召しませナイトクラブ 感想文

召しませ!ナイトクラブを読みながら書いたオタクの妄言の記録。
考察のようなものも含まれています。
ニキと燐音のカップリングのオタクが書いているので、そういった目線もはいっているため苦手な人はスルーで。

書いている人間は大学でメディアとジェンダーみたいな論文を書いたりしていたタイプの、同性愛者自認の女性です。マイノリティ論についての考察をたくさんしているので、念のため。

プロローグ

これ、脱衣麻雀修正の歴史を知らなくても「燐音がニキのうなじに興奮している」ことが明確に示されたテキストだから怖い。
バリカン持ち歩いてる燐音、何?
簡易の麻雀セットと一緒に持ち歩いてるってこと?
「これで髪の毛が入らないように~」って気を遣ってるニキの姿を見てきた人間の発言。
俺っちは いつも 愛する ニキ のことを 考えて
「長い髪の隙間から『うなじ』をちらちら見せて俺っちを誘惑できるのも今日が最後だぜ」一字一句諳んじれるようになっておきますね。
ニキ、これに対して「燐音くんを誘惑した覚えはない」「そっちが勝手に興奮してる」って返してるし、この返しはなんだろう、ちゃんと性的興奮として捉えてんだよな。

『公共』が俺たちに何をしてくれた?(マナーを守りおりこうさんにすることに何の意味がある?)の態度、燐音の基盤として大切にしてほしいのにひっひしか書いてくれない。辛い。

こはく→燐音 口ばっかり達者 実力行使(暴力)が有効
燐音→こはく かわいい猫耳つけて『ご主人たま♪』って呼ばせてやる!

なのすげえ~~~~~~~~。燐音、ホットリミットでキスは結婚してからと発言→公式のエイプリルフールでネタにされたから貞操観念固めの設定見ることが多いけど、エイプリルフールは基本公式の悪乗りだと思っているので、HLの発言ひとつだけでは燐音の貞操観念を図るのが難しい。
でもこはくへのこの発言とか、ニキへの情欲を滲ませた発言、(修正されたけど)UNDEADへの枕営業発言を踏まえると、いい経験じゃなかったのかもしれないけど、童貞って可能性は薄くない?と(処女も然り)
HLの発言解釈はHLでやれって話なんだけど、キスに関しては「(愛するニキとは少なくともorひとの前では)結婚してから」なのかなあって思ったり。さすがに無ってこたあねえよあのクソみたいなあんスタの社会で。

店長、ニキに一応「静かにしてもらって」「仲間に引きずられてサボらないで」みたいな軽い説教はしてんのかな。シナモンがニキにいくら給料出してるのかしらんけどアルバイトならまあ予想つく範囲だし、新メニューとか調理厨房フルでとか色々バイトの範疇超えたものをやらせてるっぽいし、持ちつ持たれつなのかね。(どれだけまかないを食べても給料から天引きされない話がその後出てきたので、シナモン側が割食ってる気がする。)

まだソロでやっていこうとしてるHiMERUかわいいね(サドンデス読了後方腕組オタク)
「雑魚をニキくんって呼んじゃ駄目」よくあるネットの定型文だからさらっと流せるタイプかと思ったら、ちゃんと椎名の自己肯定感のところに触れててマジでこの椎名の味が好き。ありがとひっひ。

ゆうたくんがシナモンに殴りこんでくるところ、クレビのたまり場だってみんなにバレてるのかわいいねってなった。椎名のバイト先に入りびたるクレビかわいいし仲良いじゃんよ。

第1話~第2話

ゆうたのテキストで語られてるように、クレビ、一応正式に各方面に謝罪してるんだよね。
風潮が後押しするくらいには謝ってるし、反省のポーズを示してる。
まあたぶん燐音がやったんだろうけど、「大人」なのよ。

