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オンライン上の信頼関係構築で実践したいこと

《enPiT everi オンラインフューチャーセッション2021》「コロナ状況の元、テクノロジーの活用や新しいつながりから、どのような未来が出現するのか?」というテーマで開催された《enPiT everi オンラインフューチャーセッション2021》。

「繋がり方・生き方・働き方・社会デザイン」の4つの視点で分科会を開催。私は新しい繋がり方を担当。「オンラインで信頼関係を構築するには?」というテーマで、ソニックガーデンの倉貫義人さんにインスピレーショントークをお願いした。その後のワールドカフェでも約80人の参加者と対話をし、これまで考えていなかった視点を多く拾えた機会だった。まとめではなくて個人的な発見をつらつら。

実践したいこと
・関係性のベースを捉える
・強味・弱味・ビジョンを共有する
・とにかく話す機会を持つ
・リアルから抜け落ちた機能を拾う
・発信して存在する
・オープンで流動的である
・選択する
・大切なもので繋がる

「仕事上の信頼」

信頼貯金を貯めるには、大きな約束より小さな約束を守ることで、仕事を任せられる信頼感を得られるというお話。倉貫さんにはリモートワークのことを話していただいたので、当然と言えば当然だが、まず私は”仕事上の”という部分にはっとさせられた。

なるほど、確かに仕事上とプライベートの信頼は全く別物かも知れない

他者と協力して物事を進める上で信頼関係は不可欠だが、仕事とプライベートが一体になったような職場や組織、または一期一会の場では、この法則をそのまま当てはめることはできそうにない。そもそもそんな場では仕事の定義もあやふやになってくる。

「事ベース」の関係性か「心ベース」の関係性か

で分けて考えてみる。「事ベース」の関係性は成果物が中心に来る場合。「心ベース」の関係性は、誰と一緒にやるか、どのような方向に進みたいか、プロセスによって紡がれる。どちらのパターンの関係性の上にやることが乗っているのかによって、信頼関係を築く要素が異なってくる気がする。

「事ベース」の関係性では、成果を出すために小さな約束を守ることが大事になってくる。

「心ベース」の関係性では、小さな約束が守られた事実よりも、いかに心がうごかされたか、楽しくできたか、ということが大事になってくるので、毎回会議に遅刻してくるけど面白いアイディアをぶち込んでくる人だって信頼を得ることができる。私に対する態度はひどいけど、動物を救いたい気持ちは本物だ!なんてこともあり得る。

強味・弱味・ビジョン

安心して関係性を発展させていくためには、この辺を知っているとバランスがいい。過去と未来とも言えるかもしれない。人は人を立体的に把握したいものだ。チームビルディングの必須要素。

話すことが信頼関係の元

人間は結構話をしないと不安になるのではないか。自己理解・他者理解の大切さは分かっているが、自己も他者も全然理解できてないことに日々驚くばかりだ。普段よく話す人でされ、自分の意見に賛成してくれるのか、どんな反応をするのか、核心は持てない。

話をすることで、個人で進めていることにズレがないか承認を得ることができる。情報交換し続けることで認識のズレをみんなで微修正し続けるプロセス。認識がズレまくった信頼関係なんて、ないだろう。

何度も顔を合わせる

倉貫さんが、しょっちゅう合ってる人は勝手に信頼を覚える脳の構造のことを教えてくれた。月1の2時間ミーティングより、日々の10分ミーティングの方が信頼感を高められるということ。他者の反応を頻繁に確認できるという点で、認識のズレを解消することにも繋がりそう。

「リアルでもオンラインでも手段が違うだけ」

「普段やっていること、大事にしていることを変わらずにやっていくことが大事」。その通りだと思う。ではその手段は?

私たちは、リアルの生活のなかで”いい”あんばい”を身に付けていて、きついことをいいつつ、最後は笑顔で柔らかさを出す、普段一緒に仕事しないけど、挨拶はして顔見知りの関係をつくっておく、みたいな高度なことをやっている。普段の何気ない行為(微笑みかけるとかお菓子あげるとかこそこそ話とか)ができないリモートワークで、これらが担っていた機能をどこに担ってもらえばいいのか。

オンラインだと発信しないと存在感が出せない

発信しないといないのと同じ。だから、たまに無理やり出現させることにも一理ある。発信が苦手な人は、自分ではやりきれないのだから。発信方法を学んでもらうことも必要だろう。そして、何度も存在感を示すことで、その情報を受け取る人は「しょっちゅう合ってる人は勝手に信頼を覚える脳の構造」を働かせるのかも知れない。

まだらな関係

これはこれからの社会構造の話。均質じゃないけど対等。そんなまだらな関係性の上を、各自がバランスを取りながら進んでいくようになる。そうすると単体移動が怖い人向けに、コミュニティはますます必要になってくるのではないだろうか。そしてコミュニティは単体移動を繰り返すグラスホッパーたちに開かれていることで、他コミュニティとまだらな関係を維持していく。

何のためのリアル?

わざわざオンラインで・わざわざリアルで。

これまで選択肢がなかったところに、選択肢が生まれた。だからこれからは意図を持って選択していかないといけない。バラだってひまわりだって嬉しいけど、どうしてそれを選んだのかは、知りたいよね。

オンラインで濃い経験を創れるか?

オンライン会議は記憶に残りづらいのは私だけじゃないはず。内容は覚えていても、思い出ではなく情報として処理されてしまい、副次的な情報は記憶から消去されてしまう。

信頼関係を深めるもう一つの要素として、”濃い時間”を一緒に過ごすというものがあると思う。一時流行った100kmウォークの新人研修のように、濃い時間は脳みそに何かしらの刺激を与え、あの時こうだったからという記憶は長いこと頭に居座って、人を「信じてみよう」という気にさせるのだ。

情報として処理されないオンライン体験は可能だろうか。

雰囲気の幻想を超えて

オンラインの利点のひとつに、雰囲気にのまれずに済むということがある。裏を返せば弱点でもあって、リモートワークしかしたことのない新人が会社の空気をつかめずに双方困っているということもあるらしい。

「染まった」人は大丈夫だろうというのは、良くも悪くも日本的。雰囲気の幻想を超えて、大切なもので繋がる関係を構築した方が弊害が少ない気がする。




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