデザインのお仕事をいただきました。それから毎年お声をかけていただいているのですが、今年もあると良いなぁと毎年秋にかけて思ったりしています。

ゲゲゲ忌ロゴ ©水木プロ


そんな中、水木プロさんから公式を描かないかとのお話をいただき、恐れ多いと思いつつもお請けしました。これが確か5年くらい前のお話なんですけど、そこから月日が経ち、去年Can★Doさんで全国展開されたとのお話をいただいた時には少しだけ涙が出ました。
僕はお請けする際こんな風に考えていました。「やるからには貢献したい!」と。そんな思いがあったのでこの5年間は本当に心苦しかったです。今では数社から商品展開されるなどしており、その現実にホッとしつつ見つけては買い漁る日々です。

ゲゲゲの鬼太郎 公式アート ©水木プロ

そして今年、とんでもないことが起きてしまいました。
いつものようにメールチェックをしていると東映アニメーションさんからのメールが届いており、何だろうなーと思いながら開いてみると鬼太郎EXPOへの参加のお誘いでした。お話によると水木プロさんからご推薦いただいたみたいで身に余るお誘いに震えましたが、勿論参加させていただくこととしました。
そんな僕が描いた作品が「Dots and Lines」です。みんな、見に来てね!

Lines(Dots and Lines)

最後に

最後は少しだけ宣伝になってしまいましたが、ここまで10年以上かかっています。
結局のところ僕が言いたいのは、思いついたら行動してみるってこと(これは自分にも向けています)。メールでも良いので送ってみると良いかと思います。大きなところでも意外と返事が返ってきたりしますよ。勿論良いお返事とは限らないですが。
あとは、やりたい事がある内は辞めないことです。そうすれば点が線になることもあります。

はてさて、拙い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
核心についてはさほど触れていないので、興味がある方はお会いした時にでも。

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