ゆうた→勝手に居場所を決められちゃう
「欲しい」って求めてくれたひとのところを自分の意思で選ぶ。
ふたりでひとつ。ふたりがかりだから誰にも負けない最強の個人になれる。
だから、ユニットとして認められても自分ではない誰かのように感じてしまう。

居場所論、本当に好き。自分を求めてくれているひとを居場所にして良いにたどり着けている高校生、強いぞ。

毎日三食、ごはんは家族と一緒にを、高校生にもなって、いつの時代の価値観?と揶揄してるあたり、ニキが高校の歳になってからはごはんをいっしょに食べることは減ったのかなと思った(燐音もアイドル始めただろうし、ニキも料理人やってただろうから)
もしくは家族そろって、父から先に、みたいな家父長制の家庭における食卓を想定しているのかな。

燐音→現代日本では家族より個人の幸せが優先されて当然。「お兄ちゃん」も個人的な幸せや楽しみを求めていい。憲法が自由と権利を認めてくれてる。
そうだね。少なくとも明治の大日本帝国憲法下よりかは、父そして長男に求められているものはなくなったので。

節分祭読まないと(メモ)
ゆうた→家族だから心配ってだけで動く理由と正当性はある

店の支配人と麻雀仲間でマブな燐音かわいいね。
夜のお店で遊ぼうが何しようが自由、って発言が出てくる男がキスしたことないわけないだろ!!!!!いい加減にしろ!!!!!(まだ言ってる)

椅子に縛って水を浴びせる尋問はやめなよ。熱湯も蝋燭もだめだよ。あれは受け取る側が望むからやれる行為ですよ。
燐音、童貞処女だと耳年増すぎるし、やっぱ非童貞非処女だろ。インターネットで仕入れたエロ知識を人を揶揄う時に小出しにする燐音とかかっこつかなすぎるだろ~!!!!!

アイドルとしては最底辺のダメ人間って言ったニキにノータイムで「少なくとも俺っちにとってはそんなことない」と返せる燐音、本当に、本当に……

こはく、ゆめのさきを無法地帯呼ばわりするの好き。まあそうですけど。

呼び方を訂正させていいのは本人のみ。本人の意思が介在しない場での決定を拒む燐音。
あだなをつけるって行為、他者からアイデンティティを与えるってことにも繋がってると思うので、マイノリティとマイノリティが出会った時のお話なんだよね。(今はインターネットがあるけど、マイノリティが「名前を得る」には他者を見て「自覚」し、教えられて、それを自分のものにする作業があるので)

3話

「こんちゃ~っす、天城燐音ちゃん入りまァす」
これでナイトクラブに出勤する男、非処女だろ!?!?!?!?なあ!!!!!!
喫煙者という、「条例」で「迷惑」にされた属性。

弟が攫われたら故郷から兵隊を集めてきて犯人を滅ぼしに行くの、まあがちでやりそうだし、冗談ではないよなって。
「過激で背徳的」の肩書をあんでから奪ったクレビ。でも、あんでの代名詞でもあったそれは足かせにもなっていた。まあわりと全員が色々やってみるのも楽しいかな!!!いいかな!!ってなってたグループに「過激で背徳的」は重いよね。それも「大人になる」って事だし、この場合は玩具が増えているのでOKです。
クロスロードのPV見てて、あの頃のさくまれいを見て、あんでというか、ゆめのさき時代のさくまれいのオタクのことを考えて鬱になるなど。私あれが現行だったら燐音とタメはるくらい好きだと思うもん。思想が。

