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たった140の視界

140
不定期に約140文字で散文のようなものを。推敲ほぼなし。ネタ帳的な。ちょうど140となりましたので一旦完了。佐久イヌ140をお楽しみくださいませ。
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#軽めなBL

急がないでゆっくりくればいい
お前は慌て者だから
すぐに焦って そんで躓いて
その拍子に方向までわかんなくなるから
少し深く呼吸して
吸うより吐く方がリラックスするんだ
力まずに力抜いて
走らずに歩いて
そしたら美味しい物とか買ってきて

逃げたりなんかしない
俺はここにいるから

ここでないどこか
君のいない何処か

そこでないいつか
僕のいる時間から

いつかこの道が交差し
僕と君が会えることを

願いよりも強い思い込めて
そう望めば

君へと続くその先を
見ることが出来るのか
途方もない長い距離を時間を

全て差し出して

僕はいつもそう願っているんだ

嬉しい の感覚が同じっていうのは
それだけで人生得した気になる
朝起きて顔見て嬉しい
一緒にご飯食べて嬉しい
ライムシリーズの新作が嬉しい

そのうちに
同じ世界にいるだけで嬉しい
いてくれるだけで嬉しい に
そう まるで
お互いが空気みたいな
当たり前の存在が
実は奇跡だと知る

抱きしめたいと思っても
俺はお前よりも背は低いし
一回り以上小振りで
広い背中に手が届かない
話す時もお前を見上げて
まるで小さな子供みたいだ
でも 大きな体を畳んだお前は
俺の側にいたがる
どこかしら触れ合ってないと
不安そうな顔で
あれだな お前こそ
まるで小さな子供みたいだ

体のどこかしら一部分
触れ合ってるのが好き
ガバッとこなくていい 指先だけでも
体温と気配が感じられたら
飯食ったあとのポカポカな感じ
ひんやりと外気に溶けるような
帰ったばかりの温度もいい
お前に触れて触れられて
交歓するかのように
そんで混ざり合って
ひとつの塊になれたらいい

昨日より今日の方が
カッコよく見えるのは何故だろう
本人にカッコいいなんて
言えやしないけど
会った時より もっと
日ごと 秒ごと もっと疾く
あいつの存在が大きくなって
俺の中の余裕 隙間
全部 お前で埋め尽くされてく

気付いたら俺はきっと
お前と同化しちゃってたかもしれない

言ってること 一旦腹の中に落として 浮かんでくるその意味合いを 理解する 時間が少しかかっても 少し待たせてしまっても 大切な言葉一つ一つ 無駄にしたくない そしてつなぎ合わせた諸々が 意味を成すその時 ああ お前でよかったって 胸に染み渡るこの幸福感を 心の中に仕舞い込む

知らない は 知らないフリ
知ってる は 知ってるフリ
どっちも フリ だから
全部ほんとはその逆なんだ

そこを読めるやつが欲しくて
責めるよりも同意して欲しくて

そのうち 何が何だかわかんなくなって
全部めんどくさくなった頃
ようやく出会った

フリ を思わず忘れる相手に

どこにいても何してても
うっかり電車乗り過ごしても
間違えない
右でも左でもどっちでも
行き先は同じ
何やってんだよ 困った笑顔で
待っててくれるお前がいる

広い海に沈んで 踠いて
忘れ去られそうな場所でも
力強い腕に引き上げられる

どんなことがあっても
そこが俺の 帰る場所

君と見た映画も 花火も
全部 覚えていて
自分が着て行った服も靴も
覚えていて
ご飯も 海沿いの道歩いたことも

でもどうしても
思い出せないでいること

君が何を着て 何を食べて
何か買ってくれたり
俺と話してくれてた
他愛無いもの

ごめん だけど

何一つ覚えていないんだ

どこにあるのか
どこにいるのか
「誰か」に会えるまでの道程は
迷い しかなかった気がする

お前と出会えて
諸々に感謝できて

もう探さなくても
俺は全部持ってるんだって
お前見てたら そう思えた

マットレスからはみ出す足も
丸まって動かない綺麗な背中も

これは俺の全部なんだ

開けた戸閉めないとか
シャワーの栓ゆるいとか
俺のプリン食べちゃうとか
気に入らない所上げてくと
キリないけれど
そんなとこが百あっても
千あっても 億あったとしても
全部帳消しになる唯一

俺のことが好き て
全身で言ってくれるとこ

お前のことが好き て
全世界に言えるとこ

自分のこと 心の中で認めたら
思ってもみなかったことが叶って
考えてもいなかった展開になって
予想外の方向から助けられて

あまりのことに呆然としてたら
側にいたあいつが一生懸命
よかったな 言ってくれて
抱きしめてくれて

流れに逆らわずに
ただ任せてみたら

自分に戻れた

カオスな家中掃除して 堆く溜まってた洗濯物片付けて もはや俺の手が入ってないとこなんて どこにもないんじゃないかって位 あいつが夕方帰ってくる頃まで 完璧に仕上げときたい そうですここあいつの部屋 自分ちよりも気合い入れた やった感が欲しいんだ やってやった感感じて欲しいんだ