ひなたを対等な社会人として扱う燐音

色んな仕事をやらせてもらえてって語ってたゆうたに比べて、「俺たちらしい仕事ばっかりでうんざり」のひなた。見えてるもの、フィールドが多分ちがう。ゆうたは、仕事に関して「俺たちらしさ」感じてなくて、事務所に入って幅が広がったと思ってた。でもひなたは、やれることは増えたはずなのに、そこに2winkの色が乗っかっていることが不満だった。
ゆうたは、仕事に不満はなかったけれど、それを通した評価が自分たち各個へのものではないことに居心地の悪さを覚えていた。これはもちろん、「ふたりでひとつ」からの自立への一歩でもあるんだけど、「もっと自分が評価されたい」ってことでもあるのかなって。このあたりのエゴをガッツリ出せるようになると化けるんじゃねえのとか適当な感想を抱いた。
→ダブルオーシャン(未読)やクライベがあるので変わりそうだよなあ。楽しみ。私は双子たちはモデルマイノリティのお話をしてくれるからとても好きなんです。頑張って読むね。
他者軸ではなく、自分の意思でものを考えているあたり、ひなたのが一歩先を行っているんだよね……。燐音が目をかけるのもわかるわと。

ESアイドルは子どもの年齢なのに。大人にさせられる。
オタクが違和感に思っていたこと(学内政治やプロモーションにまで学生である彼らが出張ってくること)に、!!からのキャラだからこそ言える言葉でいいよな~マジで違和感あるもん。ぜってえ大人のまともなプロに任せたほうがいいところはいいから。
子供であるはずの彼らが、大人にならなくてはならない状況は許してはならない。

一種類の玩具しか持てなくなった=大人になる?
何でもやれるようになると思ってた。

社会の歯車になってしまったつまらない大人のための、ナイトクラブや博打
それを不道徳で不真面目だと決めたのは?
言いたい事があるなら言えよ、反論も反撃もするけど。
これなのよ天城燐音

害獣だった2winkが、生き残るためにペットに、家畜になっていた。だから家族だと思ってもらえた。かわいいから、都合がいいから、便利だから。
でもふたりは、「自分たちと同じ種類の生き物」に出会えなかった。
(燐音は、自分は人間とは違う生き物だと思っていたけれど、ニキに人間だと言われ、自分もニキを人間だと認め、同じ種類の生き物になったんだよね。名前の獲得でもある)
ここ、本当にモデルマイノリティの話だと思った。
マイノリティが生き残るために(私は自分の当事者性で語れるものがセクシャルマイノリティと女性性になってしまうのでそれを引用することが多くなるんだけど)、マジョリティの都合の良いようにかたちを変えるのは賢くて正しい。
たとえばオネエタレント、たとえば敬虔な牧師などになって同性愛者を迫害するとか。
でもそれは、「社会」で生きやすくなる反面、息がしにくくなる可能性も持ってる。もちろん、変えたかたちが馴染む人もいるので一概には言えないけれど。
葵兄弟は、それで息苦しくなってしまった。
モデルマイノリティ、成功してもそれはマジョリティの望む形でしかないから、マイノリティとしての自分を自覚すればするほど、自我やそこから発露する意識との差に苦しみがちだと思うので。ふたりでひとつのかたちを世間は受け入れてくれたけれど、果たしてそれは「本当の自分」なのか? という問い。

ゆうたよりそれを強く感じているひなたに、ナイトクラブ(という場所が正しいかはおいておいて)という居場所を与える燐音。
だれかに「辛いならここにいていいよ」と言われる嬉しさ、とてつもないことだと思う。そういう場を持っている燐音もすごい。
最終的に味方になってくれる可能性が高いのは血を分けた家族
傷つけられて弱ってるのなら同胞を増やし群れを形成する。
普通の善良な人間に食い殺される前に。

これ~~~~~!!!! 
各方面に謝罪して、お利口さんになったクレビや、モデルマイノリティとなった2winkの「敵」って、「普通の善良な人間」なんだよね。マジョリティである彼らの機嫌を損ねると、殺されてしまう。

4話

序盤のゆうためちゃくちゃ好き~~~~! 自己中! 最高!
HiMERUをクレビの中では、まともそうと評価するのおもろい。
実際一番まともに話せるほうではあるけれど、まともそうだからこそ煙に巻かれているのを察しにくいよねっていうのもある。
ゆうた、このストだけ読むと「めんどくせ~~!(好き)」ってなるけど、ひなた前科あるから……。

5話

ジュンの鬼コミュ力好き。社会人ってか後輩力?
無口でクールな⁉⁉ どういうこと⁉
ジュンとみかの会話かわい~~~おひいさんとお師さんのことが好きなふたり。

HiMERU「二人きりで」じゃねえのよ。やっぱ危険人物じゃないか!

コドモノシゴト 1話

ラビみたいに初々しい子供みたいな属性を売りにしていると侮られがち、ないがしろにされがち。
「偏見には慣れてますから」が悲しいんだよねえ。
ここのHiMERUとサドンデスのHiMERUを比べてしまう。かわいい。
虫だから理屈で動くって評価好き。
人間がなんなら一番感情的だし本能的かもしれんよね。

HiMERUは昔のやり方に固執しがち。いや、それは、HiMERUっつうか……。
自我が入り乱れててかわいい。HiMERUのことかわいいと思っちゃう。

2話

社会経験をあまりせずに大儲けしてしまった子供の話。昔の芸能界の話。
マジでHiMERUいくつなん??????
36歳説笑いながら提唱してたけどワンチャンあるじゃん。どんな気持ちで制服着てたの?? なんであんな自信満々だったの????
俺たちと違って他のユニットはみんな同じじゃないのに。
君らも同じじゃないんだよ。同じであろうとすることは、同じであるという事実ではないのよ。
多数派のために舗装された道を歩くことを推奨され、そうでないものが歩くことすら困難になる。だからその道を選ばないし選べない。これわりとまんま燐音がずっと主張してきてることと重なるしやっぱHiMERUクレビ向いてるよ!!になる。

俺たちの都合に合わせて世界を変えたら、同じ苦労を強いることになる。
それの何がいけないの? 
に対してHiMERUが、自分の人生なのになんで他人のために我慢しなくちゃいけないの? 多数派は自分の心地よい人生のために他人を犠牲にして顧みもしないのに?
→マジで好き。大好き。
マイノリティのための施策をなぜマイノリティ自身が「みんなに迷惑かけて」と、申しわけなく思う必要があるの?という問いかけ。ないんですよね。だってマイノリティが便利になろうがなるまいがマジョリティの世界って変わらないですから。
ここからのHiMERUの畳み掛けもすき。みんな平等にちょっとずつ迷惑を被ってる? 少数派だからそう感じるだけで、実際は多数派は少数派に重荷なんて押し付けていない? 
違う。逆らうだけで、マイノリティは怒られるし、さらに状況は悪化する。マイノリティは、「お利口さん」に主張するしかない。
本当にすべてがそうだよね。
同じような文脈で、1部ストで性自認について触れられた嵐ちゃんが「自分が黙っていたら性について悩む子に申し訳ない」みたいな発言をしていたのが思い出される。嵐ちゃん自身は、ナイトクラブでいえば2wink的な、モデルマイノリティとして迎合していく精神も持ち合わせているのだろうなと思うんだけど、やっぱ一歩先を行っていて、自分はそう思っていても、自分を拠り所にしている子がどう思うか、を考えているの大好き。私はなんとなく嵐ちゃんはトランスジェンダー女性として描写を試みているのかなと思っている(違うと完全にミスジェンダリングなのでダメなことだから、あくまで考察のお話です。公式で提示されればすぐに改めます)ので、そういった子たちのロールモデルである自分を正しく認識しているところが好きです。

生きるのがお上手で感心しますよ。にすべてが込められてる。HiMERU大好きだぞ。
多数派が正しく、少数派は間違っていると感じてしまう現状。多数派のために世界が構築されていて、生きづらいのは自分のせいだって結論に誘導されやすいから……。
『矯正』って言葉を選ぶの、たぶん「左利き」が矯正されてきたところとかかってるけど、だいたいそうだよね。言語的マイノリティは、マジョリティのために言葉を覚えさせられる。宗教的マイノリティは迫害され、改宗させられる。セクシュアルマイノリティも、矯正施設に送り込まれた歴史がある。いろんな歴史が、マイノリティと矯正を語っている。
間違っているあなたたちを、間違っている自分たちを愛してくれる存在がいるのに、なぜ私たちは「正しさ」を追い求めてしまうのだろう。
大人になることは、正しくあることではないし、ここでいう「正しい」は、マジョリティの目線から見た「正しい」なのでまったく正しくない。大好きだよ。
「天国は子供や悪人のためにある」、ハーレイ・クインとむすびつけて語られがちな「良い女の子は天国に行けるけど、悪い女の子はどこにでも行ける」が思い出された。こういう文脈大好き。

3話

「かわいいアイドルを近くから眺めて触れあえる」やっぱけっこうしっかり「ナイトクラブ」だよねえ。だいぶアングラ。

ビッグ3への燐音評すき。
「自分に一時だけでも利益や快楽を与えてくれる存在」を冷静に批判して、さらに捨てることはなかなかできない。それは、ほんとうにそう。
露悪的な自分を愛してくれるファンがいる限り、泥を啜ってでもそういうふうに生きるという宣言。誰かに媚び、迎合するくらいなら、自分を捨てるくらいなら、をかつて正当派アイドルを目指していた男が言う重さヤッバ。
でも、今の自分がいるのは今の自分を愛してくれた人がいるから、を誰よりも強く分かっている。

4話

ゆめのさきの特殊なコミュニティで育ってきた人たちの価値観と、ジュンの言葉染みる~~~~!!
「何で、あの子らだけ?」はそう。人には人の地獄があるんだよな。
ジュンがさらっと「自慰行為の玩具」って言ったの、普通に怒ってるんだな~と感じた。自分はおひいさんに助けられたけど、それはあくまで引き上げられただけで、悩みにあれこれ手をだしてくれるような「マジョリティ側」の人たちはいなかった、って感じなのかな。
ほんと、あらためて、双子の立ち位置って本人たちからするとマジョリティとの板挟みですごく辛いんだけど、マイノリティから見ると、マジョリティの理解も得られて社会的に成功していて、とてつもなく羨ましく感じるんだよな~。構成がうまい。

「アイドルなので定時で帰ります」で延々と居座るの、全部が矛盾してる。そもそもアイドルは時間で契約してないだろ! 

5話

アニキと呼びかけていたけれど、自分を悪として弟を守ろうとするな、と呼びかけるときは役割語ではなく「ひなたくん」って言うの、他者尊重の肝があるからえらい。あとここ、弟兄をミスリードさせてくんのやめて。普通にわからなくなるから笑

なんか急に立ち絵みてたら葵兄弟片落ちのシャツ似合ってて骨格ナチュラルっぽくて笑っちゃった。

昔気質、義理堅いを「おじさん」で論破するゆうたくん好き。いや、まあ、おじさんだよね。

6話

識るって言葉使うキャラ好きなんすよ。君は君を識らなくちゃ……(アイドルマスターSideM 北村想楽ソロ曲より)
望んで「悪い子」として振る舞う先輩(さっきまで望んで悪役を引き受けてきたって言及されていたひなた)が良すぎ。
愛されキャラに戻れるとでも?

エピローグ1

良くはない、を善くはない、ってあてるの、すごく他者の価値観を否定していない感じもあって好き。否定派してるけど、「良」ではない、と「善」ではないってニュアンス違うから。
ここで、自分たちもいつまでも今のままではいられないと実感するゆうた。がんばろ。応援してる。マジで。

自分がゲリラやれって言ってきたのに、今は良い顔しませんよ~。コズプロくんさあ。
「特待生」じゃない落ちこぼれが集まっている。ここのジュンと燐音のやり取りも好き~~~!!!!
なんかこういうジュンとの会話があって、日和を同室になったあと、「ああたしかにこの底抜けな明るさはあいつにとって太陽になるはずだなあ」って納得しててほしい。燐音もそういう存在に救われた過去があるでしょう。
お~~稼げ稼げ!!! やったれ!!!

エピローグ2

こはくちゃんが「わしらにとってははじめて自分たちの意思で~」ってちょっとわくわくしてるのかわいい。「ニキはんはちゃうの?」はあざとすぎる。燐音をはじめてみつけた時もこういうのに落とされたの、おもろ。感情で生きている男だな~。
言い方があれだけど、燐音も「俺っちはニキがいねェと駄目なんだよ」って、ニキと一緒にやりたいってことだしね。かわいい。それを察してくれずにご飯に釣られて「靴舐めればいい?」とか言ってくるの、かわいそうかわいい。

ESの仕組みになじめるものばかりではない。ESと政治(ガチ)の繋がりもね、そうなるよねえ。賄賂あってもおかしくはないけどリスクではある。ここまで一大産業と化したアイドル事業には政治側からも顔色を窺うことになる(のは、ここ最近の日本で起こっている報道を見ていればさらに理解が容易なわけで……)
そういうなかで割を食ってきた連中、いるよね。いるもん……。
そういうやつらの気持ちを代弁し、抵抗するのがクレビであり、その在り方だからこそ存在できる。存在させてくれる彼らを、だからこそ燐音は肯定して慰め、尊び愛する。
燐音をアイドルにしてくれたのは、彼らだから。

冷静にブルーオーシャン戦略の話ではあるけれど、そこでマイノリティ層をとりにきた燐音およびクレビが大好きだ。
「世間の大多数のみんなが本物の星だって思ってるもんが、星だろ思えない連中」を肯定し、愛しますと言ってくれる人間への信頼えげつない。痛くて苦しくて酒に逃げるしかなくて、酒飲んで酔っぱらうなんてみっともないって否定されてさらに傷つく、は燐音の体験談ぽい。

エピローグ3

HiMERUはどれだけ望んでも、「HiMERU」にはもうなれない。
元ソロアイドルの男から、ソロアイドルに戻りたい男への一人称「俺」最高。
それはHiMERUが、こはくが、あの時燐音を留めてくれたから。

俺たちはここにいい。そして、お前らもここにいていい。
生きていていいんだって、自分が正しいと思ったものを正しいと思ってもいいんだって。
肯定するコミュニティの在り方。
めちゃくちゃ自語りになるんだけど、少し前にゲイバーに行った時にすごい感じた。普段タブーとされがちな「性」について、あんなに否定される不安が発生しないもんなんだって。ああ、自分はたしかにここに存在していて、ここいいていいんだって思ったから。そういう肯定をクレビもくれるんだよね。
あなたがあなたであることを、間違ってないよと言ってくれる。マイノリティにとって、こんな嬉しいことはない。燐音はそれを知っている。人間だと言ってくれ、何があっても傍にいてくれるニキ。間違っていると否定していたけれど、飲み込んで理解をして、自分の頭で考えて「愛している」と言ってくれた弟。昔目指した自分と変わっていても、見に来てくれるファン。そして、昔見たアイドルに、言われた「ありがとう」という言葉。
アイドルとして存在することは、そのファンに対しての最大の肯定となる。
故郷で間違っていると言われ続けて、「呼吸の仕方を忘れちまった」完全に「I can’t breathe」の文脈で、迫害されるマイノリティに重ねてる。生きることを、存在を、権利を肯定する。それが正しいことだと、繰り返し伝えて俺たちだけはお前らに息をさせてやる、と伝えるのか……。しかも同時に、生きる場所を選んでいいという証明にもなる。天城燐音およびクレビの在り方、「Chosen Family」すぎる。あまりにもクィアとしての文脈がそろい踏みになりすぎ。大好き。愛してる。

唇を奪って人工呼吸してやるって言葉選ぶアイドルが童貞処女なわけ……(まだ言ってる)

エピローグ4

親に対する兄弟の認識違い、天城にも重なるしさ~~~!!
自分を否定してきた人のことを化け物としては扱わない。はちょっとわかるな。相手も人間なので。クソだなと思っても、人間として接する誠実さは持ち合わせようね、ってのは常日頃から考えている……。

アイドルとして愛をふりまく≠恋人や夫婦、家族と明示されてるの好き。
アイドル恋人作っちゃだめ論苦手なので……。あんさんぶるスターズはずっと、アイドルである彼らが人間であるということを描きつづけているから。だから私は羽風薫のあんずへの恋愛感情を応援しています。まあ、あんずはNEGIのものなんですけど(NEGIあんのオタク)

クレビは自分たちを愛してくれるファンがファンであると定めたけれど、2winkはもう少し広く「みんなのことが大好き」である可能性も残している。「みんな大好き」だってちゃんと受け取ってくれると信じることが、ひなたからファンに対する最大の敬意だし、アイドルとしての在り方なんだよね。この差も好き。
モノガミーとポリアモリーの話ですか? 複数人を愛するからといって弱くて足りないわけじゃないの! ほんとうにそう! 

ゆうたの、やっぱり自分はまだ保護される生き物でしかないのかな、対等になれていないのかなって悩み。
そうじゃないとは思うんだけど、対話というか互いのもの言いについてのぶつけ合いが少ない感じがする。若い。

エピローグ5

きれいなところに隔離しようとすることは「愛」であると肯定する燐音。愛で傷つく、というマイノリティの意見を伝えることもまた「正しい」ことだよね~~~! 徹底的に思い悩んでいたり、立場的に弱いものにやさしい。好きだ。
大人として、存在する文脈がないといけないのはそれはそれで世知辛いけど「正しい」よね。ただ、これは燐音のやりたいこととかが嚙み合ってそういう主張になっているから、なにか「理由」や「主張」「文脈」がないと存在できない、認めてもらえない、価値がないとする社会はそれはそれで窮屈なのでは、とも思う。ただそこから外れた人間を肯定するのもまた、クレビなのだけれど。

「足の下におぞましいものが流れているって」は誰かを踏んでいることに気づけるってことだと思う。でも、大人でも気づけない人は山ほどいるし、時と場合、対象によってわかったりわからなかったりする。そういう人が、ものが、いると知っていることが大切で、ゆうたくんはそれをちゃんとわかってるからすごい。好き。
「自己主張」を「大人の遊び」と捉えさせてしまったゆめのさきの自称大人ども!! 出てこい!! の気持ち。庇護した結果だぞ!!! いや、でも、まっすぐそだってこれたのは皆さんのおかげで……ハイ……。

ゆうたの締め、大好き。完璧。ナイトクラブ本当に好き。

まとめ

全編通してやっぱりクレビの在り方と、天城燐音の在り方、それと対比するように、双子も語られるのが美しい。兄弟関係ひとつとっても全然違うし、見えているものも変わる。早くクレビアルカツアー、見たいな……。

アイドルって基本「あなたがいてくれるから」の他者肯定が根本にあると思っているけれど、それに加えてクレビは「世間がどう言おうがお前は正しいよ」なのが好き。しかも、それは「みんな」に向けたものではなくて、いろんなマイノリティたち(はぐれ者)へ向けている、というのがさらに好き。
すごいアイドルだよ……。

少なくとも、私はクレビがこの文脈で存在してくれたからあんさんぶるスターズのことが好きになったし、こういう作品があるということ自体はマイノリティとして生きる自分の支えになるので大好きですね、という感想文です。
サドンデスのknightsとバチバチにやってるところも好き(経験や機会の格差に触れていたり、その後にこはくがある意味家父長制の被害者であるとわかったり)なので、その感想文もそのうち書きたい。

以上! ゴリゴリ主観の感想でした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?